羊文学は昨年5月に台湾のアーティスト・LUCYとのコラボ曲「OH HEY」を発表し、11月に台湾・Zepp New Taipeiで開催されたライブイベント「神仙組合」に出演。今年は7月8、9日に中国・温州で開催される「2023楠溪江XIHUROCK 西湖音乐节」、8月4~6日に韓国・仁川で行われる「Incheon Pentaport Rock Festival 2023」といった音楽フェスへの出演も決定しており、海外の音楽ファンの間でもじわじわと注目を集めている。初の海外ワンマンとなったLegacy Taipei公演のチケットは、発売開始からわずか10分でソールドアウト。3人は大勢の観客が見守る中、新旧織り交ぜたセットリストで圧巻のステージを展開した。
塩塚モエカ(Vo, G)、河西ゆりか(B)、フクダヒロア(Dr)がステージに姿を見せると、フロアからは大きな拍手とともに「大好き!」「愛してる!」と、この日を心待ちにしていた現地のファンの歓声が飛ぶ。羊文学はフクダを中心に向かい合わせに立つと、ノイジーなギターを合図にスローナンバー「予感」で演奏を開始。静かな立ち上がりから徐々に熱を帯びていくバンドサウンドに、塩塚が憂いを帯びた繊細なボーカルを乗せて、序盤から観客の心をがっちりとつかんだ。3人はその後、疾走感あふれるミドルナンバー「ハイウェイ」や、ラウドかつ重厚なサウンドが印象的な「FOOL」、羊文学のポップサイドとも言える「ラッキー」、儚く幻想的なムード漂う「ソーダ水」など、テイストの異なる楽曲を次々と繰り出し、オーディエンスをバンドの世界観に引き込んでいった。
MCでは、塩塚が台湾のファンに向けて「日本以外の場所での初めてのワンマンライブ、そして台北に来ることができて本当にうれしいです」と挨拶。フロアから大きな拍手と歓声が上がると、彼女は「こんなに温かく迎え入れてもらえるとは思ってなかったので感動しています。ありがとう」とうれしそうに語った。羊文学は「砂漠のきみへ」でライブを再開すると、「くだらない」「hopi」などメジャー2ndアルバム「our hope」の楽曲を続けて披露。アニメ「平家物語」のオープニングテーマ「光るとき」では、イントロが流れた途端にフロアから思わず歓声が。そのまっすぐで力強い演奏を浴びた観客は、ともに歌ったり、高く手を掲げたり、思い思いに体を揺らしたりと、それぞれのスタイルで楽曲を楽しんだ。
「光るとき」の演奏を終えたところで、塩塚が「弦が切れちゃったよ。みんなのパワーがすごすぎて(笑)」と笑顔でひと言。河西も「我愛你(愛してる)」と中国語でファンへ感謝の気持ちを伝えた。3人は台湾の交通系ICカード・悠遊カードにハマっているという話題でファンとの交流を楽しんだのち、「マヨイガ」でライブを再開。ノスタルジーと近未来感が交差する「OOPARTS」や、エバーグリーンなメロディが光る「あいまいでいいよ」でじわじわと会場の熱気を高めると、最後は「ワンダー」で壮大なサウンドスケープを描き、深い余韻を残してステージをあとにした。
羊文学は鳴り止まないアンコールに応えて再びステージに登場。サプライズゲストとしてLUCYを呼び込むと「OH HEY」「1999」の2曲をともにパフォーマンスし、会場のテンションを最高潮に導いた。羊文学は最後にLUCY、ファンとともに記念撮影を実施。彼女たちの初の海外単独公演は大盛況で幕を閉じた。
※LUCYの「U」はウムラウト付きが正式表記。
羊文学 台北ワンマンライブ 2023年6月21日 Legacy Taipei セットリスト
01. 予感
02. ハイウェイ
03. FOOL
04. ラッキー
05. ソーダ水
06. 金色
07. 電波の街
08. 永遠のブルー
09. 砂漠のきみへ
10. くだらない
11. hopi
12. 光るとき
13. マヨイガ
14. OOPARTS
15. あいまいでいいよ
16. ワンダー
<アンコール>
17. OH HEY(with LUCY)
18. 1999 English ver.(with LUCY)
羊文学 @hitsujibungaku
[Media]
音楽ナタリー(@natalie_mu)にて
6/21に行われた台北公演のライブレポートが公開されました🤲
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