原因は自分にある。が夏ツアー完走、“代わりのいない存在”になるための進化と挑戦

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原因は自分にある。のホールツアー「LIVE TOUR 2023 -G=ø-」が、昨日8月9日に大阪・オリックス劇場で最終公演を迎えた。

原因は自分にある。

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げんじぶにとって初のホールツアーとなった、今回の「LIVE TOUR 2023 -G=ø-」。7月19日の東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演を皮切りに、全国4会場で全6公演が行われた。この記事では、7月21日に行われた東京公演の模様をレポートする。

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開演時刻を迎えると、ステージから放たれるメンバーカラーの7色の光が満員の客席をまぶしく照らし出す。そのせわしない光の動きが観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)の期待感を高めた瞬間、ステージセットの上段に大倉空人、小泉光咲、桜木雅哉、長野凌大、武藤潤、吉澤要人の6つのシルエットが浮かび上がった。彼らがライブのオープニングに届けたのは、最新シングルの表題曲「Foxy Grape」。葡萄色の光の線が無数に走る舞台の上で6人は力強く足を踏み鳴らし、クールながらも気合いのにじむパフォーマンスを見せる。ステージ両脇に設置された大きなLEDビジョンには歌い踊る彼らの顔が順にクローズアップされ、その精悍な表情には客席から思わず声が上がった。曲中にゆっくり階段を降りた6人がステージ前方でポーズを決めると、響き渡る時計の秒針の音が「無限シニシズム」の始まりを告げる。雅哉が自身のパートの歌のニュアンスをアレンジしてライブ感を演出すると、空人もパッションをそのままフロウに乗せる熱いラップを叩きつけ、客席に渦巻く熱気をぐんぐんと高めていった。

原因は自分にある。

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空人の「行くぞ!」という咆哮とともになだれ込んだ「黄昏よりも早く疾走れ」ではステージが夕焼け色のオレンジに染まり、6人は疾走感に満ちたロックサウンドの上でドライブするボーカルリレーを聴かせる。潤や空人はエネルギッシュなハイトーンでサビを歌い上げて会場のボルテージを引き上げてみせた。そして、「2択 2択 2択」というキャッチーなリフレインが楽しい2ndシングル曲「嗜好に関する世論調査」へと展開すると、潤が曲中で「2択 2択……と、いきたいところなんですが!」と切り出し「今から言うメンバーの中で、どちらが“キメ顔レベチイケメン”でしょうか!?」と、観測者に“光咲 or 凌大”の2択を迫る。メンバーが煽る「光咲 光咲 光咲!」「凌大 凌大 凌大!」のコールに合わせて光咲と凌大は“レベチ”なキメ顔をカメラに向け、観測者も元気に声出しをして両者それぞれを応援。しかしながら、勝利を収めたのは“レベチイケメン”を自称する杢代和人(この日のライブは欠席)で、この展開に光咲と凌大は「おーい!」と声をそろえてツッコんでいた。

小泉光咲と桜木雅哉。

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観客による声出しの制限がなくなったライブならではの盛り上げパートを観測者と楽しんだ6人は、ここで新曲「鳴らして、シンバル」を披露した。今ツアーのために作られたこの曲は、随所に用意された掛け合いやハミングが楽しい軽やかなサマーチューン。6人はさっそうと脱ぎ去ったジャケットを肩にかけながら軽快なステップを踏み、空人と要人の“ラップ組”は流れるようなラップリレーでパワフルに楽曲を彩った。

長野凌大

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4曲を終えてのMCでは、雅哉が7月生まれのメンバーである凌大と要人の誕生日を祝福。そんな中、黒髪から金髪へ、大胆なイメージチェンジをした凌大は「(誕生日の)16日に起きて、20歳になったなーって鏡見たら生え変わってました」とおどけてみせたが、光咲から「ねえ、昨日もその話した!(笑)」とツッコまれる。一方の要人もさっぱりとした短髪に髪型を変えており、これについて彼は「20歳だし、ざくっといっちゃおうと!」と、凌大と同様20歳の節目にイメージチェンジしたことを明かしていた。

小泉光咲

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光咲が「げんじぶの夏を感じるような曲を持ってきましたので、楽しみにしてください」と次のシーンへ誘うと、スクリーンには夕暮れの海辺の景色が広がる。1人ステージに戻った凌大が歌い始めた曲は「Up and Down」。彼の声に誘われるように光咲と潤も順に現れ、3人は1番を歌い上げる。2番は空人、雅哉、要人が歌いつなぎ、6人のゆったりとした動きに合わせ、オレンジ色の光に染まった純白の衣装はゆったり美しく揺らめいた。優しいピアノの音色が導いた「青、その他」では、光咲の澄んだ歌声が客席に清涼感を運ぶ。グルーヴィなサウンドに6人が身を委ねた「夜夏」ののち、「バチバチバチ」と火花が弾けるような音が響き渡ると「結末は次のトラフィックライト」へ。ここまでの涼やかな表現から一転、6人は熱をはらんだ歌とダンスを見せる。曲終わりで彼らがステージ上段に進み空を見上げると、両脇のビジョンには打ち上げ花火が鮮やかに咲き誇った。

桜木雅哉

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「夜夏」から始まった“夏の夜”を歌い描くシーンは「夏の二等辺大三角形」で切なく締めくくられる。自分が1人残されてしまった三角関係の寂寥感や嫉妬を歌うこの曲で、凌大は自身の首元を抑えながらマイクに歌声を乗せ、張り裂けそうな思いを表現。少し苦い顔を浮かべながら言葉を紡ぐ光咲や雅哉の表情もまた、切ない物語の世界観へとオーディエンスを引き込んだ。

原因は自分にある。

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彩り豊かな楽曲で夏のあらゆる情景や心象風景を描いたメドレーを終えると、ステージ横に設置されていた2枚のパネルビジョンがセンターに移動し、その奥に立つメンバーの姿を隠す。流麗なピアノの旋律から「余白のための瘡蓋狂想曲」が始まったその瞬間、パネルに張られていた幕が落ちて観測者の目に飛び込んできたのは、シースルービジョンに映し出されたグラフィックと、その奥に立つメンバーのパフォーマンスが融合した光景。まるで6人がリリックビデオに飛び込んだかのような錯覚を覚える演出の中で、彼らは息もつかせぬほどの高速マイクリレーを叩きつけ、力強いステップで観測者を興奮状態へと誘う。「まだまだ盛り上がるぞ!」という空人の叫びからなだれ込んだアッパーなエレクトロダンスナンバー「0to1の幻想」では2進数や波形のデジタルイメージがパワフルなビートに合わせて揺れ、メンバーを近未来的世界観の中に閉じ込める。「2次元と3次元の間を行き来する存在」というグループのコンセプトを新たな形で提示した6人の挑戦に会場の熱気も急上昇し、空人が「手ェ挙げろ!」と叫ぶと観測者は力強くペンライトを振って大きな一体感を形成していた。

武藤潤

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さらに、6人がソロダンスをリレーしたダンスセクションでも、このビジョンを巧みに使ったパフォーマンスが聴衆の目を奪う。ステージ上段に立った空人、ビジョンの左右に立った要人と光咲、ビジョンの奥で躍動した凌大、潤、雅哉。メンバー名が躍るグラフィックと6人それぞれの動きは見事に連動し、中でも潤の飛び蹴りや雅哉のパンチの“衝撃”を表した映像のモーションにはひときわ大きな歓声が上がった。

左から小泉光咲、武藤潤、長野凌大。

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げんじぶらしい世界観を存分に見せたシーンを終えると、メンバーは「放課後ギュッと」に乗せて客席エリアの扉から登場し、驚きの声を誘う。“画面の向こう側”から一気に“観測者たちの中”へ。鮮やかな対比を見せる仕掛けはホールの熱を一気に引き上げ、客席のあちこちに散らばった6人は観測者たちの声や熱いまなざしに笑顔で応えてゆく。「僕はいい匂いしますか?」とくるくる回ったあとに照れた様子を見せた凌大、「推しの人と絶対にアイコンタクトしてね!」と観測者に求める要人、客席を仕切る手すりに腰掛けて歌う空人。メンバーがそれぞれにコミュニケーションを楽しむ中、最後に潤は「これからもずっと、“ギュッと”していこう。観測者最高だな!」と、弾けるような笑顔をカメラに向けた。続く「ネバーエンドロール」は1階客席通路に設けられた6つのミニステージに立って届けた6人。軽やかなクラップの音が晴れやかなムードを加速させる中、全方位を観測者に囲まれた彼らは楽しげに顔をほころばせながら歌声を届ける。空人は“ルダハート”のポーズを客席に向け、メンバーは「好きだよ!」と観測者へとびきりのスマイルを送った。

大倉空人

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6人がステージに戻ってのMCでは、ここまでの流れを振り返りつつ「夏の休日は何をしたいか」について語り合ったメンバー。「水上アスレチックでみんなで鬼ごっこをしたい」というアクティブ派の雅哉とは逆に、潤は「ガンプラ」と即答。「ドラマやアニメの一気見もしてみたいですね」とインドア派の回答を返す。また、要人が「水上バイクに乗りたいです。陸のバイクの免許は持っているので、水上も乗れるようになりたい」と言うと、空人は「よし、2024年までに取ろう!」と要人を激励していた。

原因は自分にある。

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公演ごとの日替わり曲として凌大がタイトルコールした「シェイクスピアに学ぶ恋愛定理」でライブは後半へ。優しい投げキスを送ったり、ウィンクをしたり。6人がさわやかな振る舞いで客席を笑顔で満たしたのちには、彼らと同世代のクリエイター・izkiが手がけた「Mr.Android」「貴方に溺れて、僕は潤んで。」が届けられた。レンジの広いメロディラインや複雑な楽曲展開、いずれも一筋縄ではいかない難曲だが、メンバーはライブ終盤ながらも衰えないスタミナと集中力で鮮やかに楽曲の世界観を浮き上がらせる。そして、活動4周年を迎えたばかりの彼らの確かな成長は、デビュー曲「原因は自分にある。」のたくましいパフォーマンスにも現れ、精悍な顔つきで観測者たちを見つめる6人の頼もしい先導によって、会場にはリズミカルにペンライトが上下する壮観が広がった。「次が最後の曲です。げんじぶの夏、最後まで楽しんでいきましょう」。光咲の呼びかけののち、本編の最後を飾る曲として届けられた「幽かな夜の夢」では、ビジョンの中にきらめく星空が広がり、6人の歌声をロマンチックに彩る。充実感に満ちた表情を観測者に向け、最後まで優しい歌声を響かせると、メンバーは手を振って客席に別れを告げ、ビジョンの奥へと消えていった。

大倉空人と小泉光咲。

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観測者の大きな声に応えて始まったアンコールでは、今ツアーが初披露となる「Foxy Grape」収録曲「GOD 釈迦にHip-Hop」が届けられた。メンバーへの聞き取り調査で集められたエピソードの数々で歌詞が構成されたグループの“自己紹介曲”の側面も持つ楽曲とあり、6人は楽しい雰囲気の中でにぎやかにマイクリレー。メンバーの歌声に合わせてコールを入れる観測者の息もぴったりで、曲が終わる頃には場内が心地よい一体感で満たされた。

原因は自分にある。

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3対3に分かれてのファイティングポーズで曲が締めくくられると、雅哉はさっそく「GOD 釈迦にHip-Hop」のコールに言及。「皆さんがコールしてくれてテンション上がっちゃって、もうすごい踊っちゃう!」と言って大きな笑顔を見せた。そして、要人は3DAYSで行われた東京公演を振り返り「皆さんのパワーのおかげで、3日間を乗り切ることができました。皆さんの笑顔を見られることがホントにホントに幸せで、活動していてよかったと思える瞬間の1つです」と思いを語る。「まさか自分たちがこの会場で3日間ライブをできるアーティストになれるとは」と続いたのは凌大。彼は「1年間、(活動制限中の)和人以外の6人で進んでいかないといけない中で、悩むこととかもあったんですけど……ライブをするたびに、自分たちのためにやっているつもりが、あなたのためにパフォーマンスをしているんだなって。嘘のように聞こえるかもしれないけど、本当に、(観測者)1人ひとりのためにやっていることが自分たちの夢に変わっていく体験をしています」と実感を明かし「和人もそうだし、それぞれがげんじぶのためにがんばっている中で皆さんが応援してくれてっていう、この関係性に僕らは救われています。1つひとつを大切にしていきたいですし、皆様の期待をいい意味で裏切れるような原因は自分である。でありたいなと思っています。今日は改めてありがとうございました!」と観測者への熱い思いを伝えた。

吉澤要人

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ラストナンバー「原因は君にもある。」では、彼らの熱い思いを受け取った観測者がイントロから大きなシンガロングを響かせ、ステージに立つ6人に大きなエールを送る。感情をたかぶらせた空人は曲中に「誰1人置いていかないからね。俺らでてっぺん目指そうぜ!」と気合いの咆哮。そして凌大は、自身が手の甲に付けたツアーロゴのタトゥーシールを客席に向け「このツアーロゴに込められた意味のように、“代わりのいない原因は自分にある。”になっていきます。だから今日はあなたと一緒に歌いたいです!」と力の限りに訴えた。アウトロの「ららら…」では、潤が上ハモパートを歌って観測者の声とのハーモニーを作り上げる。熱狂のうちに曲が締めくくられると、潤は「皆さんの声がぼくたちのパワーになると感じました。残りのツアーはもちろん、アリーナでもその声響かせましょう!」と、観測者と力強く約束した。

この記事の画像(全16件)

原因は自分にある。「LIVE TOUR 2023 -G=ø-」2023年7月21日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)セットリスト

01. Foxy Grape
02. 無限シニシズム
03. 黄昏よりも早く疾走れ
04. 嗜好に関する世論調査
05. 鳴らして、シンバル
06. Up and Down
07. 青、その他
08. 夜夏
09. 結末は次のトラフィックライト
10. 夏の二等辺大三角形
11. 余白のための瘡蓋狂想曲
12. 0to1の幻想
13. 放課後ギュッと
14. ネバーエンドロール
15. シェイクスピアに学ぶ恋愛定理
16. Mr.Android
17. 貴方に溺れて、僕は潤んで。
18. 原因は自分にある。
19. 僕らの世界・物語
20. 幽かな夜の夢
<アンコール>
21. GOD 釈迦にHip-Hop
22. 原因は君にもある。

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撮影:米山三郎、牧野孝彦

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たまき @8jejeje5

ネバエンのりょたさくが本持って、潤くんがページ開く振り付けのところ大好き〜😭 写真の3人愛おし過ぎる⋯⋯ https://t.co/MovPX5Hy6D https://t.co/5ILO0KzeYv

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