「藍」はindigo la Endにとって初となる武道館公演。このライブで彼らは約2時間半にわたり全25曲をパフォーマンスした。
開演時刻を過ぎた頃、
長田によるギターのカッティングが切なく響く「夜行」では、川谷がステージの端まで移動しながらハンドマイク1本で歌唱する。その後もシンセサイザーのフレーズが耳に残る「夜風とハヤブサ」や川谷のファルセット混じりのボーカルが光る「チューリップ」など、多彩なステージングで観客を魅了するindigo la End。曲間ではオープニングで流れたドラマの続きが断片的にスクリーンに映し出され、徐々にストーリーが進んでいく。MCでは川谷が「結成12年でようやく武道館でワンマンをすることができて感無量でございます」と今の心境を率直に述べつつ、「次の曲は個人的な気持ちを書き殴ったような曲だったので、武道館でやるか迷ってました」と語り、痛切な恋心がストレートに書きつづられたバラードナンバー「夜の恋は」を歌唱した。
ライブ後半では「夜汽車は走る」「ハートの大きさ」「秘密の金魚」など激しいロックチューンが立て続けに披露され、観客は頭上に掲げた手を前後に大きく振るなどして演奏を堪能する。「秘密の金魚」では色とりどりの照明が四方八方からステージを照らし出し、サイケデリックな世界観が作り出された。佐藤の激しいドラムソロから「名もなきハッピーエンド」が披露されると、会場の空気は終盤に向けてさらにヒートアップ。「藍色好きさ」ではタイトル通り会場中が藍色の照明の光に包まれた。インディゴのキャリアを代表するナンバー「夏夜のマジック」では、久保田演じるドラマのヒロインが客席に登場するという演出も。さらに客席前方から無数のしゃぼん玉が吹き出し、会場中に幻想的なムードが広がっていった。最後には川谷が「武道館でやるからといって背伸びするのも僕らっぽくないなと思っていつもの僕らみたいなストイックなライブをやったんですけど、思い思いにすごくいい表情をして聴いてくれて、やってきたことは間違ってなかったなというか、いい曲をこれからも作っていこうと思いました」と語り、「Play Back End Roll」を披露。4人はアウトロで一心不乱に轟音をかき鳴らし、ステージを去って行った。
アンコールの拍手を受けて、4人はラフなTシャツ姿でステージに登場。「通り恋」「冬夜のマジック」で武道館を切ない空気に浸していく。ラストには川谷の「これからのindigo la Endをやって終わりたいなと思いました」という言葉に続けて、新曲を披露。軽快なリズムに川谷が流麗な歌声を乗せ、彼らは全楽曲のパフォーマンスを終えた。そして4人が舞台を去ったあとに、来年2月25日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにてワンマンライブ「蒼き花束 vol.3 」が開催されること、ニューアルバム「哀愁演劇」が来夏にリリースされることが発表されると、会場は歓喜の拍手に包まれた。
「藍」2022年11月1日 日本武道館 セットリスト
01. sweet spider
02. 悲しくなる前に
03. 瞳に映らない
04. 花をひとつかみ
05. 想いきり
06. 雫に恋して
07. 夜行
08. 夜風とハヤブサ
09. 蒼糸
10. 花傘
11. チューリップ
12. 邦画
13. 夜の恋は
14. そのままの冷たさで
15. 夜汽車は走る
16. ハートの大きさ
17. 秘密の金魚
18. 夜明けの街でサヨナラを
19. 名もなきハッピーエンド
20. 藍色好きさ
21. 夏夜のマジック
22. Play Back End Roll
<アンコール>
23. 通り恋
24. 冬夜のマジック
25. 新曲
蒼き花束 vol.3
2023年2月25日(土)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール
J_ROCKNews @J_ROCKNews
indigo la End、全25曲を届けたストイックな初武道館公演 https://t.co/Q5L4PQCoDD