眉村ちあきの音楽隊が1年ぶりに帰ってきた、幸せあふれたLINE CUBE公演

眉村ちあきのワンマンライブ「眉村ちあきの音楽隊 - Episode 2 -」が10月30日に東京・LINE CUBE SHIBUYA（渋谷公会堂）で開催された。

「眉村ちあきの音楽隊」は眉村が越智俊介（B / Shunské G & The Peas、CRCK/LCKS）、兼松衆（Key, G）、qurosawa（G / POLLYANNA）、小西遼（Sax, Flute / CRCK/LCKS）、吉田雄介（Dr / tricot）からなる“音楽隊”を率いてパフォーマンスするライブ。2021年9月の東京・中野サンプラザホール公演以来約1年ぶりとなる「眉村ちあきの音楽隊」に向け、眉村はLINE CUBE SHIBUYA（渋谷公会堂）近くの北谷公園でのフリーライブ、YouTubeやTikTokなどを使った無料配信ライブを重ね、着実にマユムラー（眉村ちあきファンの呼称）を増やしてきた。

開演時刻を迎えると、ヘッドドレスを着け、白いドレスに身を包んだ眉村が登場。彼女が「ピッコロ虫」をアカペラで歌い始めると、そのパワフルな歌声に惹き付けられたオーディエンスが一斉に立ち上がる。続く「Individual」ではお馴染みとなりつつある“脳汁”をかけ合うジェスチャーで眉村とマユムラーが心を通わせた。「Let's go」という彼女の掛け声で始まったのは、クールなダンスチューン「おばあちゃんがサイドスロー」。眉村はヘヴィなビートに乗せてしなやかに歌い踊り、間奏ではバンドメンバーがテクニカルなソロプレイを繰り広げた。そのミステリアスなムードは「愛でほっぺ丼」で一変し、彼女のチャーミングな歌声が場内いっぱいに響き渡る。さらにカオティックな歌詞が印象的なディスコチューン「なまらディスコ」、日清食品「カップヌードルPRO」CMの替え歌が話題を呼んだ「顔ドン」が連発されると、瞬く間に客席に興奮の渦が生まれた。

ここで越智、兼松、小西、吉田が去り、ステージに2人残った眉村とqurosawa。パーマヘアーのqurosawaについて眉村は「このトイプードルはquroちゃんです」と紹介し、前回の「眉村ちあきの音楽隊」と同じく、彼のアコースティックギターに乗せて「奇跡・神の子・天才犬！」を披露した。その後、ステージにはqurosawaと入れ代わるように兼松が再登場。彼のキーボードの横に移動した眉村が「謙虚な人間って自分をないがしろにしがちじゃん。週4ぐらいでいいから自分を優先してねっていう歌を作りました」と説明し、「おもてなし子」をひと際丁寧に歌い上げた。改めて音楽隊の面々がそろうと、ギターを肩から下げた眉村は「やさいせいかつ」をパフォーマンス。笑顔を絶やさずに演奏する眉村のポジティブなオーラは場内に伝播し、マユムラーは心からライブを楽しむかのように体を揺らした。

牧歌的なムードが広がる場内で眉村は「めっちゃありがとう、マジで。俺たちはみんなに肉をたくさん食べてほしいんだ。肉食おうぜー！」と叫び、ロック調の新曲「肉喰え」をお披露目。そして「ここにたどり着けたみんなは勇者だよ。今日はブルーノ・マーズのライブもあるらしいよ。みんな私のライブを選んでくれてありがとう」と感謝を伝え、「わかり合えるはず。わかり合えるはず。同じ空気吸って音楽聴いてFeel so good」と自身の思いを表現した。

フリルが幾重にも重なった華やかな衣装に着替えた眉村。赤いライトを浴びながら彼女は、新曲「秘密の恋」をゆっくりと歩きながら歌い、ミステリアスなムードを演出した。フリルの衣装を脱いだ眉村は自身の顔が全面にプリントされたセットアップ姿となり、ミュージカル調の壮大なナンバー「夢だけど夢じゃなかった」の“LINE CUBEバージョン”を歌唱。大きく手を広げながら、エネルギーに満ちた歌声を存分に放った。本編が終わりへと近付く中、眉村はここでも即興ソングでマユムラーを楽しませる。さらに、トークやラップを交えながら、テレビ朝日系「フリースタイルティーチャー」の“女性芸能人No.1ラッパートーナメント”への出場を振り返り、「ラップっていうのはビートがなくちゃできないんですよ。太鼓がなくてもいいんですよ。床とかトントンすればいい。なんでもありのところに惹かれたんですよね」と語った。本編の最後に届けられたのは、ライブ定番の「大丈夫」。情熱がほとばしるようなボーカルに、観客はじっと耳を傾けた。

アンコールを求める拍手に応え、ステージに戻ってきた眉村と音楽隊のメンバー。ステージには越智、兼松、qurosawa、吉田、先ほど眉村が着ていたフリルの衣装に身を包む小西はいるものの、眉村の姿はない。観客が落ち着かない様子であたりを見回す中、飛沫防止対策がなされた笠をかぶった眉村が1階の非常口から現れ、拳を突き上げながら「冒険隊 ～森の勇者～」を歌った。ステージに上がると、「私のことが尊いか？ 今俺たちは近くで息しているんだ！ きゃーうれしい！ 1つひとつの丸い顔たちがかわいい。守りたい」とマユムラーへの愛を爆発させる。さらに「絶対に私より先に死なないでね！ けっこう無理そうな人もいるけど……みんなのことを私は守りたい」と熱烈なメッセージを届け、ファンの幸せを祈りながら「Lovely days」を情感豊かに歌い上げた。ラストの「旧石器PIZZA」ではフロアが牧歌的なムードに包まれ、曲中には金テープが舞う。オーディエンスから大きな拍手を送られた眉村は「幸せでした！ ありがとう、またね。気を付けて生きていってね」と温かなメッセージを残してステージを去った。

「眉村ちあきの音楽隊 - Episode 2 -」を終えた眉村は、4月より東名阪ツアー｢眉村ちあきの音楽隊 -Episode 3- “列島を立ち昇る 一角獣の誘い”｣を開催する。