ももいろクローバーZの
「クリスマスしよ♡」で華やかに幕開け
百田のソロコンが行われたのは、2021年10月開催の「百田夏菜子ソロコンサート Talk With Me ~シンデレラタイム~」以来2回目。前回は映画「幕が上がる」や東京・明治座での「ももクロ一座 特別公演」を手がけてきた本広克行監督による演出のもと、ピアノの弾き語り、百田自ら作詞したソロ曲の初披露など見どころが多い公演となり、初のソロコンながら大きな反響を呼んだ。そのときのMCで「みんな思ってるでしょ? 『あいつ、もう(ソロコンを)やらないかもしれないな。だから今観ておかないと』って(笑)。そんなこと言って今後の予定とか、新たに発表できることは何もないんですけど(笑)」と語っていた百田だが、再びさいたまスーパーアリーナでのコンサート開催が実現し、貴重なステージを目撃しようと今回も大勢のファンが会場に集まった。
開演前、アリーナの中央に設置された円形のセンターステージにはクリスマスツリーを投影した筒状の紗幕が貼られ、百田のイメージカラーである赤のグッズを身に着けたモノノフ(ももクロファン)とのコントラストがクリスマスムードを演出。さらに白い布にサンタ帽のような被り物をした人々がアリーナ内を彷徨い歩き、幻想的な空気を漂わせていた。開演時刻になると、12時を指す時計の針が紗幕やスクリーンに映し出され、“シンデレラタイム”が到来したことを告げる。そして紗幕の向こうに姿を現した百田が最初に歌唱したのは、今回のコンサートに合わせて制作され、12月15日に配信リリースされたソロ曲「クリスマスしよ♡」。昇降式のリフトに乗った百田は、自ら作詞を手がけた、心を躍らせながらクリスマスの準備をする女の子の気持ちを描いたポップソングをキュートに響かせた。紗幕に映し出される鮮やかな映像、観客が揺らす赤いペンライトの光も相まって、会場は瞬く間にきらびやかなで非日常的な空間に様変わり。2曲目「ニュームーンに恋して」でプレゼントボックスが開くようにステージの紗幕が一気に降り、白のワンピース衣装を着た百田が「メリークリスマス!」と太陽のような笑顔を浮かべると割れんばかりの歓声がこだました。
今回のソロコンが月曜日の開催であることを受け、百田が「え、お仕事休んだ……?(笑)」と問いかけると、観客は両手を挙げて「はーい!」と元気よく返答。本人のキャラクターをそのまま反映したような穏やかな雰囲気で場内が包まれる中、百田は「はちはちはちはちでこっぱち~」というおなじみの自己紹介も披露した。その後、百田はサンタクロースやトナカイ姿のスタッフが押すトロッコに乗り込み、前日にさいたまスーパーアリーナで開催されたももクロのクリスマスライブ「ももいろクリスマス2023 PLAYERS」でも披露した「ゲッダーン!」を歌唱。サンタ衣装のバンドが待つサイドステージへ移動したあとは、自身初の作詞曲「それぞれのミライ」を歌い、伸びやかな歌声をバンドが奏でるエモーショナルなサウンドに乗せた。
柔らかな歌声を強調する最小限の音像と照明
ここで一旦ステージ上から姿を消した百田だが、星がちりばめられた黒のドレスに着替え、ダンサーを率いてすぐさま再登場。シックで妖艶なダンスナンバー「Doubt」を、振付に椅子を取り入れてクールにパフォーマンスし、「みんなが傷付いたりしたときにこれを聴いて1人じゃないと思ったり、何か力になったらいいなという思いで書かせてもらいました。悲しいエピソードやイラッとするエピソードを聞いたり、そういう作品を観たり、自分の中のどこかにあるそういう感情を探したりして書いて……作ってるときはずっとなんとも言えない気持ちだったんですけど、こうやって皆さんにお届けできてうれしいです」と胸の内を明かした。
次のブロックではペンライトの光をオフにするように百田が観客に呼びかけ、センターステージ上を鋭く照らすライトとその中でゆらゆらと舞うシャボン玉だけが場内に浮かび上がる。百田はスノードームと化したこのステージで、辛島美登里「サイレント・イヴ」をしっとりとカバー。ナオト・インティライミが提供し、百田の口癖をタイトルと歌詞に盛り込んだ「わかってるのに」ではカホンのリズム、ももクロのウインターソング「空のカーテン」ではピアノの伴奏に合わせてじっくりと優美に歌声を響かせた。音数を最小限まで絞ったパフォーマンスにより、葛藤や希望を描いた歌詞の一節一節が大きな説得力を持ち、観客の心に染み込んでいった。
会場がセンチメンタルな空気で包まれる中、百田は「しっとり歌ったんですけど、次はアゲアゲで」とはにかみ、続いて新曲「ukiukihuman!」を初披露することを宣言。腕を頭上で回したり、両脇を開け閉めしたりするキャッチーな振付を観客にレクチャーしたのち、計12名の“ウキウキダンサーズ”とともにポップなアッパーソングを踊って会場に心地よい高揚感をもたらした。
モノノフへ新曲弾き語りのプレゼント
百田が再びステージを立ち去ったあとは、スクリーン内の時計の針が逆回転し始め、活動初期の懐かしの映像が上映される。ももクロの結成年で、百田がまだ中学2年生だった2008年の映像を皮切りに、幼い表情の数々がスクリーンに映し出されるたびに観客は29歳の大人になった現在の彼女の成長を実感。大きなリボンが付いた淡いエメラルドグリーンのドレスで登場し、「Kanako's プライド」 と題したインストゥルメンタル楽曲をおもむろにピアノで弾き始める姿を見て、会場のファンはさらにその思いを強めるが、当の本人は「お着替えしてきましたー(笑)」と無邪気な笑顔を浮かべて場内の空気を一気に和ませた。
次に百田が歌唱したのは、もう1つの新曲「今日の君へ」。「明日があるから明日またがんばろうという考え方もあるし、今日が最後かもしれないから後悔のないように生きようという考え方もあるじゃない? そんな中、私は『今日が最後だったら』と考えて後悔しないようにしていて。例えば『あー、これやっちゃったな。落ち込むな』と思ったときは、『今日が最後だったらこの気分で終わるのもったいないな』ってテンションを上げたりするんです」と切り出した百田は、「この曲は『今日が最後だったら』と考えたときに、モノノフさんやたくさんのお世話になってる方に何を伝えたいかなと想像して書きました」と歌詞に込めた思いを語ると、2021年公開の映画「すくってごらん」の撮影時に猛特訓して習得したピアノの弾き語りを披露し、優しく柔らかな歌声を届けた。さらに彼女はセンターステージに用意されていたプレゼントボックスを模したピアノの前へ移動し、2011年発表の初のソロ曲「太陽とえくぼ」、静岡東京間の新幹線内で書き留めたメモが歌詞のもとになっている「ひかり」でもピアノを演奏。すっかり特技となった百田の弾き語りにバンドの力強いアンサンブルが曲の途中で重なり、観客の心を大きく高ぶらせた。
アンコールでは百田がサンタ帽を被ってステージに現れ、ももクロの定番クリスマスソング「サンタさん」を歌い始める。「かなちゃんのぉ↑↑ ちょっといいとこ 見てみたい」という歌詞のあとには、ダンサーが持つリングにバスケットボールを投げて見事ゴールを決めたほか、座席番号が書かれたくじを引き、その席に座っている観客にサイン入りグッズやお菓子の詰め合わせをプレゼント。クリスマスならではの粋なファンサービスに場内がピースフルなムードでいっぱいになった。そしてライブのラストを飾ったのは前回のソロコン同様、2012年発表のソロ曲「渚のラララ」。ダンサーたちとアリーナ内を歩きながら歌唱し、会場全体に笑顔の輪を広げた百田は「大事な時間を私のライブに使ってくれて本当にうれしいなと思いました。今日は来てくれて本当にありがとうございました」とおじぎをし、聖夜に行われた2回目のソロコンの締めくくる。スクリーンに投影された時計の針が再び12時を指すと同時に鐘の音が鳴り響き、大きな余韻とともにシンデレラタイムの終わりを告げた。
セットリスト
百田夏菜子「Talk With Me Xmas Night ~シンデレラタイム~」2023年12月25日 さいたまスーパーアリーナ
01. クリスマスしよ♡
02. ニュームーンに恋して
03. ゲッダーン!
04. それぞれのミライ
05. Doubt
06. 一味同心
07. サイレント・イヴ
08. わかってるのに
09. 空のカーテン
10. ukiukihuman!
11. ヘンな期待しちゃ駄目だよ…?♡
12. Kanako's プライド
13. 今日の君へ
14. 太陽とえくぼ
15. ひかり
<アンコール>
16. サンタさん
17. 渚のラララ
むむむむむー @ebimomochan
一瞬一瞬に夏菜子ちゃんの可愛さや
愛くるしさがあまりに詰まってる😳
ふぁぁぁ、、、てぇてぇ🥹❤️
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#ももクロ #TalkWithMe❤️
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