7ORDER、新たな可能性見せた「脱色と着色」ツアー終幕

7ORDERが昨日11月3日に東京・東京ガーデンシアターで全国ツアー「7ORDER LIVE FACTORY～脱色と着色～」のファイナル公演を昼夜2部制で開催した。この記事では夜公演の模様をレポートする。

ステージセットの真ん中に掲げられたのは、着色されていない白い7ORDERのロゴ。開演前の会場には工場で何かを組み立てるようなメカニックな音が鳴り響く。開演時間になり、会場が暗転すると白いスモークの向こう側に7人の姿が登場。真田がギターをかき鳴らし、「agitate」でライブの幕を切った。あふれんばかりの衝動を音に注いで解き放った7人は、そのまま諸星翔希の高らかなサックスの音色とともに「タイムトラベラー」へ。「青空と爆弾」では「青空と爆弾」では安井謙太郎がギターを携えて楽器隊に加わり、長妻はタンバリンを持ってステージを元気よく駆け回った。「SUMMER様様」では「SUMMER様様」ではサングラスを使った演出やお馴染みのダンスにファンが盛り上がる。諸星と阿部顕嵐の熱いラップの掛け合いも息ぴったり。「BOW!!」では安井が観客にタオル回しを呼びかけて会場をひとつにした。

レーザービームが飛び交い、ここから7人はダンスパートへ。彼らはダイナミックなアクロバットやジャズダンス、バレエのようにエレガントなペアダンスなど、流れる音楽に合わせて次々とダンスを繰り広げ、観る者の心を奪う。「Power」ではフォーメーションを目まぐるしく展開させながら、芯のある力強いパフォーマンスを披露した。ダンスパートを経てひと息つき、ツアーファイナルを迎えた心境の話になると、メンバーは一斉に「モロ（諸星）はどう思う!?」と詰め寄る。うろたえる諸星に、阿部が「体で表現してみてよ」と無茶振り。阿部が「もし反応が薄かったら俺が全力で謝るから」とフォローすると、長妻怜央も「俺も一緒に謝る」となぜか便乗。諸星は長妻に耳打ちをして何やら打ち合わせをし、「ここにみんなが集まってくれて、こんなライブができて、まじで気持ちEー！」と長妻と“E”の人文字を作った。さらに「どう思う？」の押し付け合いは続き、「萩ちゃんはどう思う？」とバトンを受け取った萩谷慧悟は「みんなとこうやって語り合えてたのCー！」と“C”のポーズを決める。メンバーの見事な連携プレーを目の当たりにした安井は、「この調子なら11月29日のAbemaの特番（「7ORDERのSU・PONPON」）大丈夫そうだな」とスムーズに告知へとつなげてみせた。

その後アコースティックスタイルで披露されたのは「Ups & Downs」。長妻はレインスティックで波の音、諸星はサックスで船の汽笛を再現し、会場はたちまち南国のビーチのような空間へ。スティールパンを取り入れた穏やかなアンサンブルに観客の温かなハンドクラップが重なり、ゆったりとした心地のいい空気が場内に流れた。ステージ下段で阿部と向かい合った真田佑馬がギター1本で弾き始めたのは「ONE」。真田が奏でるギターリフに阿部が勢いよくラップを重ね、互いにボルテージを高め合っていく。「ONE」のグルーヴ感を保ったまま、7人はレーザーライトに彩られながら「Get Gold」の演奏へ突入した。ワンコーラスを終えたところで会場が暗転。再び会場が照明に照らされたときにはステージ下段に7人の姿が。それぞれの楽器の持ち場を離れた彼らは、一糸乱れぬダンスで観客を圧倒。そして諸星のエモーショナルなサックスと阿部の熱いラップを経て、最後に7人は再度バンドセットへ。カオティックな曲展開を見事に成立させ、グループの武器であるダンスとバンドの二面性を惜しみなく発揮した。

ここで一度メンバーがステージをあとに。ステージ上段のカーテンが左右に開くと、ストリングス隊が姿を現した。ステージには1台のピアノが運び込まれ、白い衣装を着た長妻が登場。長妻がストリングス隊とともに繊細なタッチで「夢想人」を演奏し始めると、彼と同じく白い衣装を身にまとったメンバーが1人ずつステージに現れ、スポットライトを浴びながらまっすぐな眼差しで歌を届ける。美しいストリングス、ピアノ、厚みのあるアンサンブル、凛とした歌声が連動するように1つの物語が紡ぎ上げられた。さらに彼らは「Sabãoflower」をストリングス隊とともに演奏。カラフルな7色のライトで照らされたステージにシャボン玉が広がり、祝祭感のある美しい光景が生み出された。ドラマティックな鍵盤の音色でスタートしたのは「27」。シンフォニックロックを思わせるスケール感たっぷりのアレンジでこの曲を届け、7人は大きな拍手に見送られてステージを去って行った。

アンコールの前には2023年3月にメジャー3rdアルバム（タイトル未定）がリリースされることと、2023年4月よりホール＆アリーナツアーが行われることが発表された。うれしい知らせに興奮冷めやらぬ中、「Feel So Good」のイントロが流れると、会場のところどころでどよめきが沸き起こる。その方向にはひさしぶりに客席に降り立つメンバーの姿があった。オーディエンスに手を振られながら、7人は縦横無尽に客席を練り歩く。はしゃぎながら楽しげに歌を届けたあと、彼らはファンキーなナンバー「Lonely night」を披露して観客とキャッチーな振付を楽しんだ。テレビアニメ「農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。」のオープニングテーマとしてオンエア中の新曲「Growing up」では希望に満ちた晴れやかなサウンドが響き渡る。最後に彼らはストリングス隊を迎え入れて「雨が始まりの合図」をパフォーマンス。ステージに掲げられた白い7ORDERのロゴは、7色の光で“着色”されていた。

真田は「楽しい時間というのはあっという間ですけども、皆さんとこうやって楽しいことができることが本当に幸せだなと思います。素敵な音楽と、素敵な時間を僕たちにくれて本当にありがとうございます！」と感謝の思いを述べる。萩谷が「みんなを楽しませる公演になったならうれCです！ これからもよろしくお願いします！」と“C”のポーズを決めると、諸星も「こうやってガーデンシアターを満杯にできるなんて、めちゃくちゃ恵まれてると思います。皆さんがいてマジでよかったなと思います！ こうやって公演ができてマジでうれしE！」と語って長妻と“E”を作った。阿部はホール＆アリーナツアーが決まったことに触れ、「次があることってなんて幸せなんだろうと本当に思います。それはすべて皆さんのおかげです。来てくださってありがとうございます。これからもどんどんワクワクすることをやっていきたいと思うので、皆さん力を貸してください。ぜひ一緒に楽しみましょう」と呼びかけ、森田美勇人は「皆さんからのパワーをもらって、無事健康に大きな病もなく、皆さんとちゃんと終わることができてうれしいです。また始まるもののために一生懸命がんばります！」と意気込む。長妻は“鬼瓦”のポーズを連続で披露したあと「最後まで走り切れたことを本当にうれしく思います。また続けられるようにがんばっていきますので、これからもよろしくお願いします！」と充実した表情で述べ、安井は「顕嵐が言っていたように、次があるというのは本当に幸せなことで、僕らにとっては当たり前じゃない。次を作ってくれるのはいつもみんなです。僕らみたいなみんなバラバラの色を持っている7人がこうやって1つの場所に集まれるのは、あなたがこうやって遊びに来て笑ってくれるからです。いろんなこと日々あると思うけど、あなたが僕たちの存在意義です！ また会うときまでどうか心も体も元気で、また笑って会いましょう」とまっすぐに伝えた。

メンバーがステージを去ったあとも拍手は鳴りやまず、7人は観客の思いに応えて再びステージに登場した。ツアーのラストナンバーとなったのは「LIFE」。温かなハンドクラップの中で7人は始まりの歌とも言えるこの曲を生き生きと演奏し、晴れやかな笑顔でツアーを締めくくった。