福岡出身のサウンドクリエイター、西村匠のソロユニット・
3月には2年4カ月ぶりの新曲「armours」を発表したthe perfect me。「armours」ではストリングスを大胆に採用していたが、「My Dungeon」はエレクトロビートにメロウなメロディが絡み合う、ポップな1曲に仕上がっている。この楽曲について、西村はビデオゲームから構想を得たことを明かしつつ、「インスタントな孤独・逃避をおこなっている時に、私はたった一人、静かで穏やかな感情を見出すことがあります」「My Dungeonは、その感情を、暗くなりすぎず、かと言って明る過ぎず、あくまで足取りは前へ、コミカルに表現することを試みたものです」とコメントしている。
現在the perfect meは福岡・UTEROにて、Bellbottom from 80'sとともに自主企画「LOW MID」を毎月開催中。4月28日開催回は#STDRUMS、イギリスのギターデュオ・Zuritoを競演者に迎える。
西村匠(the perfect me)コメント
深夜に一人で映画を観たり、丸一日誰とも連絡をとらず篭って遊んだりすることがあります。皆さんにもあると思います。
こういったインスタントな孤独・逃避をおこなっている時に、私はたった一人、静かで穏やかな感情を見出すことがあります。部分的にはニヒリスティックではありますが、この感情は結構心地よく、この時、日頃発生する様々なノイズはふっと消えてなくなるのです。そして、遠くの風景や人々へ考えを巡らせたり、過去はそんなに悪いものではなかったと、肯定感を脱力させることができます。
そうして私はもう一度外へ出ることができるようになります。
My Dungeonは、その感情を、暗くなりすぎず、かと言って明る過ぎず、あくまで足取りは前へ、コミカルに表現することを試みたものです。
さて、私は篭って何をしているのかというと、大体の場合はビデオゲームをして遊んでいます。そして大体の場合は同じゲームを遊んでいて、大体の場合、何度も死んでいます。ゲームの中で。
ご存じの方も多いと思いますが、世の中にはそう言った種類(大体の場合、何度も死ぬ種類)のゲームがあります。
例えば、一つのダンジョンに入って、もし途中で死んでしまったらまた入口からやり直しになります。繰り返し死んでいると、やっぱり腹が立ってきたり、嫌になったりします。それでも、悔しいからできるまでやめない。さっきはなぜ死んで、何が良くなかったのかを考えて、何度も同じ道を通っていると、だんだん死ぬことそれ自体を失敗とは考えなくなります。新しい情報を伴う死であれば良し、といった考えになってくるのです。(この角には罠があったんだな、オーケー、次回は引っかからない。ノーカウント!)
現実では何度も死ぬことはありません。でも失敗はあります。失敗した時、私はこのゲームのことを思い出します。それからこう思います、次は同じところでは死なない。そして、また目の前の自分のダンジョンへ取り掛かるのです。
Friday night party:LOW MID
2023年4月28日(金)福岡県 UTERO
<出演者>
リンク
Hide Matt(Strobolights) @Hide_Matts
惚れ惚れするコメント
ビデオゲーム(大体の場合、何度も死ぬ種類)によって僕と彼の絆は確実に深まったし、かく言う僕もビデオゲーム(大体の場合、何度も死ぬ種類)に着想を得た曲(最新ALのラスト)が存在するので、この取り組みは必然で、すべてに共感できる
にしてもいい曲、ベースラインいいな https://t.co/4IxBO6cGIC