約12年ぶりとなった郷の日本武道館公演は、彼のデビュー50周年を記念したもの。2022年の全国ツアー、バラード中心のツアーに続き、「コンサート3部作」の完結編という位置付けでもある日本武道館公演で郷は、50周年にちなんで全50曲を披露した。最新シングル曲「ジャンケンポンGO!!」でライブをスタートさせ、4曲目の「男願 Groove!」までアップテンポな楽曲を畳みかけた彼は、「こんなに大変な曲を歌い終えても、まだ46曲残っているんですよ(笑)。とはいえ、皆さんのことを思えば大変だなんて、とても言えないですよね。僕のすべてをかけて、50曲を歌い切ります。郷ひろみの50周年を集約したパフォーマンスを見せますので!」と意気込んだ。
ライブ序盤の山場はデビュー曲「男の子女の子」や「裸のビーナス」「哀愁のカサブランカ」といった1970年代のヒット曲16曲を披露するメドレーコーナー。ステージ後方の巨大モニターにはジュークボックスが映し出され、当時を知るファンには懐かしいシングルジャケットが表示されるという遊び心のある演出がライブを盛り上げた。続くセクションで郷は「約束」「愛してる」などのバラード曲を熱唱。「よろしく哀愁」「ハリウッド・スキャンダル」といった人気曲をアコースティックバージョンで届ける場面もあった。さらにサプライズゲストとして吹奏楽の強豪校である埼玉・花咲徳栄高等学校の生徒たちが参加。「バラード3部作」の第1弾「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」でコーラスを務め、観客の感動を誘った。
アンコールで郷は「いつも心に太陽を」「花とみつばち」「あなたがいたから僕がいた」「言えないよ」の4曲を熱唱した。そして言葉を時折詰まらせながら、「今回の武道館公演のタイトルには、僕と支えてくれる皆さんとの関係が、ずっと“フィフティフィフティ”であってほしい、という隠れたメッセージも込められていました。僕のことを応援してくれる皆さんと僕との間には、ファンと歌手という関係を超えた絆があると信じています。この絆が永遠に続くように、これからも歌い続けますし、皆さんも応援してください」と挨拶。3時間におよんだ日本武道館公演は、ファンへの感謝の言葉とともに大団円を迎えた。
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