5人になったフィロソフィーのダンス、第2章の幕開け飾るバンドツアーで芽生えた愛

フィロソフィーのダンスが昨日5月14日、東京・恵比寿ザ・ガーデンホールでライブツアー「Brand New Dance TOUR」の最終公演を行った。

フィロのスは2015年の結成以来、奥津マリリ、日向ハル、佐藤まりあ、十束おとはの4人で活動を続けてきたが、昨年11月、オリジナルメンバーの1人である十束がグループを卒業。同時に新メンバー木葭のの、香山ななこを迎え入れ、新たな道を歩み始めた。「Brand New Dance TOUR」は新体制で回る初めてのツアー。5人はバンドが奏でる生演奏をバックに、“ベスト・フォー”と呼ばれた4人時代とは異なる新しいフィロのスの形を提示した。

バンドメンバーの宮田'レフティ'リョウ（B）、芳賀義彦（G）、神田リョウ（Dr）、幡宮航太（Piano）、佐久間薫（Key）がこのツアーに合わせて用意されたオープニングSE「Brand New Dance」を奏でると、場内はメンバー登場前からハンドクラップで大盛り上がり。そこに駆け込んできたフィロのスは1人ひとりダンスでアピールし、5人体制初のシングル曲「熱風は流転する」でライブをスタートさせた。香山の「もう…油断してたでしょ？」のセリフに観客は思わず大歓声。続く「アイドル・フィロソフィー」ではこの3年ほどのライブで封印されていたシンガロングが巻き起こった。佐藤は「ますます最強になった私たちを今日は皆さんにお見せしたいと思います！」と宣言。日向は「やっほー。みんなと私たちの愛をぶつけ合いにきました。幸せになって帰ろうね！」と熱狂する観客に呼びかけた。

そこから「オール・ウィー・ニード・ラブストーリー」「エポケー・チャンス」「バイタル・テンプテーション」「VIVA運命」「ヒューリスティック・シティ」と“ベスト・フォー”時代の楽曲を続けて披露し、新しくなった歌割りとフォーメーションで観客の耳と目を楽しませた5人。「VIVA運命」では奥津と日向によるコール＆レスポンスにバンドも柔軟な演奏で対応するなど、ライブならではのアレンジが随所に差し込まれた。木葭と香山は「やっぱり生の音楽は違う」とバンド演奏に大興奮。続く「ポジ子とネガ乃」はそんな新メンバー2人をフィーチャーした楽曲で、ミュージックビデオで描かれている2人が向かい合って手をつなぐシーンは、ステージ上でも印象的に演出された。「アルゴリズムの海」では奥津と日向が伸びやかなボーカルを響かせ、佐藤、木葭、香山が激しいダンスを披露。生まれ変わったフィロのスをしっかりと印象付けた。

じっくりと見せるパートを経て、「ロック☆with you」で再びフロアを熱狂させたフィロのスは、ここで新曲「シュークリームファンク」を披露した。この曲は5月31日にリリースされる新体制第2弾シングルの表題曲で、現在放送中のテレビアニメ「マッシュル-MASHLE-」のエンディングテーマ。5人は目まぐるしいフォーメーションでステージ上をところ狭しと動き回った。ドラマー神田の合図で間髪をいれずにスタートした5人体制最初のオリジナルソング「Gimme Five!」ではイントロが鳴った瞬間に大歓声が上がる。新体制になって半年でキラーチューンへと成長したこの曲でライブはクライマックスを迎えた。「この5人の中にも愛が芽生えているのがみんなにも伝わってるんじゃないかと思います！」としみじみ語った奥津は「みんなと私たちで、愛で埋め尽くそうねー！」と観客に呼びかけ、ラストナンバー「ライブ・ライフ」へ。5人はライブができる喜びを爆発させるようなパフォーマンスでステージを終えた。

5人とバンドメンバーがステージを去ると、観客は盛大なコールと拍手でアンコールを求める。これを受けて再び登場したフィロのスは、バンドが奏でる艶やかな演奏に合わせて「シスター」を披露。さらに「新しいダンスを提示する」というこのツアーのテーマにも則したライブ定番曲「ダンス・ファウンダー」が歌われ、フロアはこの日一番の熱狂ぶりを見せた。奥津はツアーを振り返り「フィロソフィーのダンス第2章の本当の始まりみたいなツアーになったなと思うんですけど、ファイナルをここまで終えて、今の私の正直な気持ちとしては……安心した。変わる期間に向けてずっといろんなことを考えてきたから、やっと、これから楽しみなことしかないなと。ののとななこというかわいい2人が入ってきてくれてよかったなと思うし、2人がフィロソフィーのダンスになっていく姿を見ていると、本当にいつまでもいつまでもがんばっていようと思わせてくれるので、改めて2人と、オリメンの2人に感謝しています」とコメント。佐藤は「新体制になって半年、走り出したときは不安なことももちろんたくさんあったんですけど、結成当初から先陣切って引っ張ってくれるマリリとハルちゃんがいて、フィロソフィーのダンスに新しい個性を生み出してくれたののとななこがいてくれて。素敵な形で第2章を走り出せたなと思っています。私たちを信じて今日までついて来てくださった皆さん、私はこれからも皆さんの笑顔だけが見たいです」と告げ、日向は「この1年で感じたのは、まず変化を恐れないこと。そして次に、自分のした選択が正解になるかどうかは、そのあとの自分の行動次第だということです。人生に変化は付きものだから、変わっていくことを恐れないで、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいですし、その選択が絶対に正解になるように、自信を持ってこのグループを引っ張っていきたいと思っています」と力強く宣言した。

そして日向は「今日という日に、みんなに届けたい歌があります」と告げる。5人はステージに身を寄せ合いながら「シャル・ウィ・スタート」を優しく歌い上げた。アウトロに乗せて、木葭と香山はフィロのスの新メンバーオーディションを受けることを決めたときの気持ち、そしてメンバーとなった現在の心境を語り始める。学生時代、クラスに馴染めず救いを求めるようにアイドルに夢中になるうち、自分もアイドルになりたいという夢を持った香山。オーディションに落ち続け、心が折れかけたとき、彼女はフィロのスのラジオに1通のメッセージを送った。そこでメンバーから言われた「諦めなければ叶うよ」という言葉を胸に夢を追い続け、やがてフィロのスのオーディションでその夢を叶える。「私がつらい時期をアイドルに支えてもらったように、私もこれからフィロソフィーのダンスの香山ななことして誰かの心のよりどころになれるように精一杯がんばっていきます」と語る香山に、観客は温かい拍手を送った。子供の頃から内気でネガティブな性格だったという木葭は、「誰かに元気を与えるにはどうしようもなく不向きな人間がアイドルを目指して、出会ったのがフィロソフィーのダンスでした。アイドルの中でもひときわ多幸感あふれる、愛あふれるグループの一員として、自分で自分の存在に違和感を感じちゃって、自信を持てずにステージに立つこともありました」と心情を吐露。しかし、無邪気な明るさを持つ“ポジティブ集団”フィロのスのメンバーとともに活動していくうちに、心の中に変化を感じているという。「今は誰かに元気を与える存在になりたいとより強く思うようになりました。でも、これまで作られてきた人格はなかなか変わるものじゃないので、ほかのメンバーが太陽のように皆さんの心を照らし元気にさせるのなら、私は月のように皆さんに寄り添い、光を降り注げるようにがんばります」と語る木葭を姿を、観客とメンバーは優しく見守った。

木葭と香山は最後に、ともに支え合ってきたお互いに対して「ありがとう」と感謝の言葉を伝える。奥津、日向、佐藤は2人のもとに駆け寄り、改めてこの5人でフィロソフィーのダンスとして歩き続けていくことを誓い、フィロのス第2章の始まりとなるツアーを締めくくった。

なお、このライブの模様は本日5月15日20:00よりStagecrowdにて配信される。配信チケットの販売期間は5月22日17:59まで。

また本日、フィロのスが5月31日にリリースするニューシングル「シュークリーム・ファンク」の収録内容およびジャケットデザインが発表された。シングルには表題曲のほか、バスケットボール女子日本リーグ“Wリーグ”の公式応援ソング第2弾「It's show time」、ツアーで初披露されたライブSE「Brand New Dance」、「ロック★with you」の新体制バージョン「ロック★with you -2023-」が収録され、完全生産限定盤にはバラエティ企画「フィロのス筋力5番勝負！」などを収めたBlu-ray Discが付属する。