今年3月に結成19周年を迎えた9mm。彼らは「19th Anniversary Tour」と題し、1月から12月までの9日または19日にライブや配信企画を実施している。その一環として行われたこの日のライブは、9mmにとって約9年ぶりの武道館公演。バンド名にちなんだ「9」が並ぶ記念すべき公演で、彼らは前半に武田将幸(
客電が唐突に消え、ファンから歓声が沸き上がる。ストロボが激しく点滅する怪しげなムードの中、9mmメンバーはステージに姿を現した。そして鮮烈なライティングとともに初期曲「The World」でライブがスタート。滝善充(G)を筆頭に、彼らは猛烈なステージングでのっけから観客を圧倒する。続く夏フェス讃歌「All We Need Is Summer Day」では観客が一斉に合唱。さらに「Black Market Blues」「Keyword」と人気ナンバーが畳みかけられ、客席には熱気が渦巻いた。
菅原卓郎(Vo, G)は「俺たち今年、19周年をお祝いするツアーをやってて、この会場は一番大きいんだけど、9mmが一番近く感じるライブにしようと思います。だからみんなも心を近付けてきて」と宣言。さらに事前にファンから楽曲リクエストを募った結果から、9位と19位になった楽曲を演奏すると説明した。「みんな歌いたいんだと思う」と次の楽曲がファンに選ばれた理由を推測した彼は「みんなが歌ってくれたら9mmは今夜、“無敵”だと思います!」と歌詞を引用して叫ぶ。その後「Story of Glory」の重厚なサウンドと美しいメロディが場内を包み込んだ。中村和彦(B)の歪んだベースが印象的な「3031」に続いて演奏されたのは、ファンリクエストでセットリスト入りを果たしたもう一方の楽曲「光の雨が降る夜に」。菅原いわく、この曲はこれまでの楽曲投票では不動の1位であったにもかかわらず、今回は演奏対象の順位に着地したという。菅原と滝がお立ち台に上がりユニゾンを聴かせたアウトロから、ライブチューン「Answer And Answer」へとシームレスにつながると、場内はますます興奮状態と化した。
ライブ半ば頃、メンバーが退場し、ステージに1人残ったかみじょうちひろ(Dr)がスキルフルなドラムソロを披露。曲芸のごとくスティックを自由自在に操りながら、強固なビートで武道館を沸かせた。銅鑼の音を合図にメンバーが戻り、「One More Time」でライブは再開。この曲では中村が特にステージを大きく使い、挑発するようなモーションでファンの心をさらに熱くさせた。本公演のセットリストの中で最初期曲である「Beautiful Target」では菅原が初期衝動を呼び起こすようなボーカリゼーションで魅せる。さらに9mm節の炸裂した新曲が披露され、聴衆に新たなライブチューンの誕生を予感させた。
「ライブハウス武道館に来ましたね」と、2009年の初の武道館公演でも引用した氷室京介の名言を口にする菅原。彼は次に披露する楽曲について、インディーズ時代から存在していたものの、なかなか形にならずに3rdアルバム「Revolutionary」にようやく収録されたと紹介した。しばらくライブで演奏していなかったその楽曲が、今回のファンリクエストで1位に輝いたという。そんなストーリーが語られたのち、9mmはメランコリックでハードなナンバー「Finder」を2023年現在の円熟したサウンドで演奏した。その後半、滝がバンドの指揮を執るかのようにグッとテンポを落としてギターフレーズを鳴らし、それにメンバーが意識を集中させて合わせにいくひと幕も。19年の歴史の中で培われた揺るぎないグルーヴが観客にまざまざと見せつけられた。
ここで菅原は19周年を迎えられた感謝の気持ちを改めてファンに伝える。「今日はすでに最高の日だと思うんだけど、もうちょっと行きたい。もうちょっとじゃなく、もっと行きたい。みんなはどうですか? 行けるかー!」と彼が観客を煽ったのち、9mmはライブにラストスパートをかけた。最新曲「Brand New Day」やライブ定番曲でファンの拳や頭を振らせた彼らは、「新しい光」「Punishment」というキラーチューンをいつにも増して高速でプレイ。ラストに銀テープが客席に向けて発射され、9mmの記念すべき公演の幕引きを華やかに彩った。
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\ \ ライブレポート //
9月19日(火)9mm Parabellum Bullet@日本武道館
音楽ナタリーにてライブレポートが公開されました📝 https://t.co/B1qHkR1fyf