ファイナル公演当日、開演時刻を迎えて紗幕が上がり、アフリカのサバンナを模したステージで最初に奏でられたのは往年のテレビアニメ「ジャングル大帝」のエンディングテーマ「レオのうた」。ライオンを象った被り物を付けたカールスモーキー石井(Vo)を中心に、メンバーたちはアニマル柄の衣装で勇壮なアンサンブルを奏でて観客のテンションを高めた。「最後までよろしく!」という石井の挨拶に続いてはバンドを代表する大ヒット曲「浪漫飛行」そして「WE ARE MUSIC!」へ。草原を吹き抜ける風のように、軽やかなサウンドが届けられた。
「ようこそいらっしゃいました」と観客に挨拶した石井は、1曲目となった「レオのうた」にちなみ「ジャングル大帝」の原作者である手塚治虫にまつわるトークを展開。そのトークは日本のアニメやマンガ史、そして複数の作品の細かいエピソードにまでおよぶが、客席の雰囲気を察したBON(B)が「『この先どうなるんだろう』って不穏な空気が……(笑)」と割って入り、ようやく終了した。メンバー紹介のあとは「愛はつづいてる」「俺色にそまれ」「君がいるだけで」と、米米CLUBのポップな面を代表するナンバーを連投。オーディエンスはグッズのペンライトを掲げつつ、シュークリームシュのMINAKO、MARIやテキーラまさはると同じ振付を楽しげに踊った。
「ここはケニア、セレンゲティの草原です。YouTubeで見たことがあります」という石井のあやふやな曲紹介に続いては、MACHIKO(Cho)がメインボーカルを務める新曲「セレンゲティ」を披露。フラッシュ金子(Key)が鳴らすスティールパンの音色と、オーディエンスが揺らすペンライトの明かりがMACHIKOの力強い歌声を彩った。そしていよいよジェームス小野田(Vo)が登場。「キングヌー!」と石井から紹介された小野田は迫力あるヌーに扮して、高々と雄たけびを響かせた。
中盤ではMINAKOとBONがコミカルなやりとりを繰り広げる「野生の女」、テキーラまさはるとMARIが小芝居とペアダンスを披露した「やっタンゴたっタンゴ」と、トリッキーな新曲を連発。テキーラまさはるは「お客さまは今きっと何を見せられているんだろうと思っているはず。我々も何をしているのかわかりません」とシュールなパフォーマンスに疑問を抱いていることを包み隠さずに告白した。混沌はこれだけでは収まらず、石井と石川県金沢(Sax)によるおなじみの寸劇もスタート。アフリカのサバンナを舞台に、豹に扮した石井と警察官役の石川県が繰り広げるやりとりで場内にさらなるカオスをもたらした。
そんな空気を一掃するように、衣装を改めて登場したシュークリームシュの2人が「いみじくも君は遠い彼方 海よりも深い恋なの」をキュートに歌う。間奏ではMARIが流れ星に「私たちが27歳に見えますように!」と願いをかけ、観客の笑いを誘った。その後はBIG HORNS BEEがジャジーなインストチューン「Blow It Up」を演奏し、場内の熱気を高めた。
ワニに扮して再登場した小野田が石井とひとしきりふざけあったあとは、ツアータイトルでもある新曲「ワイルドソウル」へ。パワフルなホーンとギターのサウンド、石井と小野田の圧巻の歌声が米米ならではの唯一無二の空間を作り上げていく。その後は「OH!」「Primitive Love」と、小野田がメインボーカルを務める楽曲でオーディエンスを盛り上げた。今回のツアーの世界観にぴったりな「El Co-Conga」が届けられたあと、本編ラストは「どうにもとまらない」「Shake Hip!」で締めくくられた。
アンコールでは壮大なバラード「ときの旅路」を、ツアーの世界観にぴったりな新アレンジで披露。最後に「上を向いて唄おう」をオーディエンスと一体となって歌い、ツアーの幕を閉じた。石井は結成から40年以上を越えた米米CLUBのスタンスを「こんなことやってていいんだろうかというぐらいバカなことをずっとやらせていただいて、ありがとうございます」と振り返り、観客に「また遊ぼうぜ!」と再会を誓った。
このファイナル公演の模様は9月24日にWOWOWライブにてノーカット放送される。また本日8月9日にはライブでも披露された「浪漫飛行」をさまざまなアーティストがカバーしたトリビュートアルバムもリリースされている。
「a K2C ENTERTAINMENT TOUR 2023 ~WILD SOUL CARNIVAL~」2023年8月6日 ぴあアリーナMM セットリスト
01. レオのうた
02. 浪漫飛行
03. WE ARE MUSIC!
04. 愛はつづいてる
05. 俺色にそまれ
06. 君がいるだけで
07. セレンゲティ
08. 大草原(生贄)~chaser
09. 野生の女
10. やっタンゴたっタンゴ
11. いみじくも君は遠い彼方 海よりも深い恋なの
12. Blow It Up
13. ワイルドソウル
14. OH!
15. Primitive Love
16. El Co-Conga
17. どうにもとまらない
18. Shake Hip!
<アンコール>
19. ときの旅路
20. 上を向いて唄おう
石井竜也&米米CLUBスタッフ @tatuyaishii_st
ナタリーさんライブレポートが
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【ライブレポート】米米CLUB、全国ツアーでワイルドなソウルを表現(写真5枚) https://t.co/ipmJHph2GB
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