「SHACHI SUMMER」、通称「シャチサマ」は、改名前の「チームしゃちほこ」時代から続く夏の大型ワンマンライブ。今年の舞台になったのは、彼女たちがチームしゃちほことして活動をスタートさせた始まりの地・名古屋城だ。「シャチサマ」としては5年ぶりの“声出し解禁”で行われ、TEAM SHACHIは金のしゃちほこをバックに計23曲を披露した。
容赦なく射していた日が傾き始めた頃、ステージにTEAM SHACHIのブラスセクション“ブラス民”ことMOSが登場。続いて、スパンコールが鮮やかなへそ出し衣装を身にまとった
客席を通ってメインステージに戻った4人は改めて自己紹介を行うと、トークもそこそこに次のブロックへ。「NEO首都移転計画」でスタートしたこのブロックでは、「あなたのトリコ~究極の愛~」「東海コンプライアンス」「ごぶれい!しゃちほこでらックス」の4曲が披露された。メンバーは各楽曲に合わせてコールを叫ぶタフ民を前に、時にキュートに、時にクールな表情を浮かべながら地元愛にあふれる楽曲を歌い踊った。「そっちまで行くからねー!」という大黒の声を合図に再び客席へと降りたメンバーは「Wow Oh! Oh!」をタフ民の近くで軽やかに歌い上げる。客席を練り歩きメインステージに戻ると、続いてアップテンポなナンバー「DREAMER」を力強く歌唱。そのあとは客席内のセンターステージに移動すると、結成時から歌い続けているアッパーチューン「トリプルセブン」をアグレッシブにパフォーマンスし、場内のボルテージをさらに引き上げた。そして4人はお立ち台や客席の間からミディアムナンバー「かなた」で温かな歌声を響かせ、最後はゆっくりとメインステージへ。坂本は「1人ずつこんな顔だったなとか、マスクの下の顔ははじめましてだなって」と感慨深げに語り、大黒が「歯を見せて!」と突如声を上げると場内は笑い声に包まれる。秋本は「こうするんだよー!」とお手本にニコニコの笑顔を振りまいてみせ、咲良は「みんな今は恥ずかしがって見せてくれないけど、曲中は帆華みたいになってるからね!」とタフ民たちをからかった。
徐々に夜の帳が下りる場内を、タフ民が持つペンライトがキラキラと4色に染め上げる。TEAM SHACHIは、チームしゃちほこ時代から大切にしてきたナンバー「colors」で凛とした歌声を響かせると、さらに続けて6月に発売された松隈ケンタ全曲プロデュースの2nd EP「AWAiTiNG BEAR」より、「君にぴったりな歌」「アサガオ」とメッセージソングを立て続けに歌唱した。「アサガオ」ではシャボン玉が宙を舞い、幻想的なムードが漂う。さわやかな夜風が吹く中、アッパーな「ROSE FIGHTERS」「番狂わせてGODDESS」を気迫に満ちた表情でパフォーマンスした4人は、観客の間を足取り軽くすり抜けてセンターステージへ。頭を大きく振りながらキラーチューン「抱きしめてアンセム」を熱唱したあとは、畳みかけるように「乙女受験戦争」を歌い踊った。秋本の「見てー! あの金ピカに光る私たちのシンボル! しゃちほこよー!」というおなじみのセリフに続いて歌われたのは、デビュー曲「恋人はスナイパー」。本物のしゃちほこを目の前にした絶好のシチュエーションで、メンバーはタフ民を煽りながらメインステージへと移動し、この曲をパワフルに歌い上げた。すべてのパフォーマンスを終えると、秋本がメンバーを代表して「2023年の『シャチサマ』もこうして楽しく過ごすことができて本当にうれしかったです!」と声を張り、4人は笑顔でステージをあとにした。
鳴り止まない“SHACHIコール”を受けて再びステージに登場したメンバーは、「Rocket Queen feat.MCU」から怒涛のアンコールへ。またも客席へと飛び出し、お立ち台に登ってサイン入りのカラーボールを投げ入れながら高らかな歌声を響かせた4人は、最後にバズーカ銃でサインボールを客席へと打ち込みフィニッシュを決めた。次の「Today」ではパフォーマンス中の撮影が許可され、タフ民はあわてて自身のスマートフォンを取り出す。歌唱するメンバーを動画や写真に収めながらも、シンガロングパートになるとタフ民はメンバーと一緒に声を合わせて盛り上がった。エモーショナルな空気が漂う中、メンバーは今後のお知らせとして、今冬にフルアルバムをリリースすること、そして12月から2024年2月にかけてライブハウスツアーを開催することをタフ民に発表。そして1人ずつ、この日のステージを振り返っていく。
坂本は「13歳のときに名古屋城の路上ライブでデビューしてから、もう11年ちょっと経つんですけど……本当に今日ここまでアイドルを続けてこられて幸せだなと思いました。最初の頃から見てくれていた方も、途中から好きになってくれた方も、タイミングはバラバラだと思うけど、今日という日に、みんなで最高の夏の思い出を作れてよかったです」と思いを語る。咲良は「今日はやっと大開放! お腹も見せちゃって! すべて見せちゃって! 本当にやっと、みんなに対して私たちが見せたいものが制限なく見せられたなってひと安心の気持ちと、本当に楽しかったなっていう満足感でいっぱいです」と話し、「素敵な1日をTEAM SHACHIと一緒に作ってくれてありがとう! またライブハウスツアー、そして次の『シャチサマ』で会いましょう!」と呼びかけた。
「私たちがこの場所でデビューしたのは13歳? 14歳のときで、私は26歳になってしまいまして……」と切り出した大黒は、「ここまで続けてこれたのは、みんなに出会えたからだし、このメンバー、スタッフさん、このチームだからだなと思います。TEAM SHACHIを見つけてくれて好きになってくれてありがとうございます。柚姫もみんなに出会えてよかったなと思ってます」と笑顔を浮かべた。さらに「次は一難去って、また一難ということで……」と言葉を続けると、会場中からツッコミの声が上がる。大黒は仕切り直して「一福去ってまた一福! ということで冬にはアルバム発売、ライブハウスツアーもあるので、またみんなと一福していきたいと思います!」と咄嗟の造語に思いを乗せた。秋本は、本来温厚な性格の4人がグループとしては負けず嫌いになってしまうと話し、「私たちは何度でも言います。単独で、満員の日本武道館でライブがしたいです。そのためにまたここからがんばっていきたいです! みんなと一緒に夢を見たいです。今、TEAM SHACHIを応援してくださっているみんなはもちろん、もっともっといっぱいの人を巻き込んで、楽しいことをしていきたいです。なのでこれからもTEAM SHACHIのことを好きでいてください!」とまっすぐな思いを言葉にした。
「アイドル生活を11年やってきて、このタイミングでこの曲をいただけたこと、この歌詞がちゃんと胸に響くアイドル人生を歩んでこれたこと、本当によかったです」という秋本の言葉に続けて4人が最後に歌ったのは「勲章」。この曲を噛み締めるように丁寧に歌い届けたTEAM SHACHIは、ライブの終わりを名残惜しむように何度も何度もタフ民に手を振った。
TEAM SHACHI「SHACHI SUMMER2023 名古屋城~叫べ!夢と希望の銃弾を放つ夜~」2023年7月22日 名古屋城 二の丸広場 セットリスト
01. 舞頂破
02. START
03. ピザです!
04. Hello,
05. NEO首都移転計画
06. あなたのトリコ~究極の愛~
07. 東海コンプライアンス
08. ごぶれい!しゃちほこでらックス
09. Wow Oh! Oh!
10. DREAMER
11. トリプルセブン
12. かなた
13. colors
14. 君にぴったりな歌
15. アサガオ
16. ROSE FIGHTERS
17. 番狂わせてGODDESS
18. 抱きしめてアンセム
19. 乙女受験戦争
20. 恋人はスナイパー
<アンコール>
21. Rocket Queen feat.MCU
22. Today
23. 勲章
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