雨宮天が美空ひばりから布施明まで名曲カバーした4回目の歌謡曲リサイタル「夢のような時間」

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雨宮天が4月29日に大阪・Zepp Namba(OSAKA)、5月7日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)でワンマンライブ「LAWSON presents 第四回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル」を開催した。この記事では東京の昼公演の模様をレポートする。

雨宮天(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

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「音楽で彩るリサイタル」は雨宮が大好きな歌謡曲をカバーするイベント。これまで2017年秋、2019年夏、2021年秋と、2年おきに行われ、今回が4回目の開催となった。

雨宮天「LAWSON presents 第四回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル」の様子。(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

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ステージを覆うカーテンが開くと、そこには雨宮と荒幡亮平(Piano)の姿が。観客の視線を浴びながら、雨宮が「いつものように幕が開き 恋の歌うたうわたしに」とゆったりと歌い始めたのは、ちあきなおみの「喝采」。雨宮は荒幡のピアノ演奏に乗せて1つひとつの言葉をたおやかに紡ぎ、歌謡曲の世界へとオーディエンスを誘った。その後、アコーディオンの音色とともに華やかにスタートしたのは美空ひばりの「お祭りマンボ」。雨宮は「皆さん、こんにちは! ようこそリサイタルに来てくださいました。今日はお祭りを楽しんでいってください!」と手を振り、陽気なリズムに合わせて楽しそうに体を揺らした。

雨宮天(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

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雨宮は「リサイタルは2年に1回、私が私のためにやっている1人カラオケイベントです!」と笑顔で言い切り、「みんなことは気にせずに、ひたすら自分の好きな曲を好きなように歌って布教をしていくという会になりますので、どうぞよろしくお願いします」と声を弾ませた。雨宮が各曲の好きなポイントを熱弁するMCコーナーも「音楽で彩るリサイタル」の楽しみどころのひとつ。雨宮は「喝采」について「『いつものように幕が開き』で実際に幕が開いていったら素敵だと思って、1曲目に持ってこさせていただきました」と話し、「お家に帰ったら歌詞を見ていただきたい。歌詞を見ながら曲を聴いていただくと、映画のようにストーリーが流れていくんですよ。そのストーリーがすべてわかったあと、タイトルの『喝采』がめちゃくちゃ沁みますので。これ、宿題にさせてください!」とさっそく布教。さらに「お祭りマンボ」について「こんなに楽しい曲、リサイタルでやったらめっちゃ楽しいだろうなと思って! 実際、私はカラオケで毎回歌ってます。私のカラオケのレギュラー曲です」と述べ、「この曲は動画を観てほしいです。どの動画もともかくひばりさんが楽しそうで、お客さんも笑顔で。やっぱり歌い手が楽しそうに歌ってるとお客さんも自然と笑顔になるんだよなと教えてくれました」としみじみと語った。続いて雨宮はチェアに腰掛けて、村下孝蔵の「初恋」をしっとりと歌唱。布施明の「君は薔薇より美しい」では、雨宮の伸びやかな歌声がハンドクラップの中で響き渡った。

雨宮天「LAWSON presents 第四回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル」の様子。(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

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ここでステージにミ子(Violin)が登場。「音楽で彩るリサイタル」では初めて、バイオリンが演奏に加わる。雨宮はピアノとバイオリンの流麗な演奏に乗せて、山口百恵の「イミテイション・ゴールド」をクールに歌い上げた。黒の美しいドレスにチェンジしたあとは、情緒的な演奏をバックに中森明菜の「難破船」をポツリポツリと言葉をつぶやくように歌唱。さらに大橋純子の「シルエット・ロマンス」で恋に溺れる主人公の思いを情熱的に表現し、「いい曲! 本番で歌いながら『なんていい曲なんだろう』って思えるのはすごい。世の中に出たのは70年代とか80年代で、そこからずっと人の心を動かし続けていると思うと、こうやってカバーさせてもらえて幸せだなと思います!」と喜びを全開にした。

雨宮天(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

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今年の3月に自ら全曲の作詞作曲を手がけたEP「雨宮天作品集1 -導火線-」をリリースした雨宮は、ライブ中盤に本作より演歌曲「初紅葉」を初パフォーマンス。紅葉のように赤いペンライトで自然と染まった会場に美しい歌声が響き渡る。雨宮は「感動した! 赤い景色が見られてうれしい」と目を輝かせ、「演歌を作詞作曲する声優はなかなかいないんじゃないかなと! それは誇りに思っていきたいなと思いました」と胸を張った。その後、しっとりとしたピアノの音色で始まったのは松田聖子の「あなたに逢いたくて ~Missing You~」。伴奏音源なしで、大切なものを優しく愛おしむような歌声、メロディアスなピアノ、繊細なバイオリンのみでじっくりと楽曲が届けられた。

雨宮天「LAWSON presents 第四回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル」の様子。(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

雨宮天「LAWSON presents 第四回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル」の様子。(撮影:江藤はんな[SHERPA+])[拡大]

雨宮は大阪と東京で各地域限定曲を用意。大阪公演では大阪弁の歌詞が印象的な上田正樹の「悲しい色やね」を披露したが、東京では「ワン、ツー、スリー、フォー!」という掛け声とともにアン・ルイスの「六本木心中」を熱く歌い上げた。中原めいこの「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」ではハンドクラップが鳴り響き、会場ににぎやかな空気が広がる。雨宮は「すごく楽しい時間になりました。こんな夢のような時間……だって『1人カラオケだから』と言っても、こんなにみんなが集まってくれて、こんなに楽しそうに歌を聴いてくれて最高に幸せです。布教もできたかなと思うので、とても満足しました!」と笑顔を弾けさせ、「ぜひこれからもこの活動を応援してもらって、少しでも長く続けていけたらうれしいなと思います」とアピールした。

最後に雨宮は自身のEP「雨宮天作品集1 -導火線-」のリードトラック「TRIGGER」を披露。歌謡曲への愛と雨宮のセンスが結実した歌謡ジャズナンバーを届け、4回目のリサイタルに幕を下ろした。

雨宮は6月21日に歌謡曲カバーアルバム「COVERSII-Sora Amamiya favorite songs-」をリリースする。リサイタルで披露した楽曲も収録されるとのことなので、詳細を楽しみにしておこう。

雨宮天「LAWSON presents 第四回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル」2023年5月7日 Zepp DiverCity(TOKYO)セットリスト

01. 喝采
02. お祭りマンボ
03. 初恋
04. 君は薔薇より美しい
05. イミテイション・ゴールド
06. 難破船
07. シルエット・ロマンス
08. 初紅葉
09. あなたに逢いたくて ~Missing You~
10. 六本木心中
11. 君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。
12. TRIGGER

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