オーディエンスによる声出しが解禁となった本公演。 タイトル通りの“THE BEST”なセットリストとなり、デビュー当時の楽曲、1996年12月から約1年におよぶ活動休止を経てバンドとしてシーンに返り咲いた頃の楽曲、人気絶頂の2000年に迎えた“終幕”時期の楽曲、そして2010年以降の“REBOOT”時期の楽曲、コロナ禍中の2020年に生まれた楽曲など、LUNA SEAの歴史が凝縮された、SLAVE(LUNA SEAファンの呼称)の心を揺さぶる楽曲群が惜しみなく届けられた。
場内が暗転すると大歓声が湧き起こる。スクリーンにはメンバーがバックステージを歩く姿、円陣を組む姿が映し出された。そしてステージに5人が現れ、「LOVE SONG」でライブをスタートさせた。これは彼らの終幕期に発表された1曲で、バンドからファンへの愛とも受け取れるメッセージが込められている。サングラスをかけたRYUICHI(Vo)が「みんなの声を」と呼びかけると、満員の観客による大合唱がホール内に響きわたり、開演早々で感動的な光景が広がった。次なる披露曲は「PRECIOUS...」。RYUICHIとともに観客は「離ればなれになって気付いた事 上手く歌えない 今は 声を 枯らし 続け」と声を張り上げて歌い、コロナ禍で制限されていた感情表現を爆発させた。また観客が腕に付けたLEDバンドはライブの演出と連動しており、LEDから放たれるカラフルな光で会場内の一体感が演出された。
サングラスをはずしたRYUICHIは、「最高のメニュー、最高のナンバーを用意しました。約3年の長いトンネルを抜けて、声出しを解禁。“いるべき場所”に帰ってきたね! みんなの声を聞かせてくれよ武蔵野の森! 盛り上がっていこうか!」と述べ、「STORM」をタイトルコール。この曲では
1993年発表の「IN MY DREAM(WITH SHIVER) 」ではスクリーンに約30年前のメンバーの姿が映し出されるという粋な演出もある中、LUNA SEAはライブならではの生々しいアンサンブルを届けた。その後、メンバー、ファンと出会えた奇跡を口にしたRYUICHIは、続けて「ひさしぶりにこの曲を」と話し、1998年発表のシングル「I for You」からカップリング曲の「WITH」を歌唱。大ヒットシングルのカップリングという変化球的なレア曲の披露に、古くからのファンが思わず唸った。
ライブ中盤のソロコーナーでは、
ソロコーナーで盛り上がったあと、LUNA SEAは
アンコールではまず2020年春のコロナ禍中、ファンへの思いを込めて作られた楽曲「Make a vow」が披露された。SUGIZOは当時、収束が見えない新型コロナウイルスの感染拡大状況や、これに伴う公演延期を受け、「みんなに寄り添いたくて、近づきたくて、急遽LUNA SEAは新曲を完成させ無料配信することにしました」と発表していた。会場のスクリーンには一部地域で緊急事態宣言下だった2020年春に多くのファンが自宅などで撮影した同曲の歌唱・演奏映像が映し出され、いつしかその映像がリアルタイムの観客の姿に切り替わる。3年以上にわたる新型コロナウイルスのパンデミックによる行動制限という“長いトンネル”を抜け出した先の、再び集まって音楽を楽しめているという現実が、今ここにあることを強く印象付けた。またMCではメンバーそれぞれがコメント。その中でSUGIZOは、新型コロナウイルスがインフルエンザと同様に「これからなくなるものではなく、共存していくものになる」と述べ、「その中でどうやって音楽ができるのか、どうやってエンタメが生まれるのか、どうやってみんなと繋がれるのか。これからも一緒に模索しながら歩んでいきましょう。まだまだ俺たちは未来に向かって走りたいので、その旅を皆さんと歩んでいきましょう」と呼びかけた。
歓声が沸く中、LUNA SEAは「BELIEVE」「WISH」とライブ定番曲を連投。「WISH」では銀テープならぬ青テープが噴射されたり、客電を全点灯したりという演出で興奮と一体感が増した。そしてRYUICHIが「明日は5月29日、大事な日だよね。5人でずっと話し合って、明日もう一発ライブをやることになりました!」と宣言し、結成記念日に東京・目黒鹿鳴館でフリーライブを緊急開催することを宣言した。この発表にしばらくどよめきが起こったが、RYUICHIは「俺たちはまだまだ止まらない! まだまだ進化するために原点に帰って、ライブハウスでやる。みんなで新しい伝説を作ろうぜ!」と叫んだ。そして「たくさんの物語がこの曲から始まりました」と話し、ラストに「LOVELESS」を披露。LUNA SEAにとっての“たくさんの物語”は、ファンにとっての物語でもある。LUNA SEAは「LOVE SONG」で始まり、「LOVELESS」で終わるライブを大団円へと導き、ファンに感謝を伝えてステージをあとにした。
なおプレミアライブとなった5月29日の目黒鹿鳴館公演でLUNA SEAは、10月から12月にかけてアリーナツアー「LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023」を開催することを発表。1994年リリースのアルバム「MOTHER」、1996年リリースのアルバム「STYLE」を携えて行われた、当時のツアーが再現される。
LUNA SEA「THE BEST OF LUNA SEA 2023」2023年5月27日・5月28日 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ セットリスト
DAY 1「A Rosy Show」
01. ROSIER
02. TONIGHT
03. TRUE BLUE
04. END OF SORROW
05. SHINE
06. IN SILENCE
07. gravity
08. RAIN ~Acoustic Version~
・Drum Solo
・Bass Solo
09. INTO THE SUN
10. STORM
11. DESIRE
12. JESUS
13. BELIEVE
<アンコール>
14. I for You
15. Déjàvu
16. WISH
17. Crazy About You
DAY 2「A Show for You」
01. LOVE SONG
02. PRECIOUS...
03. STORM
04. DESIRE
05. Thoughts
06. IN MY DREAM(WITH SHIVER)
07. WITH
08. THE BEYOND ~Acoustic Version~
・Drum Solo
・Bass Solo
09. TONIGHT
10. 宇宙の詩 ~Higher and Higher~
11. TRUE BLUE
12. ROSIER
13. I for You
<アンコール>
14. Make a vow
15. BELIEVE
16. WISH
17. LOVELESS
LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE
2023年10月7日(土)神奈川県 Kアリーナ横浜
UN ENDING STYLE
2023年10月8日(日)神奈川県 Kアリーナ横浜
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE
2023年11月4日(土)福岡県 マリンメッセ福岡
UN ENDING STYLE
2023年11月5日(日)福岡県 マリンメッセ福岡
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE
2023年12月2日(土)宮城県 ゼビオアリーナ仙台
UN ENDING STYLE
2023年12月3日(日)宮城県 宮城県 ゼビオアリーナ仙台
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE
2023年12月16日(土)愛知県 日本ガイシホール
UN ENDING STYLE
2023年12月17日(日)愛知県 日本ガイシホール
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE
2023年12月30日(土)大阪府 大阪城ホール
UN ENDING STYLE
2023年12月31日(日)大阪府 大阪城ホール
※記事初出時、本文の一部に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
関連商品
LUNA SEA「復活祭 -A NEW VOICE- 日本武道館 2022.8.26 Day1[Silky Voice]」
[Blu-ray Disc] 2023年3月14日発売
LUNA SEA「復活祭 -A NEW VOICE- 日本武道館 2022.8.27 Day2[Naked Voice]」
[Blu-ray Disc] 2023年3月14日発売
KEIKO TANABE @KeecoRoma
「Day2 -A Show for You-」
この日はチームで撮影をしない分、私がLUNA SEAとして残さなくてはいけない瞬間を背景や意味合いも踏まえ熟考し取捨選択して撮り切った公演でした。
少し自分に負荷をかけた分、歯車が噛み合ったような没入感があり、声を出して笑っちゃいました、ビオレママ(←そこ?笑) https://t.co/MSRePXDSjZ