でんぱ組.incがバンド従えた9年ぶり野音で“電波ソング”9連発、空野青空へのバースデーサプライズも

でんぱ組.incが10月16日に東京・日比谷公園大音楽堂（日比谷野音）でバンドセットのワンマンライブ「でんぱ組.inc全国ツアー2022 電電電電電電電電電!!!!!!!!!+でんでん!! in 日比谷野外音楽堂」を開催した。

この公演はライブツアー「でんぱ組.inc全国ツアー2022 『電電電電電電電電電!!!!!!!!!』」の一環で行われたもので、10月1日に開催予定だった新潟公演が延期となったことからツアーの幕開けを飾る公演となった。でんぱ組.incが日比谷野音でワンマンライブを行うのは約9年ぶりであり、でんでんバンドを従えたバンドセットでライブを行うのは約2年ぶり。またメンバー9人のうち、愛川こずえは体調不良により不参加となったが、育休によって活動を制限していた古川未鈴が参加する特別なワンマンライブとなった。

秋も深まる10月半ば、開演時刻の17:30ともなると、辺りはすっかり暗くなり、ひんやりとした空気が漂っている。その静謐なムードをバンドの演奏が打ち破ると、ステージに走り込んできた新衣装のでんぱ組.incはライブ当日にリリースした新曲「でんぱっていこーぜ!!」でライブを開始。当日に誕生日を迎えた空野青空を祝うため、ファンがペンライトの光を青にそろえる中、8人はバンドの激しい演奏に乗ってステージをワチャワチャと動き回り、秋の野音を熱気あふれる空間に一変させた。

続けて「でんぱれーどJAPAN」「愛が地球救うんさ！だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」を畳みかけた8人は、それぞれライブへの意気込みを語ると「でんぱせいばぁ☆」でパフォーマンスを再開。その後もバンドのパワフルな演奏が映えるアグレシッブなナンバーを次々と披露し、「ギラメタスでんぱスターズ」に続く「千秋万歳！電波一座！」の導入では高咲陽菜がいつもより長めのパントマイム芸を見せて観客の笑いを誘った。

ハイテンションなMCから「でんぱーりーナイト」につなげ、観客のテンションを引き上げた8人が、近年の定番曲「プリンセスでんぱパワー！シャインオン！」に続けて歌ったのは、清竜人提供曲「まもなく、でんぱ組.incが離陸致します♡」。レアな選曲にファンが歓喜する中、ツアータイトルの「電電電電電電電電電!!!!!!!!!」にちなみ、ここまで披露された9曲の全タイトルに「でんぱ（電波）」が入っていることが明かされた。

「みんなこの曲待ってたんじゃない？」「このフォーメーションは？」という煽りから飛び出したのは、これも久々の披露となる「バリ3共和国」。曲中にバンドメンバーの山田マン（B）、マツキチ（Dr）、優里（Key）、いたがっきー（G）が改めて紹介され、それぞれが巧みなプレイを見せつける。でんぱ組.incとでんでんバンドは「破！to the Future」で会場をさらに沸かせつつ、「キラキラチューン」でムードを少し変えると、星空のようなライトがきらめく中、センチメンタルな「あした地球がこなごなになっても」を披露。「サクラあっぱれーしょん」で客席を一面ピンクに変えると、夢眠ねむの卒業公演のイメージも強い「絢爛マイユース」を現体制で初披露し、ライブ本編を終えた。

その後「プレシャスサマー！」で勢いよく幕を開けたアンコールのMCでは、空野へのサプライズでバースデーケーキがステージに運び込まれる。どんな1年にしたいか問われた空野は「でんば組.incでテレビに出たい！ スタジオライブがしたいです！ 階段降りていくアレができるくらい、でんぱ組.incを大きくしたいなって思います！」と力強く意気込みをコメント。そして「みんなと一緒にどうしても作りたい景色があった」という相沢梨紗の言葉から披露された「ORANGE RIUM」で野音はオレンジ色の光で満たされ、8人がエネルギッシュにリボンを振る「でんでんぱっしょん」でライブは大団円を迎えた。

なお本公演中、でんぱ組.incは12月14日に5曲入りのEP「でんぱぁかしっくれこーど」をリリースし、12月16日には神奈川・KT Zepp Yokohamaにてスペシャルワンマンライブ「でんぱぁかしっくれこーど」を開催することを発表。グループの原点に立ち返りつつ、その先を見せられるようなEP、ライブを目指すという。