これがTHE LAST ROCKSTARSの“世界をロックする”序章、東京で鮮烈ライブデビュー飾る

26

2823

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 707 2092
  • 24 シェア

THE LAST ROCKSTARSが東京、ニューヨーク、ロサンゼルスの3都市を回る自身初のライブツアー「THE LAST ROCKSTARS Live Debut 2023 Tokyo - New York - Los Angeles」の東京公演を東京・有明アリーナと東京ガーデンシアターで開催。この記事では1月26日と27日に行われた有明アリーナ公演のうち、2日目の模様をレポートする。

YOSHIKI(Dr, Piano)

YOSHIKI(Dr, Piano)

大きなサイズで見る(全37件)

THE LAST ROCKSTARSはYOSHIKIHYDEL'Arc-en-CielVAMPS)、SUGIZOLUNA SEAX JAPAN)、MIYAVIからなるロックバンド。昨年11月に始動を発表し、年末には「第73回NHK紅白歌合戦」に出場し、初パフォーマンスを披露した。

THE LAST ROCKSTARS

THE LAST ROCKSTARS[拡大]

開演時間から35分ほど経ったタイミングで突如、場内が暗転。スクリーンに近未来的なイメージの無機質な3Dキャラクターが現れ、ライブの幕開けを告げる。4人の名前に続いて、THE LAST ROCKS STARSの名前がリフレインし、ステージが一気に照らされるとそこにはYOSHIKI、HYDE、SUGIZO、MIYAVIの姿が。威風堂々とした出で立ちに歓声が沸き起こる中、4人は名刺代わりのデビュー曲「THE LAST ROCKSTARS」を投下し、めくるめくロックンロールショーをスタートさせた。

MIYAVI(G)、HYDE(Vo)。

MIYAVI(G)、HYDE(Vo)。[拡大]

THE LAST ROCKSTARS結成時、YOSHIKIは「アベンジャーズみたいなバンド」と表現した。その言葉通り、ステージに佇む4人はとてつもないオーラを発していた。ダンサブルな楽曲「6 or 9」では観客がタオルを振り回し、続く「Messiah」ではHYDEとMIYAVIによるボーカルの応酬や、SUGIZOのスペーシーなロングトーン、YOSHIKIの手数たっぷりのドラムフィルがアンサンブルを構築。SUGIZOとMIYAVIの奏でる重厚なギターリフが印象的な「Here's The Love」ではHYDEが軽快にステップを踏んだ。

YOSHIKI(Dr, Piano)、HYDE(Vo)。

YOSHIKI(Dr, Piano)、HYDE(Vo)。[拡大]

HYDEは「嘘みたい、みんなの声が聞こえるなんて! わお!」と観客の声援が解禁されたライブに喜びを爆発させる。YOSHIKIは「ちょっと待ってもらっちゃって本当にごめんね」と開演が遅れたことを謝り、「こうやって、HYDE、SUGIZO、MIYAVIと奇跡のステージをやってることに心から感謝しています。こうやって僕らが集まれたのも、今起こっている奇跡。演奏できているのもみんなが応援してくれるから」と泣き、「X JAPANのファンもL'Arc-en-CielのファンもLUNA SEAのファンもMIYAVIのファンも、今日は一緒になろうぜ!」とオーディエンスに呼びかけた。そんな言葉のあと、S.K.I.N.の楽曲「Beneath The Skin」のTHE LAST ROCKSTARSバージョンが披露された。YOSHIKIは気合い十分に上半身裸になってパワフルなドラムを叩いた。

THE LAST ROCKSTARS

THE LAST ROCKSTARS[拡大]

続いてはSUGIZOとMIYAVIのギターバトルがスタート。MIYAVIのスラップを用いたパーカッシブな奏法と、SUGIZOのアームを多用する奏法、まったく個性の異なる双方のアバンギャルドなスタイルが絡み合う見事なセッションを展開した。MIYAVIがステージを去ったあと、バイオリンを構えたSUGIZOによるしばしの即興演奏を経て「Folly」へ。この曲では黒いハットをかぶったHYDEが登場し、SUGIZOの横で拡声器を持って歌う場面もあった。そしてMIYAVIがアコースティックギター1本で見事なソロを聞かせてから、3人は荘厳な同期サウンドをバックに、「Hallelujah」を披露した。

YOSHIKI(Dr, Piano)

YOSHIKI(Dr, Piano)[拡大]

フロント3人の時間はあっという間に過ぎ、続いてはファンお待ちかねのYOSHIKIソロコーナー。YOSHIKIはチャイコフスキーの名曲「弦楽セレナード」が流れる中、祈りを捧げるように手を組み、渾身のドラムソロに突入した。X JAPANではツーバスのドラムセットを使用してきたYOSHIKIだが、THE LAST ROCKSTARSではワンバス、ツインペダル仕様。ドラムソロの合間に“Xポーズ”をして見せる場面もありつつ、渾身の高速ドラムプレイを繰り出した。YOSHIKIは続いてクリスタルピアノの前に座り、「白鳥の湖」からの「紅」という流れでピアノソロを展開し、観客を驚かせた。

THE LAST ROCKSTARS

THE LAST ROCKSTARS[拡大]

観客による「紅」の合唱で盛り上がったあと、4人がステージに再集結。ライブ後半にはX JAPAN「BORN TO BE FREE」、L'Arc-en-Ciel「HONEY」という豪華な楽曲が並んだ。興奮冷めやらぬフロアに向けてHYDEは「楽しいよね。YOSHIKIにロックが帰ってきた!」と、“ロックスターYOSHIKI”の復活をここに宣言。MIYAVIは「毎日がカオス」とTHE LAST ROCKSTARSにおける正直な感想を語り、「この4人が集まったのは世界をロックするためだ」と目を輝かせて語った。HYDEはこのバンドでの活動に「トキメキながら、ロック少年に戻りますね」と述べ、SUGIZOは「奇跡って起こるんだねえ。YOSHIKIさんが正真正銘のロックミュージシャンとして帰ってきた」と改めてロックスターとしてのYOSHIKIがステージにいることを強調した。

SUGIZO(G, Violin)(Photo by Keiko Tanabe)

SUGIZO(G, Violin)(Photo by Keiko Tanabe)[拡大]

さらにSUGIZOは「長い間交わらなかったHYDEとSUGIZOが親友になり、MIYAVIとは15年ほど前にいわくつきのバンドを一瞬やって。今こうしてできるのは幸せ」と述べ、「ここにいられるのは、YOSHIKIさんやhideさんがいたからなんですよ。この恩は一生ものなので、一生一緒にロックしていきましょう」と話す。4人の熱いトークが続く中、YOSHIKIは「昔は見るものすべてが敵に見えて、尖っていた。頭も尖っていた。THE LAST ROCKSTARSは敵なしです。牙を剥くって意味じゃなくて、敵がいるとしたら自分。敵を作ってもつまらない。思いっきり人生を楽しむ、それが敵なしだよ」と持論を述べた。

YOSHIKI(Dr, Piano)

YOSHIKI(Dr, Piano)[拡大]

ライブ終盤には「Up And Down」、そしてMIYAVIの楽曲「Bang!」というハイブリッドなダンスロックが届けられた。そしてYOSHIKIが「世界の壁はとても厚くて高い。どんなにがんばって、もがいても崩れない壁をなんとかして壊していこうと思う」と話すと、MIYAVIは「その壁、崩せる気がしたんですけど」と自信を覗かせる。YOSHIKIは「その通り」とうなずき、「もう壁を壊さないという選択肢はないんだな。この身が粉々になっても。翼を広げた僕らに皆さん、風を送ってください。翼は血だらけかもしれませんが、皆さんがいれば、どんな壁だって壊せるはず」と述べた。そんなトークのあと、「Red Swan」のTHE LAST ROCKSTARSバージョン、ラストに「PSYCHO LOVE」が披露され、華々しくライブは締めくくられた。

YOSHIKI(Dr, Piano)

YOSHIKI(Dr, Piano)[拡大]

アンコールを求める声を受けて、THE LAST ROCKSTARSが再びステージに登場。4人はフランクな様子で“破壊から始まる創造”などについて会話を交わしつつ、YOSHIKIは映画館で鑑賞しているライブビューイングの観客に「今ごろポップコーンぶちまけてるでしょ」と呼びかける。続けて生放送を行ったWOWOWには「覚悟の生放送、いつもありがとね」と感謝の言葉を伝えた。なおWOWOWでは2008年3月、X JAPANの復活ライブを生中継。2時間以上も開演が遅れ、最後にYOSHIKIが失神してライブが終わるという破天荒な内容だった。

THE LAST ROCKSTARS

THE LAST ROCKSTARS[拡大]

そして新曲「Shine」の演奏前にYOSHIKIは、楽曲に平和への願いや、それぞれが輝いて生きていこうというメッセージを込めたこと、昨年に訪れた最愛の母の死を受け止めて、悲しみを乗り越えて進むために必要な光についての歌であることを涙ながらに語る。そんな思いがこもった「Shine」では、巨大なミラーボールから光が乱反射する中、場内に観客の合唱が響いた。感動的なムードを経て、「じゃあ、ここから雰囲気をぶち壊しましょうか」とHYDEが話し、キラーチューン「GLAMOROUS SKY」を投下。熱狂を生み出したところで、YOSHIKIは「みんながロックスターだからな! 人生楽しもうぜ!」と叫び、最後に再び名刺代わりの「THE LAST ROCKSTARS」へ。YOSHIKIが客席に乗り込み、「叫べ! Scream!」と何度も呼びかけるなど、熱いステージを展開。紅白の紙吹雪が大量に舞う中、感動のフィニッシュを飾った。4人はそれぞれを称え合い、抱き合った。このライブの模様は、WOWOWオンデマンドにて2月26日までアーカイブ配信を視聴できる。

関連する特集・インタビュー

この記事の画像・SNS投稿(全37件)

「THE LAST ROCKSTARS Live Debut 2023 Tokyo - New York - Los Angeles」2023年1月27日 有明アリーナ セットリスト

01. THE LAST ROCKSTARS
02. 6 or 9
03. Messiah
04. Here's The Love
05. Beneath The Skin
・~SUGIZO×MIYAVI Guitar Battle~
・~SUGIZO Violin solo~
06. Folly
・~MIYAVI Acoustic Guitar solo~
07. Hallelujah
YOSHIKI Drum solo~
~YOSHIKI Piano solo~
08. BORN TO BE FREE
09. HONEY
10. Up And Down
11. Bang!
12. Red Swan
13. PSYCHO LOVE
<アンコール>
14. Shine
15. GLAMOROUS SKY
16. THE LAST ROCKSTARS

THE LAST ROCKSTARS Live Debut 2023 Tokyo - New York - Los Angeles(※終了分は割愛)

2023年2月3日(金)アメリカ ニューヨーク州Hammerstein Ballroom
2023年2月4日(土)アメリカ ニューヨーク州Hammerstein Ballroom
2023年2月10日(金)アメリカ カリフォルニア州Hollywood Palladium

全文を表示

読者の反応

ᒪᗩᑌ🦇🤍 (slow) @lauvamp_

EUROPE PLEASE 🙏🙏🙏 @LAST_ROCKSTARS https://t.co/yyku9oo9Tf

コメントを読む(26件)

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 YOSHIKI / X JAPAN / HYDE / L'Arc-en-Ciel / VAMPS / LUNA SEA / MIYAVI / SUGIZO の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。