a子「今後も妥協せず」、2024年の展望語った大盛況の渋谷CLUB QUATTROワンマン

a子が12月16日に大阪・Shangri-La、26日に東京・渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブ「a子 Live Tour 2023『l'm crazy now, over you』」を開催した。この記事では東京公演の模様をレポートする。

いずれもチケットがソールドアウトした「a子 Live Tour 2023『l'm crazy now, over you』」は、a子初の東阪ツアー。中でも東京公演は彼女にとって過去最大キャパである渋谷CLUB QUATTROを舞台に行われた。自らが率いるクリエイティブチーム・londog所属のバンドメンバーが待つステージに現れたa子は、1曲目に妖しげなムード漂う「bye」をセレクト。場内をどこかミステリアスなウィスパーボイスで満たすと、そのまま人気曲「天使」「somewhere」「あたしの全部を愛せない」を続けてオーディエンスのテンションを一気に引き上げた。a子はその後、ビート感の強いダンスナンバー「シニスター」「暴く春」で観客の体を大きく揺らしたかと思えば、会場の熱気を鎮めるように狂気とメランコリックなムードが同居するミディアムナンバー「drug」「CHAOS」を演奏した。

ライブ中盤、それまでのクールな雰囲気から一転し、穏やかな語り口でオーディエンスとのコミュニケーションを楽しむa子。彼女は満員のフロアを眺めながら「年の瀬も楽しく過ごしましょう。今年最後のライブです。よろしくお願いします」とうれしそうに語りつつも、「みんな暑いやろ？ 倒れる人もほんまにおるからな。しんどかったら手を上げてな」と優しく呼びかけた。a子は気怠げなボーカルと感傷的なリリックが印象的な「trank」でライブを再開すると、2020年発表の「青」「肺」など初期のダークな世界観の楽曲をプレイ。続く「racy」ではクールな音楽性に、自身が持つポップネスを組み込んだ「racy」を届け、会場を瞬く間にダンスフロアへと変貌させた。

a子はライブ終盤のゲストに12月6日発売の3rd EP「Steal your heart」のレコーディングに参加したバイオリニスト・斎藤ネコを迎える予定だったが、斎藤の怪我により叶わなくなったことを明かす。斎藤を気遣いつつ「ネコさんとは来年一緒にやれたらいいなと思っております！」とファンに誓った。その後は「どろり」「愛はいつも」「太陽」などタイプの異なる楽曲を次々と繰り出し、a子というアーティストの振り幅の広さを感じさせるステージを展開。最後は疾走感あふれる「samurai」を軽やかに歌い上げ、会場に深い余韻を残してステージをあとにした。

アンコールを受けて再び登場したa子は「大事なお知らせがあるよ。けっこうびっくりすると思う（笑）」と、ポニーキャニオン内のレーベル・IRORI Recordsからメジャーデビューすることや、2024年初夏に1stフルアルバム（タイトル未定）をリリースすること、8月に東京と大阪の2都市を回るツアー「a子 Live Tour 2024 "Umbilical Cord"」を開催することをアナウンス。会場が大きな拍手と歓声に包まれる中、「2020年から3年間活動してまいりましたが、やっとメジャーデビューをすることになりました！ ありがとうございます！ ほんまにうれしいね。しあわせ（笑）」「今後も妥協せず一生懸命やらせてもらいますので、見守っていただければと思います」と語った。a子はその後、機材トラブルに見舞われながらも「Blue gill」「熱帯夜」をパフォーマンスし、充実した表情でこの日のライブを終えた。

「a子 Live Tour 2024 "Umbilical Cord"」のチケット予約は、1月31日23:59までイープラスにて受付中。