ReoNa、たどり着いた日本武道館のステージで伝えた思い「逃げて、逢えたね」

ReoNaが3月6日に初の東京・日本武道館公演「ReoNa ONE-MAN Concert 2023 “ピルグリム” at 日本武道館 ～3.6 day 逃げて逢おうね～」を開催した。

ReoNaはライブタイトルにも入っているナンバー「ピルグリム」でライブを開始。バンドメンバーとストリングス隊が奏でる壮大なアンサンブルをバックに、伸びやかな歌声とアコースティックギターの柔らかな音色を場内いっぱいに響かせた。「怪物の詩」ではReoNaがミュージックビデオの映像をバックに悲痛な思いを叫ぶように歌い、オーディエンスを楽曲の物語へと深く引き込む。「forget-me-not」ではReoNaのまっすぐな歌声と生命力に満ちたみずみずしいサウンドが心地のいい空間を生み出した。

「ようこそ、日本武道館。逃げて、逢えたね」とReoNaは挨拶し、「SWEET HURT」をたおやかに披露。そしてテレビアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」オープニングテーマであり、ReoNaにとって多くの人々の出会いを果たした代表曲の1つである「ANIMA」を力強い眼差しで熱く歌い上げた。続くナンバーはゲーム「月姫 -A piece of blue glass moon-」の主題歌「生命線」。満月が浮かぶステージでReoNaは空に手を伸ばしながらエモーショナルな歌声を届けた。

ReoNaは「悲しみにも苦しみにも孤独にも痛みにも、きっと慣れることなんてなくて。心に降り積もっていくそれは、いつだっていろんなものを奪っていってしまうけれど、それでも、痛みとともに生きていく」と述べ、優美なアンサンブルを背に受けて「Alive」をスケール感たっぷりに歌い上げる。「ないない」では4人のダンサーが人形劇のようなパフォーマンスを繰り広げて観客を圧倒し、最後は勢いよくステージに倒れ込んだ。ここで「今日は大きな舞台。そんな今日をもっともっと特別にしたいよね。とあるゲストを呼んでもいいですか？」とReoNaが告げ、ステージに呼び込んだのは「シャル・ウィ・ダンス？」のMVで共演し、YouTubeでの “踊ってみた”動画が話題を呼んだダンスチーム・REAL AKIBA BOYZ。ReoNaはステージを埋めつくすほどの大勢のダンサー、リアルアキバボーイズ、そして客席のオーディエンスとともに「シャル・ウィ・ダンス？」でダンスを繰り広げ、舞踏会のような壮観な景色を日本武道館に作り出した。

その後ReoNaは「デビュー前から歌い続けてきたお歌の1つで、“絶望系”の始まりをくれた歌の1つ。どこかに行きたいわけじゃなかった。どこか目指す場所があるわけじゃなかった。ここにいたくない、それだけで、でもそれがすべてで。半歩先の世界に期待を抱いて飛び立った、少女の歌」と話し、スポットライトに照らされた1足の靴を横に、「トウシンダイ」をゆったりと歌唱。そして荒幡亮平（Key）が奏でる美しい鍵盤のサウンドに乗せて、「虹の彼方に」を胸の内から振り絞るような剥き出しの歌声で届けた。

「月姫 -A piece of blue glass moon-」の主題歌「Lost」を半月の下で流麗に歌い上げたReoNa。彼女は「いろんな嫌なこととか居場所がないなという現実とか、これすごく理不尽だなとか、そんなものたちから逃げて、逃げて、今日という日にたどり着きました。あなたもそうかな？ 逃げて、逢えたね」と会場を見渡し、「Someday」で行き場のない1人の少女の物語を紡いだ。「時に誰かの言葉に傷ついて、誰かの言葉に救われて、人から生まれた1人の人間である私たちは人と出会い、人と別れ、それでも生きていく。どうしようもなく生きていく」と述べ、ReoNaが歌い始めたのは、3月8日にリリースするニューアルバムの表題曲「HUMAN」。スクリーンには幼少時代のReoNaの写真、これまでのライブやレコーディングの様子、スタッフらとの写真が次々と映し出されていく。多くの人々に愛されて歩いてきたReoNaのこれまでの道のりを感じる映像をバックに、ReoNaは穏やかな表情でこの曲をじっくりと披露した。

ニューアルバムに収録されているゲーム「ソードアート・オンライン LAST RECOLLECTION」主題歌「VITA」では、アニメとゲーム映像をバックに「ソードアート・オンライン」の世界に寄り添うようにパフォーマンスが繰り広げられた。その後会場が暗転し、再び照明がつくとステージの上段には約120名のクワイヤの姿が。ReoNaはクワイヤの荘厳な歌声とともに「Till the End」を力強く届けた。彼女は「初めは1人ぼっちで始まった物語、未来のことなんて、明日のことすら想像できなかったのに、随分遠いところまで来たね。アニメのおかげで、お歌のおかげで、こんなにたくさんのあなたと過ごせる今日があります」と話す。そして「デビュー前、神崎エルザというキャラクターのお歌役からReoNaのアニソンシンガーとしての人生がスタートしました。『私にとって、出会えたあなたはお歌です』ってずっと言ってきて、きっとそれも変わらないけれど、それだけじゃないと思える今があります。今日は最後、あなたに。出会ってくれて、ありがとう」と言葉を続け、彼女が演奏し始めたのは神崎エルザ starring ReoNaのナンバー「Rea(s)oN」。ReoNaは飾り気のないギターの音色に乗せて、晴れやかな表情でこの曲を歌い、「ありがとう」と観客に感謝の思いを伝えた。

最後にReoNaは「ここにいる1人ひとり、それぞれ過ごす日々があってそれぞれの人生があって、みんな1人。でも、今日は1人ぼっちじゃなかったって思ってくれるかな？」とオーディエンスに問いかける。彼女は会場を見渡しながら、客席から降り注ぐ拍手をしっかりと受け取り、初の日本武道館公演を終えた。

ReoNa「ReoNa ONE-MAN Concert 2023 “ピルグリム” at 日本武道館 ～3.6 day 逃げて逢おうね～」2023年3月6日 日本武道館 セットリスト

01. ピルグリム
02. 怪物の詩
03. forget-me-not
04. SWEET HURT
05. ANIMA
06. 生命線
07. Alive
08. ないない
09. シャル・ウィ・ダンス？
10. トウシンダイ
11. 虹の彼方に
12. Lost
13. Someday
14. HUMAN
15. VITA
16. Till the End
17. Rea(s)oN