SUPER★DRAGONが示した“∞の可能性”と未来への光 ツアー「INFINITY」熱狂のうちに幕

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SUPER★DRAGONが7月16日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで全国ツアー「SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2023『∞~INFINITY~』」の最終公演を開催した。

SUPER★DRAGON(撮影:笹森健一)

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志村玲於(撮影:笹森健一)

志村玲於(撮影:笹森健一)[拡大]

「SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2023『∞~INFINITY~』」は、5月19日の千葉・市川市文化会館公演を皮切りに、全国5カ所で7公演が行われたツアー。ツアーファイナルの会場となったTOKYO DOME CITY HALLには多くのBLUE(SUPER★DRAGONファンの呼称)が詰めかけ、場内は開演前から熱気に包まれていた。

古川毅(撮影:笹森健一)

古川毅(撮影:笹森健一)[拡大]

明滅する赤い光と次第に早くなる心臓音がライブスタートを知らせた18:30。ステージ後方のビジョンにメンバー紹介とともに映し出されたのは9つの星が宇宙空間を駆けてゆく映像で、その星たちはやがてが1つになり「∞」の記号を描き出す。BLUEの注目が集まるステージに古川毅の姿が浮かび上がると、彼は第1声から気合いのにじむロングトーンを響かせ、その声でオープニングナンバー「Tap, tap, tap」の火蓋を切って落とす。毅からマイクを受け取ったジャン海渡、松村和哉、4人で悠然と姿を見せたダンサーチームの志村玲於、飯島颯、伊藤壮吾、柴崎楽、そして池田彪馬と田中洸希。次々に切り替わるスポットライトが彼らの姿を浮かび上がらせるたび、彼らの登場を待ち望んだBLUEの完成が客席から湧き上がった。

池田彪馬(撮影:笹森健一)

池田彪馬(撮影:笹森健一)[拡大]

「What's up東京! 調子どう? いくぞ!」という和哉の威勢のいいかけ声から2曲目の「Monster!」へ進むと、グルーヴィかつパワフルなサウンドでオーディエンスの体を揺らした9人。愛しい人への狂おしいほどの愛を歌い上げる彪馬が悩ましげな表情を浮かべて自身の唇をなぞるたび、会場は悲鳴のような歓声に包まれる。疾走するハードロックサウンドのラブソング「SWEET DEVIL」が会場の熱気をまた一段引き上げると、メンバーはステージの上手と下手に分かれてBLUEの声とハンズアップを要求。客席からは彼らの歌声に合わせて大きな声が上がり、9人は歌い踊りながら楽しげな笑みを浮かべた。

池田彪馬と松村和哉。(撮影:笹森健一)

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田中洸希、ジャン海渡、古川毅のパフォーマンスの様子。(撮影:笹森健一)

田中洸希、ジャン海渡、古川毅のパフォーマンスの様子。(撮影:笹森健一)[拡大]

3曲を終えてのMCで、ジャンは今回のツアーについて「僕らの“無限の可能性”が見えるツアーになってるかなと思います」とBLUEに伝えた。その言葉の意味が明らかになったのは、「Are U Ready?」から始まった次のセクション。ここでは、9人がこれまでにない組み合わせで3つのユニットを組み、ツアーのために用意された新曲を次々と披露してBLUEの驚きと歓喜を誘う。彪馬&和哉ペアによる「Do It」では和哉の鋭利な高速ラップと彪馬の艶のあるボーカル、そして2人のハイレベルなダンススキルが如何なく発揮され、抜群のコンビネーションでBLUEを釘付けにする。パッションに満ちたパフォーマンスで聴衆を圧倒した2人とは打って変わって、毅、ジャン、洸希の3人はロマンティックなバラードナンバー「maybe it's you」を披露。ステージ上段に並んで立つ彼らが歌声をじっくりと聴かせるステージ演出は3人それぞれの個性あふれる歌声とそれが交じり合ったときの豊かな響きを際立たせ、この3人でしか成し得ない化学反応にBLUEも静かに耳を傾けた。

左から伊藤壮吾、志村玲於、飯島颯、柴崎楽。(撮影:笹森健一)

左から伊藤壮吾、志村玲於、飯島颯、柴崎楽。(撮影:笹森健一)[拡大]

伊藤壮吾(撮影:笹森健一)

伊藤壮吾(撮影:笹森健一)[拡大]

ボーカルチームが各々のスキルを遺憾無く発揮した2曲を終えると、「柵から離れてください。次は『SAWAGE!!!!』です!」という壮吾の車掌アナウンスがホールに響き渡る。ここで玲於、颯、壮吾、楽が届けたのは、ダンサーチーム初の歌唱曲である「SAWAGE!!!!」。ハンドマイクを持って歌うダンサー4人という見慣れない光景にBLUEの興奮が高まる中、彼らはそれぞれのアイデンティティをリリックに落とし込んだラップをリレーしてオーディエンスをさらに沸かせる。いつのまにか颯の決まり文句となった「つまみ出すぞ!」や玲於の自己紹介口上、愛猫家である楽の「子猫ちゃん」……。次々と繰り出されるキラーフレーズや、想像を超えるパワフルさを有していた壮吾の低音ラップに会場の盛り上がりも加速していき、4人は神輿を担ぐ動きを模したサビのダンスで文字通りのお祭り騒ぎを繰り広げてみせた。“∞の可能性”を求めて挑んだこの3曲に、メンバーはそれぞれ手応えを感じたようで、彪馬は和哉に向けて「最終日が一番カマせたんじゃない?」と自信をのぞかせる。普段は主にラップを担当しているジャンも「毅が企画してくれてどうなるんだろうと思ってたんですけど、やってみたらいい感じだった!」と笑顔。また、「SAWAGE!!!!」はジャンと和哉が作詞作曲を、ダンサーの4人が振付を手がけた楽曲であることも明かされ、颯は「楽しんで作ったので、披露するときはぜひ一緒に神輿を担いで」とBLUEに呼びかけていた。

ジャン海渡(撮影:笹森健一)

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松村和哉(撮影:笹森健一)

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オールブラックの衣装に着替えたメンバーがステージに再集結したセクションでは、メンバーがステージを降り、BLUEのすぐそばで歌声を届ける場面も。「Pretty Girl」を歌いながら客席通路を進む9人は、笑顔でコミュニケーションを楽しんでBLUEとの距離感を縮めていく。夕暮れのようなオレンジ色の光に染め上げられたステージで毅と洸希が柔らかなハーモニーを響かせた「Distance」ののち、「Summer Breeze」ではスマートフォンでのライブ撮影が許可され、9人はBLUEの熱い視線とカメラレンズが向けられる中で涼やかな風を届けていた。

柴崎楽(撮影:笹森健一)

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会場に響いた雨音とともにシーンは移り変わり、「相合傘」では傘を片手にロマンチックなパフォーマンスを披露した9人。曲の後半に彼らが傘を閉じるとステージ奥のビジョンにはさわやかな青空が広がった。ステージ上段から届けられた「Not Enough」ではビジョンに浮かぶ光の粒や揺らぐ光線がメンバーのダンスパフォーマンスと美しく連動。ディープな恋の駆け引きを歌うメンバーはセンシュアルな身のこなしでBLUEの視線を釘付けにし、間奏のダンスセクションやラストのサビパートではダンスの中で素肌をさらすモーションで悲鳴のような歓声を誘った。

サンダードラゴン(撮影:笹森健一)

サンダードラゴン(撮影:笹森健一)[拡大]

ファイヤードラゴン(撮影:笹森健一)

ファイヤードラゴン(撮影:笹森健一)[拡大]

そして、9人の“∞の可能性の追求”は後半パートでも。ここでは年長ユニット・ファイヤードラゴンと年少ユニット・サンダードラゴンの新曲が披露された。“先攻”を取ったサンダードラゴンによる新曲は、2019年にリリースされた「真冬の熱帯夜」のアフターストーリーを描く「Bad Bitter Honey」。和哉や洸希は普段よりも抑えた声色のラップで“年上の女性との恋”を語り、持ち前の甘い歌声を響かせる彪馬の情感豊かな表現もまた、4年分の時の流れと彼らの成長を聴く者に感じさせた。一方のファイヤードラゴンがドロップしたのは「Aim So High」というアッパーチューン。ダイナミックに跳ねるダンスとパワフルに響かせるボーカル。各々のハイテンションなパフォーマンスで文字通り高みへと駆け上がっていく、ご機嫌ながらもストイックな1曲をフルパワーで届ける4人の表情はどこか楽しげで、毅はこの曲について「バチ踊り込み曲。修行ですね。でも楽しいよね!」と思いを語っていた。

SUPER★DRAGON(撮影:笹森健一)

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田中洸希(撮影:笹森健一)

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ファイヤードラゴン、サンダードラゴンの“新たな可能性”が提示されたシーンを経て、「Revolution」からライブは怒涛のクライマックスへ。9人は自ら鉄格子のフェンスを操って牢獄のような空間をステージ上に出現させ、楽曲の壮大な世界観をより立体的に表出させる。彪馬と毅の気迫に満ちたハイトーンボイスで“革命”の幕開けを宣言したところで、「OK東京。“黙らずに”叫ぼうぜ」とBLUEを誘ったのは和哉。声出しが制限されていたコロナ禍に皮肉を込めて付けられた楽曲タイトル「Shut Up, Shout Out」をもじってBLUEを煽った彼の言葉に、オーディエンスもリミッターを外したかのような大きな声を上げて応えた。メンバーは次々と客席へ降りてさらなる声を求め、洸希はステージセンターで渾身のシャウトを轟かせる。「お前ら最高じゃん。でもまだまだ騒いでいこうよ!」という声とともに「Mada' Mada'」へとなだれ込むと、今度は「まだまだいけるぜSUPER★DRAGON!」というおなじみのコールが広いホールに響き渡り、場内は加速度的にヒートアップ。額を付き合わせるようにして声を重ねる洸希と和哉、その奥で同じように目を合わせ歌声を響かせる毅とジャン、その2組の間に切り込んでゆく彪馬。それぞれのメンバーの鬼気迫るようなテンションも相まって、会場にはヒリつくような熱気が渦巻いていた。

SUPER★DRAGONのライブの様子。(撮影:笹森健一)

SUPER★DRAGONのライブの様子。(撮影:笹森健一)[拡大]

勢いのまま投下されたキラーチューン「Untouchable MAX」にはこのツアーのためのダンスアレンジが加えられ、9人は壮絶なテンションで絶頂まで駆け上がっていく。「Reach the sky」のタオル回しが場内に大きな一体感をもたらしたのち、毅が「最後に魂の旗、SOUL FLAGを掲げてひとつになりましょう!」と言って導いた本編ラストナンバーは「SOUL FLAG」。メンバー同士の絆、そして9人とBLUEとの強い結び付きを歌うこの曲の落ちサビの歌唱を客席に委ねたメンバーは、BLUEが全力で歌い上げるその声を万感の表情で見つめていた。

田中洸希と池田彪馬。(撮影:笹森健一)

田中洸希と池田彪馬。(撮影:笹森健一)[拡大]

アンコールを求める大きな声に応えてステージに戻った9人は、「Bad Day」で軽やかにライブを再開させ、リラックスした表情とにぎやかなメンバー同士のやりとりで観る者を笑顔に。曲を終えてのMCではサンダー、ファイヤーそれぞれの新曲についてのエピソードが語られ、サンダーの「Bad Bitter Honey」について、和哉は「Yockeさんと俺との共作です。洸希にラップをやらせたくて、彼ができるかできないか、ギリギリを狙ったフロウを作ってみました」と秘話を明かした。

古川毅と田中洸希に靴紐を結んでもらうジャン海渡。(撮影:笹森健一)

古川毅と田中洸希に靴紐を結んでもらうジャン海渡。(撮影:笹森健一)[拡大]

「生きているとつらいことや見たくないニュース、たくさんあって。皆さんそれぞれに抱えているものがあると思うんですけど、明日から皆さんが夢に向かっていくその背中を押せればと思って、良いエンタメを作っています。『応援してください』というよりかは、『応援してます』。最高の青の景色、これからも作っていきましょう」。そんな毅の言葉とともにラストナンバー「Popstar」が始まると、ステージビジョンにはグループ結成当時のメンバーの写真が順に映し出され、9人がここまで歩んできた歳月の長さと成長をBLUEに感じさせた。曲を終えるとメンバーは次々に今の思いを語り、颯は「僕らまだまだ進化していきますので、よろしくお願いします!」と呼びかける。洸希も「これからも最高の思い出を作りたいので、付いて来てもらえたら」と訴え、壮吾は「今年の夏は目白押しですから、走る先をこれからも青く照らしていってくれたら」と続いた。

飯島颯(撮影:笹森健一)

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「1人で戦っていると考え込むこともあると思うけど、SUPER★DRAGONの音楽を流すと吹っ飛ぶくらいの存在になれたら」と思いを語ったジャン、「今回のツアーでは、『Persona』(パシフィコ横浜でのワンマン)の先をしっかり見せられたと思う。これからも止まらないので一緒に歩いてくれたら」と伝えた玲於に続き、和哉は「言いたいことはさっきの曲(Popstar)の中でほとんど言ったけれど」と切り出し「僕らと僕らの音楽はずっとあなたの味方なので、信じてください」と呼びかける。グッズ制作に携わっている楽は「皆さんがグッズをたくさん身に付けてくれてうれしい」と笑顔を見せたのち「9人の可能性をくっつけて、ずっと突っ走っていきたい」と未来を見据えた。

SUPER★DRAGON(撮影:笹森健一)

SUPER★DRAGON(撮影:笹森健一)[拡大]

そして彪馬は「メンバーの作った曲をメンバーが歌って、メンバーが作った振付を踊って。常に幸せを更新できている気がしますし、皆さんの幸せも、僕らが常に作っていきたいと思います」と約束した。「無限の先を作っていくためには皆さんの青の光が何より必要だし、皆さんがかけがえのない存在です」。BLUEへのまっすぐな思いを伝えた彪馬は、最後に「この先も僕らは走り抜けていきます。皆さん付いて来れますか?」と、笑顔でBLUEに問いかけた。

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SUPER★DRAGON「SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2023『∞~INFINITY~』」2023年7月16日 TOKYO DOME CITY HALL セットリスト

01. Tap tap tap!
02. Monster!
03. SWEET DEVIL
04. Are U Ready?
05. Do It
06. maybe it's you
07. SAWAGE!!!!
08. Don't Turn It Down
09. So Woo
10. Pretty Girl
11. Distance
12. Summer Breeze
13. 相合傘
14. Not Enough
15. Bad Bitter Honey
16. Aim So High
17. Revolution
18. La Vida Loca
19. Shut Up, Shout Out
20. Mada' Mada'
21. Untouchable MAX
22. Reach the sky
23. SOUL FLAG
<アンコール>
24. Bad Day
25. Popstar

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