GRAPEVINE×ACIDMAN、ツーマンライブで見せたそれぞれの尖り方

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GRAPEVINEACIDMANのツーマンライブ「ライブナタリー “GRAPEVINE × ACIDMAN”」が11月7日に東京・Spotify O-EASTで開催された。本公演はライブナタリー主催によるイベント。GRAPEVINEとACIDMANがツーマンライブを行うのは今回が初となった。

GRAPEVINE(撮影:ヨシモリユウナ)

GRAPEVINE(撮影:ヨシモリユウナ)

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ACIDMAN

大木伸夫(Vo, G)(撮影:森好弘)

大木伸夫(Vo, G)(撮影:森好弘)[拡大]

浦山一悟(Dr)のフロアタムが「to live」の始まりを告げ、大木伸夫(Vo, G)のギターと佐藤雅俊(B)のベースが唸りを上げる。大木が早口のリリックをまくし立てると、開始早々フロアの熱気は急上昇。一瞬のブレイクで「死ね」というフレーズが響くたび、客席からは歓声が上がった。さわやかなギターフレーズで始まったのは「FREE STAR」。四つ打ちのドラムに乗って、佐藤とファンが一緒になって飛び跳ねる。大木はGRAPEVINEについて「学生時代から大好きなバンド」と話し「新譜が素晴らしかった。GRAPEVINEの尖り方ってめちゃくちゃカッコよくて。何も媚びないし、自分たちのやりたいことを追求して。その姿勢がニューアルバムにもすごく出ていて、最高のアルバムだなと思いました」と9月にリリースされたGRAPEVINEの最新アルバム「Almost there」に言及した。

佐藤雅俊(B)(撮影:森好弘)

佐藤雅俊(B)(撮影:森好弘)[拡大]

しっとりと始まる「リピート」。3人の演奏は徐々に熱を帯びていき、8分音符が1つずつ重たく、切実に響く。その後、メロウチューン「spaced out」で会場の空気は一変。紫色のライトがフロアをなめずり回すように照らし、ギターのディレイ音が不気味にこだまする。大木はACIDMANの楽曲に共通する要素は「どんなに大事に生きても、必ず死んじゃうということ。あと何十年か経ったら俺たちは全員死んじゃうという悲しさ、切なさ」だと語った。

浦山一悟(Dr)(撮影:森好弘)

浦山一悟(Dr)(撮影:森好弘)[拡大]

「尖りたくてたまらない気分です」という大木の言葉で、南米で運用されているアルマ望遠鏡をモチーフとしたバラード「ALMA」がスタート。宇宙マニアである彼の「宇宙は一体どうなってるんだ」「僕たちはなぜ生まれたんだ」という探究心が強く込められたこの曲に、観客はじっくりと耳を傾けた。ライブは「夜のために」でラストスパートに突入。性急なビートで一体感が増したフロアに「飛光」が投下され、大歓声に包まれながら3人はステージをあとにした。

GRAPEVINE

西川弘剛(G)(撮影:ヨシモリユウナ)

西川弘剛(G)(撮影:ヨシモリユウナ)[拡大]

5人で登場したGRAPEVINEは「Ready to get started?」「Glare」を続けざまに披露。田中和将(Vo, G)と西川弘剛(G)の歪んだギターが重なり合い、そこに伸びやかな歌声が乗る。場内の空気は憂いを帯び「光について」でそれはさらに強まっていく。亀井亨(Dr)が生み出す重厚な8ビートの上でスライドギターが響いたのち、それまでの雰囲気を打ち消すような陽気さで話し出す田中。「今日の対バンはACIDMAN! 略してドシマン! サンキュー、ドシマン!」と彼は会場の笑いを誘い「宇宙の話、僕はできませんけど、皆さんを一時的に宇宙にお連れすることはできます」とファンの期待を煽った。

田中和将(Vo, G)(撮影:森好弘)

田中和将(Vo, G)(撮影:森好弘)[拡大]

「The Long Bright Dark」は田中のハミングからスタート。サビではエッジの効いた歌声がリズミカルに響く。亀井のドラムロールを合図に始まったのは「ねずみ浄土」。静寂の中に刻み込まれていく和音が、息をのむような緊張感を生み出す。西川は右足首を細かく動かし、ギターソロに艶やかなワウをかけた。真っ赤に照らされたステージで「雀の子」が届けられたのち、「アマテラス」でライブは後半戦へ。ベースとドラムの音を全身で浴びるかのように、田中は両腕を大きく広げてみせた。「我々の膨大なレパートリーの中からあと4億曲ぐらいお送りするぜい」と告げた彼は「COME ON」でブルージーなギターソロを披露。ディスコチューン「実はもう熟れ」では四つ打ちのドラムが観客を踊らせた。

亀井亨(Dr)(撮影:ヨシモリユウナ)

亀井亨(Dr)(撮影:ヨシモリユウナ)[拡大]

「Ub(You bet on it)」を披露した5人は深々とお辞儀をしてステージから去る。フロアにアンコールの拍手が巻き起こり、GRAPEVINEは「B.D.S.」でライブを再開。西川のギターが歌心たっぷりに暴れ回り、フィナーレを華やかに彩る。この日のラストナンバー「Arma」はACIDMANの「ALMA」と1文字違い。GRAPEVINEとACIDMANそれぞれの尖り方が提示されたツーマンライブは、幸福感に包まれながら幕を閉じた。

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セットリスト

「ライブナタリー “GRAPEVINE × ACIDMAN”」2023年11月7日 Spotify O-EAST

ACIDMAN

01. to live
02. FREE STAR
03. Rebirth
04. リピート
05. spaced out
06. 季節の灯
07. ALMA
08. 夜のために
09. 飛光

GRAPEVINE

01. Ready to get started?
02. Glare
03. 光について
04. The Long Bright Dark
05. 停電の夜
06. ねずみ浄土
07. 雀の子
08. アマテラス
09. COME ON
10. 実はもう熟れ
11. それは永遠
12. Ub(You bet on it)
<アンコール>
13. B.D.S.
14. Arma

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