ReoNaは3月にリリースした2ndフルアルバム「HUMAN」を携えて、全国7都市を舞台にツアーを実施。“人間”という大きなテーマに向き合って作り上げた本作の収録曲を中心に、全16曲をパフォーマンスした。
ステージに姿を現したReoNaは「Weaker」で勢いよくライブを開始。疾走感のあるバンドサウンドをバックに、自分の弱さと向き合って力強く前に進んでいく意思を歌い上げた。「ついにツアーファイナル。今日お届けするあなたとの1対1、最後までゆっくり楽しんでいってね」とReoNaは穏やかに述べ、重厚なアンサンブルに乗せて「生命線」を歌唱。「ないない」ではミステリアスな空気をまといながら、ダウナーな歌声を響かせた。
ReoNaは「正しさって誰が決めるんでしょうか? それが1つとも限らないのに。誰かの正義が、またほかの誰かの正義を傷つける。それでも痛みとともに、生きていく」と確かな口調で話し、オーディエンスを包み込むように「Alive」を伸びやかに歌い上げる。そしてReoNa自身が作詞を手がけ、異なる道を歩む友人への思いをつづった「FRIENDS」をアコースティックギターを弾きながら優しく届けた。飾り気のない歌声で紡いだ「絶望年表」を経て、ReoNaは“おおかみのナラ”と“にんげんのさよこ”の別離を描いた寓話的なナンバー「さよナラ」を鍵盤のメロディアスな音色に乗せて披露。さらに一筋のスポットライトの光を浴びながら「一番星」をたおやかに歌唱した。
「優しく温かく、ちょっぴり切ない歌」とReoNaが前置きをして歌い上げたのは、NHK「みんなのうた」の放送曲「地球が一枚の板だったら」。ReoNaは温かな歌声を響かせたあと、カラフルなライトに彩られた舞台で「ライフ・イズ・ビューティフォー」を軽やかに歌い、ポジティブなメッセージでオーディエンスの背中を押した。「シャル・ウィ・ダンス?」では“シャドウ・ダンサーズ”がステージに登場。オーディエンスも一斉に踊り、場内に舞踏会のような光景が広がった。その後ReoNaは「いつかは訪れる。受け入れられたくなくとも訪れる。それは平等に、時に残酷に、病めるときも健やかなるときもいつか終わっていく。忘することなかれ」と告げ、「メメント・モリ」まっすぐに歌唱。生命力あふれるみずみずしいアンサンブルが響き渡った「VITA」では会場にシンガロングが響き渡った。
アコースティックギターの音色とともに「ALONE」を柔らかに届けたReoNa。彼女は「今日改めてここに来ることを選んでくれて、本当にありがとうございます。今日という日はあと少しで終わってしまうけど、まだまだこれから受け取ってもらいたいお歌たちがあります」と述べ、10月からアコースティックツアー「ReoNa Acoustic Live Tour “ふあんぷらぐど2023”」を開催することを発表した。そしてReoNaは「誰かに傷を癒せるとか闇をはらえるとかそんなたいそれたことは言えないけど、歩み続けるこの道の先で、大好きなお歌を紡いで、大好きなアニメに、作品に寄り添ってあなたの絶望に寄り添えますように。人は1人。みんな1人。だからこそ人と出会い、人と別れ、それでも生きていく。どうしようもなく生きていく」と観客に言葉を贈り、アルバムの表題曲「HUMAN」をスケール感たっぷりに披露。最後には桜のような紙吹雪が舞う中で「SACRA」を美しく歌い上げ、ステージの奥へと続く光の道をゆっくりと歩いて去って行った。
ReoNa「ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2023 “HUMAN”」2023年7月13日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)セットリスト
01. Weaker
02. 生命線
03. ないない
04. Alive
05. FRIENDS
06. 絶望年表
07. さよナラ
08. 一番星
09. 地球が一枚の板だったら
10. ライフ・イズ・ビューティフォー
11. シャル・ウィ・ダンス?
12. メメント・モリ
13. VITA
14. ALONE
15. HUMAN
16. SACRA
ReoNa Acoustic Live Tour “ふあんぷらぐど2023”
2023年10月20日(金)愛知県 三井住友海上しらかわホール
2023年10月27日(金)東京都 品川インターシティホール
2023年11月2日(木)福岡県 DRUM LOGOS
2023年11月10日(金)大阪府 なんばHatch
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楊(やん) @yan_negimabeya
【ライブレポート】ReoNa、人の弱さも優しさもまっすぐに歌い上げた「HUMAN」ツアー閉幕 https://t.co/BetQ4Czc7R