2019年2月24日、指原莉乃がプロデュースを手がける=LOVEの姉妹グループとしてお披露目され、夢に向けて歩き始めた≠ME。「≠ME 4th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」はそれから4周年を迎えたことを記念して行われた。このコンサートを通して、メンバーはこの4年間で身に付けた豊かな表現力を遺憾なく発揮。不織布マスクを着用したうえでの声出しが可能になったことを受け、会場に集まった大勢のファンは精一杯の声援を彼女たちに送った。この記事では本公演のうち夜の部の模様をレポートする。
開演時刻を迎えると、「≠ME、それは私たちとあなたが作る物語。今までも、そしてこれからも」というナレーションを経て、本の形を模したステージ上のスクリーンに結成からの≠MEの物語をたどる映像が投影される。そして壮大なBGMが流れる中、1階の客席通路にメンバーがサプライズで登場。ステージに上がって1列に並んだ彼女たちは、アッパーなビートに乗せていきなりダンスパフォーマンスを披露した。観客が予想外の展開に驚き、メンバーに1人ずつスポットライトを当てていく演出に釘付けになっていると、最後にステージの上段で照らされたのは昨年8月より学業を理由に活動を休止していた永田詩央里。ステージ前方に噴き出す炎の演出とともに、永田がセンターを務めるパワフルなダンスナンバー「ワタシアクセント」でライブの口火が切られた。
次に≠MEは、昨年11月に5thシングルとしてリリースしたウインターソング「はにかみショート」を歌唱。曲中、センターの冨田菜々風が「みんなの声聞かせて! ノイミーちゃんお誕生日……」と客席にマイクを向けると、場内に「おめでとう!」という声がこだまし、銀と水色のテープが勢いよく放たれた。≠ME結成後1年ほどでコロナ禍が始まり、4年間の活動のうち声出しが制限された期間のほうが長かったこともあり、1つひとつの声援に力が入る観客たち。3曲目「す、好きじゃない!」では、息の合ったコールを響かせるファンに向け、永田が「ずっと言えなかったけど、今日だけ言わせてください。君のことが好きです。これからもずっと一緒にいてください」と活動再開に合わせて“告白”のセリフを送る。さらに「ポニーテール キュルン」の曲中には観客による“ガチ恋口上”が響き渡った。
リズムに乗せた自己紹介パートでも大きな声援が上がり、その状況を笑顔で楽しんだメンバーは続いて多種多様なユニット曲を披露する。探検隊の格好をして歌う「こちらハッピー探検隊」の間奏では、センターの河口夏音がいかに椅子にカッコよく座るかを競うマイナースポーツ・ホッカンに挑戦。河口がそれっぽい動きで椅子を振り回したあと、華麗に腰掛けて渾身のキメ顔を決めると、ほかのメンバーがその演技に対してジャッジを下すという寸劇が繰り広げられ、会場が笑いで包まれた。リーダー蟹沢萌子と不動のセンター冨田という≠MEを牽引する2人のユニット曲「ピオニーズ」では、彼女たちが作り出す狂気的で艶やかなムードが会場全体を支配。その迫真のパフォーマンスに観客が心を奪われていると、ほかのメンバーも2人と同じく真紅のドレス姿でステージへ。青く光るスティックを手に「P.I.C.」をクールかつパワフルに披露し、続いて妖しげなスモークが漂う中、独占欲にまみれた“激重”バレンタインソング「チョコレートメランコリー」を歌い上げた。
ライブが中盤に差しかかる頃、≠MEは一旦ステージから退場。4月12日にリリースされる6thシングル「天使は何処へ」のミュージックビデオが会場のスクリーンを使って初公開され、その中で休養中の川中子奈月心のリップシーンが映ると客席から大きな歓声が沸き起こった。そして映像の上映後、MVと同じ衣装に着替えたメンバーが再登場し、「天使は何処へ」をさっそく初披露。この曲はガールクラッシュ感あふれるアグレッシブなサウンド、それに合わせて繰り出される難易度の高いダンスが特徴で、キレのあるパフォーマンスに呼応するように炎と火花がライブを彩る。盛大な拍手が送られる中、冨田は息を切らしつつ「この曲を歌っていると強い自分になれているような、≠MEな自分になれている気がします。そして、このタイミングでこの素敵な楽曲をいただけたことにも、意味があるかなと思っています。私たちがさらに上の段階に上がれるような、変化と成長を与えてくれる曲になるんじゃないかなと思います」と新曲への思いを口にした。
写真で4年間の思い出を振り返るトークコーナーを挟み、ライブは楽曲を通してデビューからの歩みをたどるクライマックスのブロックへ。まず≠MEは結成当時の懐かしの映像が流れるスクリーンをバックに、グループ名を冠した初オリジナル曲「≠ME」を披露した。コロナ禍前、メンバーと一緒になって叫ぶのが恒例となっていた「好きだー!」という落ちサビ前のセリフ。ファンは約3年ぶりに声をそろえてこの愛の叫びを響かせ、メンバーを喜ばせる。また、メジャーデビューミニアルバム「超特急 ≠ME行き」のリード曲「秘密インシデント」は、ピアノの伴奏に合わせて冨田が歌い上げる特別なアレンジでパフォーマンスがスタートした。
エモーショナルな瞬間が連続するこのブロックで、一番のハイライトになったのは「君はスパークル」。イントロが流れ始めると、ステージ上段にはこの曲でセンターを務める川中子の姿が。会場のファンは喜びの色をにじませた歓声で川中子の復帰を歓迎し、彼女の伸びやかな歌声にじっくりと聴き入った。歌い終えた川中子は目に涙を浮べながら「腰を痛めてしまい、10月頃から休養をいただいていたのですが、日常生活が普通に送れるくらい回復しましたので、一部活動再開という形ではありますが、4周年コンサートのタイミングで戻らせていただくことになりました」と挨拶。「ただいま!」という彼女の声に会場のファンが即座に「おかえり!」と返すという、温かな光景が広がった。この流れに冨田も感極まった表情を見せつつ「今夜ついに12人そろいましたー!」と喜びを爆発させ、「今、最高に幸せです。≠ME、今最強だなという感じがしています。今の私たちだったら、無理じゃないかなと思える夢も皆さんと一緒に追いかけられると思います。これからも付いてきてくれますか!?」と客席に呼びかけた。
会場が幸福感で満たされる中、メンバーが次の曲へ移ろうとすると、スクリーンに突如として特報映像が映し出される。その内容は春に全国ツアーの開催が決定したことを知らせるもので、ファイナル公演が6月29、30日に東京・日本武道館にて行われることが映像の最後で発表されると、この日一番の歓声が沸き起こった。このことをサプライズで知ったメンバーは大きな声を上げて驚き、抱き合いながら歓喜。涙で頬を濡らす彼女たちを、大きな拍手が包み込んだ。グループを代表し、蟹沢は「『大きいステージに連れて行く』って『君と僕の歌』でみんなで歌っていた歌詞をまた1つ実現させていただけるとことが幸せです」と感謝の気持ちや意気込みをしっかりと言葉に。その後≠MEは気を取り直してライブを再開し、紙吹雪が舞う中で「虹が架かる瞬間」を柔らかに歌唱した。
アンコールではメンバーが2階席を含む客席通路に姿を現し、驚きと喜びが入り混じった歓声を上げるファンに手を振りながら「自分賛歌」を歌唱。ステージに戻ると、続けて「僕たちのイマージュ」も歌い上げた。そしてラスト、蟹沢の「今日最後に披露させていただく曲には私たちの思いがすごくこもっていて。この曲を初めて披露したのは無観客ライブでみんなの声を聞けないときで、みんなの声が合わさってこの曲を披露できるのは今日が初めてになります。今まで心の中でみんなの声を思い浮かべながら歌っていました」という言葉を経て披露されたのは、アッパーなサマーチューン「クルクルかき氷」。≠MEは観客が発する合いの手を笑顔で受け取めながら、タオルを目一杯振り回し、心地よい高揚感が漂う中で「≠ME 4th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」の幕を閉じた。
なおこのコンサートの昼の部では、鈴木瞳美の1stソロ写真集の発売が決定したことが明らかに。7月5日発売となる写真集は、鈴木本人の希望もあり、タイのバンコクを中心に撮影された。また、夜の部の生配信が行われたdTVでは、4月5日18:00から11日23:59までアーカイブ映像が配信される。
≠ME「≠ME 4th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」2023年3月31日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト
01. ワタシアクセント
02. はにかみショート
03. す、好きじゃない!
04. 好きだ!!!
05. ポニーテール キュルン
06. こちらハッピー探検隊 / 落合希来里、河口夏音、櫻井もも、永田詩央里、本田珠由記
07. サマーチョコレート / 鈴木瞳美、谷崎早耶
08. ウルトラレアキッス / 尾木波菜、菅波美玲、本田珠由記
09. ピオニーズ / 蟹沢萌子、冨田菜々風
10. P.I.C.
11. チョコレートメランコリー
12. 桃色デイブレイク
13. 天使は何処へ
14. ≠ME
15. 「君の音だったんだ」
16. 「君と僕の歌」
17. 秘密インシデント
18. まほろばアスタリスク
19. 君はスパークル
20. 虹が架かる瞬間
<アンコール>
21. 自分賛歌
22. 僕たちのイマージュ
23. クルクルかき氷
≠ME全国ツアー2023「We shout "I am me."」
2023年4月22日(土)福岡県 福岡サンパレス
2023年5月3日(水・祝)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2023年6月3日(土)広島県 上野学園ホール
2023年6月16日(金)埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール
2023年6月18日(日)宮城県 仙台サンプラザホール
2023年6月29日(木)東京都 日本武道館
2023年6月30日(金)東京都 日本武道館
6thシングル「天使は何処へ」コメント
センター冨田菜々風
この曲は初めて歌詞を見させていただいた時から「私は私」という強いメッセージを感じていて、私たちらしく突き進んでいくために、思いを込めていただいたと感じました。この曲 を歌っているときは、特別に強い
MV監督 池田一真
初めてご一緒したのがデビュー前のP.I.C.という作品でした。メジャーデビューを経て再会し、それぞれのキャラクターの個性が粒立ちながらもグループとしての団結力に驚かされました。体当たりでのダンスパフォーマンスをぜひ映像で楽しんでください。
鈴木瞳美 1st写真集 コメント
ずっと、いつか出したいと言っていた念願の写真集だったので、発売が決まった事は心からうれしいですし、たくさんの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。アイドルの時とはまたちょっぴり違ったわたしが詰まった1冊になっていると思います。たくさんの方に手に取って頂けたらうれしいです!
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