坂本真綾2DAYSライブで“un_mute”、実感を込めて「また会いましょう! お元気で!」

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坂本真綾のワンマンライブ「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」が11月26、27日に東京・東京国際フォーラム ホールAで行われた。

「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」の様子。(写真提供:FlyingDog)

「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」の様子。(写真提供:FlyingDog)

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坂本は2021年12月、夫である声優の鈴村健一との間に第1子を妊娠したことを報告。今年4月には第1子の出産を伝え、少しずつ声優およびアーティストとしての活動を再開していた。彼女がライブを行うのは、昨年3月のデビュー25周年ライブ「坂本真綾 25周年記念LIVE『約束はいらない』」以来。2日間にわたったライブでは、25周年ライブでは歌われなかった過去の楽曲から来年リリースされる新曲まで、幅広い楽曲が披露された。

「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」の様子。(写真提供:FlyingDog)

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ライブの幕開けを飾ったのは、今年5月にシングルリリースされた、岸田繁(くるり)作曲の「菫」と坂本自身が作曲した「言葉にできない」の2曲。バンマス河野伸(Key)が奏でる穏やかなピアノの音色に、佐野康夫(Dr)、大神田智彦(B)、設楽博臣(G)、外園一馬(G)によるバンドサウンドが重なり、さらに金原千恵子(Violin)と笠原あやの(Cello)によるストリングス、稲泉りん(Cho)と高橋あず美(Cho)のコーラスが華やかな色を添える。坂本はホールを包み込むように穏やかな歌声を響かせた。メンバーが立つステージの背後には、見開きの本を思わせる形状の大きなLEDスクリーンが設置されており、楽曲の世界観やムードに合わせて映像と照明が変化していく。

「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」の様子。(写真提供:FlyingDog)

「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」の様子。(写真提供:FlyingDog)[拡大]

「ようこそ、坂本真綾です」と挨拶し、満席の会場をゆっくりと見渡した坂本。25周年ライブやファンクラブイベント、ミュージカルなど、彼女がこのコロナ禍に行ったライブはすべて1席ずつ間を空けた状態だったため、まんべんなく観客の入った会場を見るのは3年ぶりになると感慨深げな様子で、坂本は「私の再始動を楽しみに待ってくださっていた方がこんなにいてうれしいです」と顔をほころばせた。その後は「SONIC BOOM」「雨が降る」「プラリネ」と、坂本がデビュー時からタッグを組んでいた菅野よう子のプロデュースを離れ、新たな道を模索し始めた2008~9年の楽曲が続く。さらに1日目は「みどりのはね」、2日目は「ねこといぬ」と、ライブであまり歌われる機会のない楽曲も日替わりで披露された。

まだ遠くにいる / un_mute(初回限定盤)

坂本真綾「まだ遠くにいる / un_mute(初回限定盤)」
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ライブ中盤、会場を大きく沸かせたのは、前日に情報が出たばかりの最新楽曲「まだ遠くにいる」と「un_mute」の初披露。「まだ遠くにいる」は1月に放送がスタートするWOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」のエンディングテーマで、穏やかな導入から混沌とした激しいサウンドへと変化する情熱的な楽曲だ。一方、テレビアニメ「REVENGER」のエンディングテーマとして書き下ろされた「un_mute」は、デビュー作から坂本の作品に携わる岩里祐穂が作詞した優しいバラード。ライブのタイトルはこの岩里が命名した新曲の題名から取られたもので、坂本は「“産休明け”の世界一カッコいい言い方ですよね」と賞賛されたというこのタイトルが実は楽曲先行だったことを明かした。なお、この新曲初披露を含む2日間のパフォーマンスの一部が1月25日発売のシングル「まだ遠くにいる / un_mute」初回限定盤に収録されることが決定していることもあり、坂本は難解な「まだ遠くにいる」の歌唱に大きなプレッシャーを感じていた様子。また、レコーディングではたびたび依頼しているもののライブで一緒になるのは初めてだという金原との共演にも、喜びと同時に「いいとこ見せなきゃ」というプレッシャーがあったという。

「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」の様子。(写真提供:FlyingDog)

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「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」の様子。(写真提供:FlyingDog)

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「お望み通り」のジャジーなインストアレンジを挟み、ライブは後半戦へ。ここでは昨年7月にこの世を去った渡辺善太郎との思い出が語られ、渡辺が初めて坂本の作品にアレンジャーとして参加した「カザミドリ」と、渡辺との最後の作品となった「Hidden Notes」が歌われた。「昔からライブの終わりには『また会いましょう! お元気で!』なんて言っていましたが、だんだんとそれをリアルに感じるようになってきて。歳を重ねると、誰かに突然会えなくなることもどんどん増えていく。もし次に会えるときは最高の気分で会えるように……それがいつになるかわからないけど、1日1日、自分を大事に生きていこうね」としみじみと語り、「いろんなことにチャレンジしながら、とりあえずまだ歌っていきます、と伝えるために来ました」と宣言した坂本。コロナ禍以前の彼女のライブでは最後に「ポケットを空にして」を観客とともに合唱して終わるのが恒例となっていたが、今回は「年末の怒涛の忙しさに挑む前に、気持ちが充電されるような、明るい気持ちになれる曲でみんなを見送りたいと思います」と、レギュラーラジオ「ビタミンM」放送1000回記念で制作された楽曲「千里の道」をチョイス。実感のこもった声で「また会いましょう! お元気で!」と観客に別れを告げた。

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「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」2022年11月26日・27日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

01. 菫
02. 言葉にできない
03. SONIC BOOM
04. 雨が降る
05. プラリネ
06. みどりのはね(11月26日公演)/ ねこといぬ(11月27日公演)
07. Here
08. Waiting for the rain
09. ディーゼル
10. まだ遠くにいる
11. un_mute
12. Remedy
13. お望み通り(Inst)
14. カザミドリ
15. Hidden Notes
16. 空白
17. レプリカ
18. クローバー
19. 千里の道-Live Version-

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