オーディション番組「ラップスタア誕生 2023」の最終審査「FINAL STAGE『ラップスタア誕生2023 FINALS』」が5月26日に東京・Club eXで行われた。
「ラップスタア誕生」は次世代を担うラッパーたちが自作のリリックとパフォーマンスで頂点を目指すオーディション番組。第6シーズンとなる「ラップスタア誕生 2023」には過去最多の3457人がエントリーし、「AREA TRIAL」「SELECTION CYPHER」「HOOD STAGE」「RAPSTAR CAMP」といった審査を勝ち抜いたAMO、Kay-on a.k.a. Kwi 4 Kang、
Kay-on a.k.a. Kwi 4 Kang
5人の出番は抽選で決定。前回の「ラップスタア誕生」でファイナリストとなったShowyRENZOによるオープニングライブ後、トップバッターとして登場したのは、大阪府出身のKay-on a.k.a. Kwi 4 Kangだ。360°を観客に囲まれた円形のステージにしゃがみ込んだ彼は、
「今日はトップバッターが優勝する伝説の日」と宣言した彼は、「高校生RAP選手権」で優勝するも、今回の審査員を含む同世代のラッパーに追い抜かれ、壁ができてしまった悔しさを語ると「分厚い壁を乗り越えにきた」という言葉からパフォーマンスを再開。Big Papitoのビートで自身の夢を歌った「I HAVE A DREAM」、ZOT on the WAVE & dubby bunnyのメロウなトラックに乗った「CHOSEN ONE」で巧みなライブスキルを見せつける。
そしてKay-onは在日韓国人3世として生まれ、差別された自身の過去を振り返り、「持たざる者が持てる武器、それがヒップホップ」と語るとオリジナル曲「Welcome」を披露。上裸になって体を大きく使ったパフォーマンスで会場を盛り上げた彼は、銃を撃つ構えでパフォーマンスを締めくくり、大歓声を浴びた。
7
2番手は和歌山出身の7。白いチャイナドレスをまとった彼女は、Lil'Yukichiのビートに乗って「新世代のqueenになる」と宣言する「娘の出番」でライブを始めると、独特な声とフロウ、キャラクターで観客を一気に惹き付ける。続けて彼女が披露したのは、オリジナル曲「Rice Spice」。海外のリスナーから受けた心ないリアクション、アジア蔑視の言葉にユーモアあふれるリリックで応えた1曲だ。
母親をがんで亡くしたばかりの7は「今まで支えてくれてた人たちがいたから今ここに立てている」と語り、誰もが支えられて生きていることを観客に訴えかけると、Big Papitoのビートで作った課題曲「777」を披露。オーディエンスが一緒に歌って盛り上がる中、7は曲を止めて「これでラストなんでもう一回だけ言わせてください」と呼びかけ、その場に生まれた静寂を「7777に入れた皆当たりありがとう!」というパンチラインで打ち破った。
Spada
続くSpadaは、10代からヒップホップクルー
昨年夏、親友のGucci Princeを亡くしたSpada。オリジナル曲「bounce」でも卓越したスキルを見せつけた彼が、ここで息を切らしつつ語ったのは、優勝して300万円を勝ち取ることよりも、自身の思いをしっかりと伝えたいということだった。彼はそのためにリリックを書き直した「Loading」を最後に披露。
ShowyVICTOR
敗者復活枠で決勝に進出した茨城出身のShowyVICTORは、オープニングアクトとして登場したShowyRENZOとのユニットShowyで知られるラッパー。過去に審査員のSEEDAやAwichとコラボもしており、シーンではすでに名の知れた実力者だ。黒いロングコートにサングラスというスター然とした衣装でステージに現れた彼は、オリジナル曲「LAST SAMURAI」でライブを始めると、自信に満ちあふれたエネルギッシュなパフォーマンスで観客を飛び跳ねさせる。
ShowyVICTORは観客に「どうなんだよ?」と言い放つと、ZOT on the WAVE & dubby bunnyのビートで作り上げた「GENZAI」へ。この曲は24時間以内に新曲を作る1対1の楽曲バトル「RAPSTAR CAMP」のステージにて、ライバルの意見も取り入れながら作られたキャッチーな1曲で、待ってましたとばかりに沸き上がった観客は、この日一番の大合唱でShowyVICTORに応えた。さらにLil'Yukichiのビートで自身の半生と決意をラップした「REVENGE」も観客に歌わせたShowyVICTORは「これがお前らが待ってたスターだろ?」という言葉でフロアを沸かせ、「お前らが俺を成長させたんだからな」と語った。
AMO
最後に登場したのは高知出身のAMO。シーンではほぼ無名の存在ながら「SELECTION CYPHER」の審査は1位、「HOOD STAGE」の審査は2位で通過してきた。ChiChiのビートに乗せて痛みを歌った「CROSS」でライブの口火を切った彼は、円形のステージを歩き回り、がなりも交えた気迫みなぎるラップを全方位の観客に浴びせる。
このステージで歌えることを感謝したAMOは、ヒップホップとの出会いで変わった人生を語り、ZOT on the WAVE & dubby bunnyのビートを使用した「Born in 98」を熱唱。その後アカペラのラップを披露し、「RAPSTAR CAMP」で鎬を削ったWhoopee Bombにメッセージを送ると、彼を破ったSTUTSビートの「again」を歌う。最後に妻子や仲間への思いを語ったAMOは、ストレートなリリックのオリジナル曲「Legacy」を披露。心に染み入るラップと歌声を会場に響かせた。
審査
前シーズンの「ラップスタア誕生」のファイナリストであるEASTAと優勝者のeydenによるパフォーマンス後、審査結果が発表され、いよいよ新たな“ラップスタア”が発表される。審査はパフォーマンス部門と楽曲部門の2項目。自身が王者になると確信したライブで会場をもっとも盛り上げたShowyVICTORがパフォーマンス部門でも楽曲部門でも1位となり、2位に大差をつけて優勝を勝ち取った。賞金の300万円を手にしたShowyVICTORは「ここにいる5人、俺らがここから時代を作るぜ」と宣言。300万円の使い道を聞かれると「まず100万円を母さんに渡します」と答え、客席の家族を大喜びさせた。
なお「ABEMA」のプレミアムプラン「ABEMAプレミアム」では、 “ラップスタア”に輝いたShowyVICTORのその後の様子に迫った密着動画が後日公開される予定だ。
「ラップスタア誕生2023 FINALS」審査結果
1位:ShowyVICTOR
パフォーマンス部門:60ポイント
楽曲部門:55ポイント
総合:115ポイント
2位:Kay-on a.k.a. Kwi 4 Kang
パフォーマンス部門:24ポイント
楽曲部門:23ポイント
総合:47ポイント
3位:Spada
パフォーマンス部門:24ポイント
楽曲部門:13ポイント
総合:37ポイント
リンク
和歌山情報局 @wakayamajoho
3457人のラッパーから選ばれた新ラップスタア、賞金300万を手にして宣言「俺らが時代を作るぜ」
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