「知らない間に人の人生狂わせてた」挫・人間がタブチに捧げた“最強伝説”

挫・人間のワンマンライブ「挫・人間（新）メンバー募集2023 -バンドやんない？-」が昨日5月24日に東京・渋谷CLUB QUATTROにて開催された。

彼らがワンマンを行うのは、今年2月に同会場で行われた「挫・人間（続）メンバー募集2023 -バンドやろうぜ！-」以来3カ月ぶり。今回は元爆弾ジョニーのキョウスケ（G）、タイチサンダー（Dr）をサポートメンバーに迎えてパフォーマンスが繰り広げられた。

挫・人間は恒例のインスト曲「dead link」を出囃子にして登場。ライブが開始されると思いきや、いきなりステージの照明が落とされる。下川リヲ（Vo, G）にスポットライトが当てられ、にわかに緊張感が漂う中、彼はおもむろにマイクスタンドの前に立つと「下川くんに出会えて、よかった……」と一言。そのまま最新曲「下川くんにであえてよかった」の演奏に入ると、下川はギターを持たず、一心不乱にマラカスを振りながら前後に移動していた。さらに挫・人間は「JKコンピューター」プレイ後、この日のために用意したという新曲「夏・天使」を初披露。下川のハスキーボイスを前面に押し出したサウンドで、会場をさわやかなムードで包み込んだ。

「大人の事情」演奏後のMCにて、下川は「夏・天使」について「俺の好きなものを2つ組み合わせた感じ。ゴジラとハム太郎みたいにね」と例え、かつて「ゴジラ」と「とっとこハム太郎」の映画が同時上映されたときに配布された人形・ゴジハムくんや、サザエさんとバカボンのパパを勝手に合体して問題になった非公式キャラクター・サザエボンについて語り出す。さらには「俺、なんか変わったところない？」と最近髪を切ったことを執拗に迫るあまり、マジル声児（B, Cho）やキョウスケに早くMCを終えるよう諭されてしまった。

4人は人類の終わりをハイテンションに描く「人類終了のおしらせ」、フロア中に“念力”コールが飛び交った「念力が欲しい!!!!!～念力家族のテーマ～」で隅っコ（挫・人間のファンの呼称）たちとの一体感を高めていく一方、下川は中盤MCで突如自身の運動神経のなさを嘆き始め、「15歳下の妹のほうが速く走れるらしいんですよ」「何もかも遅いなんてイヤだ、全部速くなりたい……」と悲痛な声を上げる。そんな思いを引きずってしまったのか、「ピカデリーナ受精」の途中では「俺はもうダメだー！」と演奏を放棄。友人である梶原笙（So Sorry,Hobo）に介抱されながらステージから捌けようとする、ジェームス・ブラウンのマントショーさながらのステージングを展開しつつ、なんとかライブを続けていった。

切なさあふれる「さよならベイベー」で本編を終え、アンコールに入ると、声児は挫・人間の機材撤去がやたらと速いことを語る。その話を聞いた下川は「あっ!! 俺唯一速いのそれじゃん！」と気付き、思わぬ形でMCの伏線が回収された。そのままアンコール定番曲「下川最強伝説」について話題が移ると、下川は照明スタッフ、タブチ氏の息子が挫・人間のコピーバンドをやっていると報告。「下川最強伝説」も拳を掲げ、初めて恋した人の亡霊を“除霊”するパフォーマンスまで完コピしているとのことで、下川は「タブチ、お前の大学生活を棒に振ってしまってごめん」「知らない間に人の人生破壊することあるんだね……」と深く反省した。そんなタブチを労うため、挫・人間は「下川最強伝説」を「タブチ最強伝説」にアレンジして披露。そして終盤、下川は会場に来ているというタブチに向かい、最後の歌詞「羽ばたきたい」を一緒に叫ぼうと催促する。「もし聞こえなくてもそっとしておいてください」「声が聞こえてもそっち振り向かないで！」と気遣いながら歌い始めると、フロアから1人の男性の歌声が響き渡る。その声をしかと受け止めた下川は「タブチ！ 俺たち全員、お前を愛してるぞー!!」と絶叫し、タブチに温かくエールを送った。

挫・人間は7月2日に行われる渋谷CLUB QUATTROの35周年企画「SHIBUYA CLUB QUATTRO 35TH ANNIV. "NEW VIEW"」に出演。この公演で特撮とツーマンライブを行う。イープラスでは6月5日18:00までチケットの先行予約を受け付けている。