“ひらがなけやき”ことけやき坂46としての活動を経て、2019年3月に日向坂46としてのスタートを切った彼女たち。活動1周年を迎えた2020年3月は「春の全国アリーナツアー2020」が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となったため急遽生配信イベントに切り替わり、2021年のデビュー2周年記念も無観客ライブ「デビュー2周年記念 Special 2days ~MEMORIAL LIVE:2回目のひな誕祭~」になるなど、コロナ禍によって活動がままならない期間が続いた。昨年3月にはグループとしての念願だった“約束の地”、東京・東京ドームで「3周年記念 MEMORIAL LIVE~3回目のひな誕祭~」を開催することができたが、声を出しての応援はできなかったため、ドームにはおひさま(日向坂46ファンの呼称)たちが打ち鳴らすスティックバルーンの音のみが響いていた。そして4回目の誕生日を迎えた今年は、マスク着用の条件下でついに観客の発声が可能に。おひさまたちは盛大なコールで日向坂46の4歳の誕生日を祝福した。
おなじみの「Overture」に合わせておひさまたちの「オイ! オイ!」という大きな声が響く中、日向坂46はバスに乗ってスタジアム内に登場。ベースボールシャツ姿のメンバーの姿が場内スクリーンに1人ひとり映し出されると、そのたびに歓声で沸き立つ。バスを降りたメンバーは横1列に並ぶと、キャプテン佐々木久美の「4回目のひな誕祭、行くぞー!」という叫び声を契機に一斉に花道へと飛び出し、ライブはロックンロールナンバー「HEY!OHISAMA!」で幕を開け、メンバーとおひさまは「H・I・N・A・T・A・46!」のコールで一体感を作り上げた。キャプテン佐々木は「最初からすごい盛り上がりで……皆さんすごい!」と大興奮。生配信で視聴する全国のおひさまに向けても「画面の向こうでもコールをして楽しんでください。ご近所迷惑にならない程度に」と呼びかけた。神奈川・横浜出身の潮紗理菜は「こうやって地元で日向坂46の4周年、おひさま4歳、そして2023年新学期、今年の始まりをこうして皆さんと一緒に過ごせて本当にうれしいです!」と喜びを爆発させ、同じく神奈川出身の富田鈴花は「今日は気合いが入りすぎてポニーテールにしてきたんですけど、このポニーテールの高さは私のやる気と比例してるんですよ」と髪型をアピールした。
この日のライブは空・飛行機がテーマ。「最高の空の旅をお届けしたいと思います」というキャプテンの号令に続き、会場に10カウントが鳴り響くと、日向坂46は水色のキャビンアテンダント風の衣装に着替えて「ドレミソラシド」をパフォーマンスした。メンバーが軽やかに回転すると、スカートがひらりとひるがえる。富田が「その声を待っていたんだよ」とラップでおひさまへの感謝を伝え、そのまま「アザトカワイイ」へとなだれ込む。さらに「ソンナコトナイヨ」とシングル表題曲が3曲連続で歌われ、横浜スタジアムはライブ冒頭からすさまじい盛り上がりを見せた。河田陽菜は天気に恵まれた横浜スタジアムを見渡しながら「月がきれいなので昨日は100回ぐらい月見ちゃいました」と報告。三期生の高橋未来虹は「昨日、まりぃ(森本茉莉)とはるよ(山口陽世)と私は初めての声出しライブを経験して。事あるごとにイヤモニを外して皆さんの肉声を聴いてました。考えてみたら2回目の『ひな誕祭』が私たちは初めておひさまに会った日で。何かと『ひな誕祭』で特別なタイミングを過ごしているんです」と感慨深げに語った。
その後「私たちもピュアピュアでフレッシュなんですけど、もっとピチピチの子たちを呼んでもいいですか?」とキャプテンに促されてステージに登場したのは、昨年9月に加入したばかりの四期生たち。膝の負傷のためパフォーマンスができない山下葉留花を除く11名の四期生は、初の四期生オリジナル楽曲「ブルーベリー&ラズベリー」を歌いながら花道を全速力で駆け抜け、フレッシュな魅力を振りまいた。そのままライブは期別のパフォーマンスへと突入。三期生の4人は「ゴーフルと君」を歌いながらクレーンで上昇すると、ゴーフルを模したサイン入りフリスビーを会場に投げ込んだ。二期生はばらばらに分かれてスタンド席に登場し「Dash&Rush」をパフォーマンス。スタンド上段のおひさまたちは、メンバーが突然目の前に現れたことに驚きつつも大興奮で声援を送る。一期生はタオルを振り回しながら「好きということは…」を歌い、「おひさま大好きー!」と笑顔を振りまいた。その後のMCは四期生が務め、正源司陽子は「去年の今頃はオーディション期間で、ちょうそ1年前の今くらいの時間に応募書類を送ったんですよ」と告白。応募期間ギリギリまでエントリーをためらった岸帆夏、オーディションが始まってすぐに応募した竹内希来里や平岡海月などタイミングはさまざまながら、こうして1年後に日向坂46のメンバーとしてステージに一緒に立っていることを喜び合った。
ライブ中盤は「空の旅」というコンセプトを表現したブロックに。日向坂46は飛行機を模した巨大なトロッコに乗り込むと、「ハッピーオーラ」を歌いながらメインステージと正反対の位置にある離れ小島のようなステージへと移動。ひらがなけやき時代の楽曲「ひらがなで恋したい」が歌われると、横浜スタジアムはペンライトで一面緑色に染め上げられる。ファッション誌の専属モデルを務める加藤史帆、佐々木久美、佐々木美玲、高本彩花、小坂菜緒による「Footsteps」、富田鈴花、金村未玖、松田好花の3人による「線香花火が消えるまで」、金村美玖、東村芽依、河田陽菜、丹生明里による「Cage」とユニット曲が機内映像を楽しむようにバリエーション豊かに披露されたかと思うと、球場内の本物のアナウンス席にキャプテン佐々木がウグイス嬢として登場。キャプテンが「この2人に盛り上げていただきたいと思います。皆さん、電光掲示板の上をご覧ください!」と告げると、バックスクリーンの上には富田と松田によるフォークデュオ・花ちゃんズの姿が。2人は「ささやかながらバースデーソングを」とアコースティックギターの演奏で「ハッピーバースデーディアおひさまー」と4歳を迎えたおひさまを祝福し、おひさまにも日向坂46の4歳を祝うよう合唱を促した。さらにウグイス嬢佐々木は「ただいまより始球式を行います!」とソフトボール部出身の山口を呼び込み、「そして本日の始球式のキャッチャーには超超超スペシャルなゲスト、ラミちゃんです!」と横浜DeNAベイスターズの監督を務めたアレックス・ラミレスの名をコールした。山口はラミレスに向かって思い切って投球するも、白球はワンバウンドしてミットの外へ。奇しくも2022年5月31日、同じ横浜スタジアムで体験したプロ野球始球式でのワンバウンド投球を再現する格好となってしまった。
球場ならではのサプライズに沸き立つ中、ライブは上村ひなののソロナンバー「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」で再開。にぎやかなムードから一転、シングル曲「こんなに好きになっちゃっていいの?」ではすっかり暗くなった横浜スタジアムが一気に切ないムードに包まれ、ひらがなけやき時代の楽曲「半分の記憶」ではクールな楽曲のムードを引き立てるかのように夜風がメンバーの髪をたなびかせる。齊藤がセンターを務める8thシングル表題曲「月と星が踊る Midnight」では大きなステージ上で円形のフォーメーションが展開された。そして場内が暗転すると、スクリーンにはある曲への思いを語るメンバーのコメントが流れ、「私たち四期生は何を伝えられるだろう?」というナレーションから、四期生のみによる「青春の馬」のパフォーマンスが始まる。日向坂46メンバーにとって思い入れの深いこの曲を、四期生は青い衣装をたなびかせながら凛々しい表情で歌い上げた。入れ替わるように登場した先輩メンバーたちはミステリアスなナンバー「My fans」で激しいダンスを踊る。場内のテンションをさらに引き上げるように、彼女たちはここで日向坂46ライブの起爆剤「誰よりも高く跳べ!2020」を投下。キャプテン佐々木の「おひさまー、跳べー!!」という叫び声がスタジアムにこだました。大盛り上がりのライブを締めくくったのは、2022年6月発売の7thシングル「僕なんか」のカップリングに収められていた「知らないうちに愛されていた」。コロナ禍の中「いつかおひさまたちと歌いたい」という思いを込めて作られたシンガロングパート「Woh oh oh oh」が、ようやく本物の声で実現される形となった。
メンバーがステージを去ると、これまで拍手やスティックバルーンで代用されていた「日向坂!」「46!」というアンコールの声がスタジアムいっぱいに鳴り響く。これを受けて再登場した日向坂46は、9thシングル表題曲「One choice」をここで初披露。この曲でセンターを務める丹生は「あの……わがまま言っていいですか? シングル発売されるじゃないですか。もっともっとおひさまの皆さんのパワーが欲しくて……元気玉が欲しいです!」とおひさまたちに呼びかける。「オラに元気を分けてくれー!」という丹生の声を受け、おひさまはスタジアム全体を使った巨大なウェーブでじわじわと気を送り、ステージ上のメンバーに向かって放出した。なお今回の「ひな誕祭」では耳に不調を抱える一期生の影山優佳がほとんどのパフォーマンスに参加できなかったが、「One choice」の初披露には影山も参加。悔しさをにじませつつも影山は「こうして4周年、そして大好きな丹生ちゃんのセンター曲『One choice』をみんなで披露させていただけたことが本当に光栄です」と笑顔を見せた。齊藤は満員のスタジアムを眺めながら「コロナ禍で皆さんに会えなかったときにもがんばってきてよかった」と喜びを噛み締め、正源司は「私たち四期生は加入して半年ほどでこんな大きくて素敵なステージに立てることがうれしくて。5年目に突入する日向坂46に四期生が何か力になって、どんどん大きなグループになれるようにがんばりたいなと思います」と意気込んだ。
さらに日向坂46は花道やトロッコで会場いっぱいに広がり「NO WAR in the future 2020」をパフォーマンス。ラストナンバーの「JOYFUL LOVE」ではおひさまが照らす7色のペンライトで横浜スタジアム全体が巨大な虹と化した。「JOYFUL LOVE」の間奏では、四期生の清水理央、三期生の上村、二期生の丹生、一期生のキャプテン佐々木が順にメッセージを伝えていく。清水は「私はオーディション中に3回目の『ひな誕祭』を見させていただきました。そのとき先輩方の姿にとても感動して、絶対このオーディションに合格して先輩方と一緒にステージに立ちたいと心から思ったのをよく覚えています。私はこの日向坂46で、つらい気持ちにおしつぶされそうになっている人の救いになれるようなアイドルになりたいと思っています。過去に日向坂46が私の光となったように、今度は私が人一倍の笑顔を大切にして、1人でも多くの人に見ていたいと思ってもらえるようなアイドルになれるよう精一杯がんばります」と決意を語り、上村は「私は4年前に加入して、最初は(三期生で)たった1人だったんですけど、正直すごく不安で、ついついうつむいてしまいがちな日々で。でも、そのときの自分に教えてあげたいです。今、私の目の前にはこんなにも素敵な虹が広がっているよって」と笑顔を見せる。丹生は「新しい仲間がたくさん増え、その分別れもあり、日々変化を感じています。それでも私は、私たちは、絶対に初心を忘れずに、感謝の気持ちを忘れずに、世界中の皆さんにハッピーオーラを届けていきたいです」と宣言し、キャプテン佐々木は「コロナ禍で声も出せなくて……大変な時期を一緒に乗り越えてくださったおひさまの皆さん、こんなに大変なことを一緒に乗り越えたんだから、これから私たちはどんなことがあったって一緒に大きな夢をこれからも叶えていけると私は信じています。日向坂46なら、日向坂46でなら、できると信じています」と力強い言葉を残した。
日向坂46「4周年記念MEMORIAL LIVE ~4回目のひな誕祭~」2023年4月2日 横浜スタジアム セットリスト
01. HEY!OHISAMA!
02.ドレミソラシド
03. アザトカワイイ
04. ソンナコトナイヨ
05. ブルーベリー&ラズベリー
06. ゴーフルと君
07. Dash&Rush
08. 好きということは…
09. ハッピーオーラ
10. ひらがなで恋したい
11. Footsteps
12. 線香花火が消えるまで
13. Cage
14. ハッピーバースデイ
15. 一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない
16. こんなに好きになっちゃっていいの?
17. 半分の記憶
18. 月と星が踊る Midnight
19. 青春の馬
20. My fans
21. 誰よりも高く跳べ!2020
22. 知らないうちに愛されていた
<アンコール>
23. One choice
24. NO WAR in the future 2020
25. JOYFUL LOVE
※高橋未来虹の高ははしご高が正式表記。
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