6月から10月まで、およそ4カ月をかけて19公演を実施した大森。ファイナル公演は
大森が演奏するテクラ・バダジェフスカのピアノ曲「乙女の祈り」がSEとして流れ始めると、フロアはサイリウムのライトでピンク色に染められ、厳かなムードが漂い始める。四天王バンドとともに舞台へと登場した大森が「私の部屋にようこそ!」とオーディエンスを歓迎すると、「ミッドナイト清純異性交遊」でライブの火蓋を切った。大森たちは前半「マジックミラー」「新宿」など、長年ライブで披露されてきた代表曲を中心にプレイ。四天王バンドがストイックに演奏を行う中、宇城は大森と同じ振り付けで踊ったり、盛んに手拍子を催促したりと、観客たちの応援をリードするようなステージングでサポートした。
「イミテーションガール」披露後、大森はファンが着用しているツアーTシャツについて語り、プリントされている「大森靖子はいいぞ」という言葉でコール&レスポンスを展開。すると山之口と藍染がおもむろにステージへと現れ、藍染による和太鼓の演奏に合わせて「大森靖子めっかわ音頭」が届けられた。さらに「×○×○×○ン」ではフロア中に緑色の巨大バルーンが大量投下され、これを打ち返そうとする観客がそこかしこにあふれる。その様子を見た大森は「こういうの慣れてないから、死ぬほど疲れたね……」と労う一幕もあった。
「君の声が聞こえる!」「一番気持ち悪い気持ち、ぶつけてくれますかー!」という大森の煽りを受けて、オーディエンスのテンションはどんどんヒートアップ。その熱気に合わせるように「VOID」は倍速に近いアップテンポにアレンジされ、大森たちのパフォーマンスにも熱がこもっていった。その後「超天獄」演奏前には、ツアー恒例となった設楽によるクイズコーナーへ。「大森は愛媛出身でsugarbeansは香川に10年住んでいた」「今回の会場は東京」という話題から、即興で「東京都の人口は四国4県の合計人口の約何倍?」という問題を生み出してみせた。
後半戦に入り、「TOBUTORI」からは再び山之口が舞台へと登場。「イマジナリーフレンド」では倒れた大森を起こして手を重ね合わせたり、「VAIDOKU」冒頭の禍々しい雰囲気の即興演奏に合わせて激しくダンスしたりと、各メンバーと息の合ったパフォーマンスでステージを彩った。そして本編最後の楽曲「オリオン座」は、大森とsugarbeansの2人のみで披露。大森の指揮に合わせて観客たちが合唱し始めると、彼女はフロアへと降りていき、方々のファンに向けて手を振ったり、声を掛けてひとときの交流を楽しんだ。
アンコールに入り、大森は今回のツアータイトルは愛猫・キルムの名前から連想し、「大きな夢や目標を叶えるためには、小さな夢を殺していかないといけない」「大きな目標を掲げて毎日取り組んでいけたら素晴らしいなと思って、このツアータイトルを付けて前を向いてきました」と明かす。そして「私の音楽は川から海へと広がっていくような曲が多くて。今までは川で溺れそうになっている人を助ける番人みたいになりたかったけど、これからは川になろうって決めました」「川遊びのように私で遊んでほしいし、楽しい音楽で『この人生でよかったな』と思ってもらえるようにしたいです」と宣言。最後に自身の大きな目標を掲げ、「KILL MY DREAM TOUR」を締めくくった。
大森靖子「大森靖子 KILL MY DREAM TOUR 2023」2023年10月1日 昭和女子大学人見記念講堂 セットリスト
01. ミッドナイト清純異性交遊
02. マジックミラー
03. 新宿
04. イミテーションガール
05.
06. ×○×○×○ン
07. 非国民的ヒーロー
08. Re: Re: Love
09. VOID
10. 超天獄
11. TOBUTORI
12. イマジナリーフレンド
13. VAIDOKU
14. 夕方ミラージュ
15. 死神
16. オリオン座
<アンコール>
17. 絶対彼女
18. 最後のTATTOO
19. S.O.S.F. 余命二年
20. Rude
21. TOKYO BLACK HOLE
※記事初出時、本文の一部に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
大森靖子🌏 @oomoriseiko
まだ余韻でいっぱい、ほんとうに素敵なライブ!
ここに辿り着くためにずっと頑張ってきたなって思える場所の一つでした。
今年の節目ライブ、歌舞伎町大森靖子祭、大森靖子生誕祭、キルムファイナル、しっかり最大限のパフォーマンスができたなって思うので、これからもそれを更新していきたいです。… https://t.co/ccq41G7Ckv https://t.co/Xj8ElWd3wm