日向坂46が笑顔で照らした「ひなくり」2DAYS、卒業の宮田愛萌「日向坂になってよかった」

日向坂46のワンマンライブ「ひなくり2022」が12月17、18日に東京・有明アリーナで開催された。この記事では昨日の2日目公演の模様をレポートする。

毎年12月に開催されている恒例のクリスマスライブ「ひなくり」。今年3月に念願の東京・東京ドーム公演を成功させ、夏のアリーナツアーからは四期生をメンバーに加えてさらにひと回り大きくなった日向坂46は、今回の公演で飛躍の年となった2022年を締めくくるパフォーマンスを繰り広げ、生配信の視聴者を含む多くのおひさま（日向坂46ファンの呼称）を楽しませた。

開演時刻が近づくと、上村ひなのと高橋未来虹の“なのみくにん”コンビによる場内アナウンスが流れ、2人の「外は寒いけど、みんなであったまるぞー！」という呼びかけに会場のおひさまが大きな拍手で応える。場内のテンションがふつふつと高まっていく中、メンバーがクリスマスパーティの準備をするオープニングムービーの上映後、白のパンツスタイルの衣装を身にまとった日向坂46がステージに姿を現し、最新シングル曲「月と星が踊るMidnight」で「ひなくり2022」の幕を開けた。この曲でセンターを務める齊藤京子はステージセット上段の扉から登場。凛とした表情を浮かべる彼女の姿に会場中の視線が釘付けになった。続く「青春の馬」ではステージ前方に噴き上がる火花がライブを彩り、「ときめき草」ではメンバーが立体的なステージセットのあちこちに散り散りに。その後、無数のシャボン玉が舞う中、会場中央に伸びる花道を1列になって歩きながら歌唱するという、クリスマスライブならではの幻想的な演出でおひさまをうっとりさせた。

ここまでクールな雰囲気の楽曲が続いたが、アリーナ後方のサブステージへ移動した日向坂46がステッキを手にし、ダンストラックに乗せて華やかなパフォーマンスを繰り広げると、会場全体が彼女たちの満面の笑顔で照らされる。加藤史帆と齊藤はステッキをクロスさせてハートの形を作りつつ、キスする仕草を見せておひさまの胸をときかせた。最初のMCでは丹生明里の「かめはめ波ー！」という言葉を合図に、観客が客席の端から順番にペンライトを点灯。光のウェーブを作り出すことに成功し、メンバーとともに大いに盛り上がった。また、高橋はこのライブを欠席した影山優佳について触れ、「今日は影さんのパワーを背負ってがんばりたいと思います！」とコメント。四期生の藤嶌果歩も「四期生一同、今日のためにがんばってきたのでよろしくお願いします」と力強い口調で意気込みを口にした。

ライブ中盤にはメンバーがクリスマスパーティを楽しむ映像を合間に挟みつつ、“期別”のパフォーマンスが展開された。まずは一期生の潮紗理菜、加藤、齊藤、佐々木久美、高本彩花によるユニット・りまちゃんちっくが「ママのドレス」を披露。加藤が日向坂46の公式ペット・ポカのぬいぐるみを抱きしめる傍ら、佐々木久美は影山のタオルを掲げてメンバー同士の絆を強さをアピールした。さらに一期生の楽曲「My god」が披露されたあと、今度は二期生の出番へ。富田鈴花と松田好花によるユニット・花ちゃんズが「ジングルベル」をアコースティックギターで弾き語りするひと幕を経て、二期生は感謝のメッセージが込められたナンバー「世界にはThank you!が溢れている」を晴れやかに歌い上げる。続く三期生も明るい空気に満ちたポップナンバー「Right?」で生き生きとしたステージを繰り広げた。

その後は齊藤がシングル「月と星が踊るMidnight」に収録されている自身のソロ曲「孤独な瞬間」を歌唱。疾走感あふれる16ビートや17歳の青春の鬱屈を描いた歌詞など、中森明菜を彷彿とさせる昭和の歌謡曲テイスト満載のこの楽曲を持ち味の低音ボイスで届け、おひさまをしびれさせる。さらに初の四期生曲「ブルーベリー＆ラズベリー」、夏を描いた楽曲「一生一度の夏」と最新シングルのカップリング曲が立て続けに披露された。

ライブが終盤のブロックに差しかかると、日向坂46はサンタクロースをイメージした衣装に着替えてステージへ。こちらも「月と星が踊るMidnight」のカップリング曲より、軽快なロックンロールチューン「HEY!OHISAMA!」を躍動感いっぱいにパフォーマンスした。観客は「ひなくり2022」の特設サイトで事前に公開されていたこの曲の“ペンライト講座”の動画の通り、ペンライトを回したり、左右に振ったりしてメンバーとともに会場に一体感を生み出す。ラストスパートでは「君しか勝たん」「ドレミソラシド」「キツネ」といったシングル曲が連発される展開に場内の熱気が右肩上がりに上昇し、「知らないうちに愛されていた」の曲中にはステージの頭上から雪が降る特別な演出が。日向坂46はおひさまと一緒に“ホワイトクリスマス”を満喫し、グループの歴史に新たな思い出を刻んだ。

この日のアンコールは日向坂46の1stシングル曲「キュン」でスタート。四期生もパフォーマンスに加わり、代表曲を通してグループの最新形が提示された。そして次のMCでは体調面などを理由に日向坂46から卒業する二期生の最年長メンバー・宮田愛萌が黒のドレス姿で登場し、おひさまに向けて挨拶。彼女が「もっと早く卒業しちゃえばよかったと思ったことも何度もありました」と活動の日々の中での苦労を吐露しつつも、「みんなのこと本当に大好きで、大切で。一生忘れないし、みんなに私の欠片が何か残ったらいいなってすごく思います。どうですかね、残せたかな？」と問いかけると、客席からは大きな拍手が返ってきた。さらに「私、引くほどみんなのことがめっちゃ好きなんですよ。最近の日常の中でミーグリが一番楽しくて。あと、レターを読むのもすごく楽しくて。みんなの存在が私のがんばる意味になっていたと思います」とファンへの愛を伝えた宮田は、挨拶の中でメンバーに対する感謝の気持ちも言葉に。同期の二期生メンバーから花束を受け取り、これまでの思い出話に花を咲かせたあと、特に思い入れの強い楽曲だという「君のため何ができるだろう」をアドリブで歌っておひさまの感動を誘った。この展開に二期生メンバー自身も涙。小坂菜緒は「二期生の中心になってまとめてくれていたし、愛萌ががんばってきたことは日向坂にとってすごく大きくて。ひらがなけやき（けやき坂46）のときからがんばってくれていたし、そういうところは私たちもちゃんと見ていて。お疲れ様という気持ちと、本当にありがとうという言葉をかけたいと思います」と宮田に伝えた。

最後、日向坂46は宮田の曲振りをきっかけに「JOYFUL LOVE」を歌唱。宮田を含むメンバーはトロッコで場内を巡りながら会場の隅々にまで手を振り、笑顔と感謝の気持ちを目いっぱい届けた。計19曲におよんだライブが終わると、観客は「5年間ありがとう！君に幸あれ」というメッセージが書かれた紙を掲げ、晴れやかな空気の中で宮田を送り出す。これに感動した様子を見せた宮田は、「なんか、日向坂になってよかったかもしれない」とこの日一番の笑顔を弾けさせた。

なお日向坂46は2月11、12日に千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールで四期生の「おもてなし会」、4月1、2日に神奈川・横浜スタジアムでデビュー4周年記念ライブ「4回目のひな誕祭」を開催する。