髭が歴代メンバー全員と9人編成ライブ、20年間振り返り「出会いはあったけど別れはなかった」

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が7月9日に東京・LIQUIDROOMにてワンマンライブ「(4+1)×4=XX」を開催した。2003年7月9日にミニアルバム「LOVE LOVE LOVE」でデビューした髭にとって、この日はデビュー20周年記念日。歴代メンバーおよびサポートメンバーが全員集結し、これまでの総決算となるステージを繰り広げた。

「(4+1)×4=XX」終演後に撮影された記念写真。(Photo by Wataru Umeda)

「(4+1)×4=XX」終演後に撮影された記念写真。(Photo by Wataru Umeda)

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アイゴンこと會田茂一が参加した髭のパフォーマンス。(Photo by Wataru Umeda)

アイゴンこと會田茂一が参加した髭のパフォーマンス。(Photo by Wataru Umeda)[拡大]

ライブが開演すると、須藤寿(Vo, G)、宮川トモユキ(B)、斉藤祐樹(G)、佐藤“コテイスイ”康一(Percussion、Dr)の現メンバー4人とともに2014年に脱退した川崎“フィリポ”裕利(Dr, Percussion)がステージに現れ、早くも会場は大歓声に包まれた。興奮状態のフロアに向けて5人は、20年前の初作品「LOVE LOVE LOVE」の1曲目を飾った「白い薔薇が白い薔薇であるように」、そして「ブラッディ・マリー、気をつけろ!」を披露。さらに、2010年から2013年にかけて正式メンバーだったアイゴンこと會田茂一(G)も加わって6人編成での「下衆爆弾」がスタートし、舞台上は一気に混沌となった。アイゴンがギターを振り回してスピーカーの隙間に突っ込もうとした結果、シールドが抜けて音が出なくなるというトラブルも。この曲で一旦退場するフィリポは、9年ぶりの髭のライブを振り返って「全然緊張しなかったんだけど!」と言い、これ以降その言葉はさまざまなゲストたちにモノマネされることになる。

須藤寿(Photo by Wataru Umeda)

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フィリポがステージを去ると入れ替わりで、現在のサポートドラマーである藤田勇(MO'SOME TONEBENDER)が参加。アイゴンがプロデュースを手がけた「それではみなさん良い旅を!」「ロックンロールと五人の囚人」を2曲連続で演奏し、コロナ禍による規制がひと段落したことを感じさせるように「ロックンロールと五人の囚人」では「ロックンロールは死刑」というオーディエンスの大合唱が沸き起こった。須藤はこのライブについて「前代未聞だと思う。今まで出会って、いろんな理由で一緒にやることをやめたメンバーが、また全員集まるなんて、そんなことやってるバンドきっといない。それを許してくれた今までのメンバーたちと、今日ここに集まってくれたみんなは寛大です。その寛大な皆さんに許してもらったついでに、今日はめっちゃ楽しんじゃおうと思います」とうれしそうに笑顔で語っていた。

佐藤謙介(Photo by Wataru Umeda)

佐藤謙介(Photo by Wataru Umeda)[拡大]

gomesこと中込陽大。(Photo by Wataru Umeda)

gomesこと中込陽大。(Photo by Wataru Umeda)[拡大]

アイゴンと入れ替わりでステージに立ったのは、2019年までサポートドラマーを務めていた佐藤謙介(ex. 踊ってばかりの国)。ここから「TOMATO」を皮切りに彼がレコーディングに参加している時期の曲が続き、「とても愉快なテオドアの世界」では須藤が客席を半分に割ってコール&レスポンスを繰り広げた。「闇をひとつまみ」にはさらにサポートキーボーディストのgomesこと中込陽大も参加。gomesがサポート加入して最初にやった仕事だという、「闇をひとつまみ」のミュージックビデオ撮影で白塗りの化粧をしたことを回想して盛り上がっていた。その後、佐藤は一旦退場して再び藤田が加わり、6人は「バタフライ」と「嘘とガイコツとママのジュース」を披露。gomesの奏でるキーボードの音色も相まって、妖しくサイケデリックな雰囲気に会場は包まれていった。

左から川崎“フィリポ”裕利、須藤寿、佐藤“コテイスイ”康一。(Photo by Wataru Umeda)

左から川崎“フィリポ”裕利、須藤寿、佐藤“コテイスイ”康一。(Photo by Wataru Umeda)[拡大]

gomesがステージを去ると、残るのは現在活動中の最新編成の髭メンバーだ。ここで彼らは7月19日にリリースする20周年記念アルバム「XX」の冒頭を飾る「Birthday」をお披露目。ここまでずっと、ひさびさのメンバーで懐かしさを感じさせるライブを展開してきた彼らだったが、シューゲイザー風の切なくドリーミーなこの曲によって、最新の髭が最高の髭だとアピールした。さらに「もっとすげーすげー」「黒にそめろ」を連発して勢いのあるパフォーマンスを観客に見せ付け、ライブはいよいよ終盤パートに。須藤がそれまで出演してきたゲストを呼び込み、ステージ上に歴代メンバー&サポートメンバーが全員集結した。9人中4人がドラマーのため、ここで何を演奏するべきか悩んだという須藤が「コテとフィリポが歌うのがいいと思って」と言って選曲したのは「オニオン・ソング」。須藤、コテイスイ、フィリポの3人が肩を組んで左右に揺れながら仲よさげに歌うと、オーディエンスにも笑顔が広がっていった。

歴代メンバーが全員参加した髭。(Photo by Wataru Umeda)

歴代メンバーが全員参加した髭。(Photo by Wataru Umeda)[拡大]

クラウドサーフする佐藤“コテイスイ”康一。(Photo by Wataru Umeda)

クラウドサーフする佐藤“コテイスイ”康一。(Photo by Wataru Umeda)[拡大]

「髭よさらば」ではコテイスイがフロアに突っ込んでクラウドサーフをするひと幕も。ここで須藤は「出会いがあれば別れもあるっていうけど、結局こうやって9人で演奏することになった今の感想は、出会いはあったけど別れはなかったんじゃないかな」とこの日のライブを振り返り、「この9人でやるというのは、このバンドの新しい可能性だと思っています。20周年を迎えてもまだまだ、曲を書きたいとかバンドをやりたいって気持ちが全然冷めなくて。これからもたくさんの新しい可能性をよろしくお願いします」と挨拶した。そしてオーディエンスに向けて「きみの世界に花束を」を届けると、彼らはステージを去った。

左から川崎“フィリポ”裕利、須藤寿。(Photo by Wataru Umeda)

左から川崎“フィリポ”裕利、須藤寿。(Photo by Wataru Umeda)[拡大]

アンコールの声に呼び戻されて、再び9人が観客の前に。かつてのレコーディング時の思い出話などで盛り上がったのち、ツインギターにベース、キーボード、ツインドラム、パーカッション、そしてフィリポのタンバリンという編成による分厚いサウンドで「虹」が披露された。さらに須藤が「このバンド、ドラムが4人いるの知ってる? すごいもの見せてやるよ」と声を上げ、そのまま「テキーラ!テキーラ!」に突入。フィリポは肩から下げたジャンベを叩き、4人のドラマーによるトライバルで強烈なビートがオーディエンスの体を揺らした。当時のメンバーごと再現しながらバンドの歴史を振り返るという、ほかではなかなか観ることのできない試みは無事に成功。ステージ上にもフロアにも、幸せな空気がいっぱいに漂っていた。

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髭「(4+1)×4=XX」2023年7月9日 LIQUIDROOM セットリスト(※カッコ内はゲスト)

01. 白い薔薇が白い薔薇であるように(フィリポ)
02. ブラッディ・マリー、気をつけろ!(フィリポ)
03. 下衆爆弾(フィリポ&アイゴン)
04. それではみなさん良い旅を!(アイゴン&藤田勇)
05. ロックンロールと五人の囚人(アイゴン&藤田勇)
06. TOMATO(佐藤謙介)
07. とても愉快なテオドアの世界(佐藤謙介)
08. 闇をひとつまみ(佐藤謙介&gomes)
09. バタフライ(gomes&藤田勇)
10. 嘘とガイコツとママのジュース(gomes&藤田勇)
11. Birthday(藤田勇)
12. もっとすげーすげー(藤田勇)
13. 黒にそめろ(藤田勇)
14. オニオン・ソング(9人)
15. よさらば(9人)
16. きみの世界に花束を(9人)
<アンコール>
17. 虹(9人)
18. テキーラ!テキーラ!(9人)

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読者の反応

ケンチンミン @ken_tin_min

これはライブ行きたかったな!

やっぱり髭が大好きです! https://t.co/834hBaTiCF

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