ORESAMAが示した集大成、ワンマン「TREK TRUNK」を経て2人はそれぞれの旅路へ

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ORESAMAが10月10日に東京・Spotify O-EASTにて活動休止前最後のワンマンライブ「TREK TRUNK」を開催した。

ORESAMA「TREK TRUNK」の様子。

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ぽん(Vo)

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小島英也(G)

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定刻を迎え、オーディエンスの拍手に迎えられたぽん(Vo)の手には大きなトランクバッグが。ステージ中央の台にバッグを置いたぽんは、中からうとまるが描いたORESAMAのイラストを大事そうに取り出し、オーディエンスに見えるように立てかける。ライブの準備が整ったORESAMAは「ワンダードライブ」でライブをスタートさせた。ライブハウスの巨大なスピーカーから繰り出される重低音を全身に浴びて体を揺らす小島英也(G)は、最初からオーディエンスに手拍子を促して会場内の一体感を作り上げていく。「パラレルモーション」ではサポートメンバーの三浦光義(B)と小島が競い合うようにセッション。スラップを用いた三浦のファンキーなプレイに対して、小島はギターのアームを用いてビブラートを細やかに入れ、生演奏ならではの迫力ある演奏にオーディエンスは息を呑む。MCに入るとぽんは、無事ワンマンライブを開催できたことを喜び「元気なみんなに会えて本当にホッとしている」とオーディエンスを歓迎。さらに「忘れられない夜を作っていきましょう」と話し、「Trip Trip Trip」でライブを再開させた。

武田真治

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2014年のデビュー以降、数々のアニメタイアップソングを世に生み出しながら、近年ではほかのアーティストへの楽曲提供も行なってきたORESAMA。この日のライブでは「Trip Trip Trip」「ホトハシル」といったタイアップソングはもちろん、提供曲「PEARLY×PARTY」のセルフカバー、「PEARLY×PARTY -Funkapop ver.-」が披露されるなど、これまでリリースしてきた代表曲を総ざらいするセットリストが展開された。さらにぽんは10月にリリースされたばかりの最新EP「TREK TRUNK」について「また新しい冒険に出ようと思える、愛すべき1枚ができた」と誇らしげに語り、その収録曲である「ism」を歌唱。ORESAMAの新境地でもあるぽんのラップが含まれたこの曲が披露されると、フロアからは大きな拍手が巻き起こった。

ORESAMA「TREK TRUNK」の様子。

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左から三浦光義(B)、小島英也(G)。

左から三浦光義(B)、小島英也(G)。[拡大]

ライブ中盤にはMONICOによるDJタイムと、ORESAMAが歴代の曲を披露するメドレーコーナーが用意されており、シングルのカップリング曲や活動初期に発表された「青春ランナー」など、普段のライブではなかなか披露されないレア曲にまで触れる内容にファンは大喜び。さらにORESAMAがスペシャルゲストとして、過去にORESAMAの楽曲にサックスの演奏で参加したことのある武田真治をステージに招き入れると、会場内は大盛り上がりに。武田は「誘うのが遅いよ小島くん!」と、もっと早くORESAMAのライブに参加したかったことを伝え、なぜかオーディエンスを含めた全員でスクワットをすることを提案。武田のかけ声とともに10回のスクワットを行い、体が温まったところでORESAMAと武田は「cute cute」をパフォーマンス。武田が流麗な音色を響かせるソロでフロアを沸かすと、それに応えるようにぽんは伸びやかなボーカルを響かせてファンを魅了した。「cute cute」「Chewy Candy」の2曲でコラボを果たした武田は「ORESAMAとの思い出が消えないように」と、自身のスマホのインカメラを使って記念撮影をし始める。インカメのシャッターボタンを連写して大切なひとときを写真に記録した武田は、弾けるような笑顔で颯爽とステージを去っていった。

ぽん(Vo)

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「NIGHT BEAT」からはORESAMAのミドルテンポのナンバーが立て続けに披露される展開に。「Moonlight」ではまるで月明かりのような幻想的な照明がステージを照らす中、ぽんの歌声にDJのMONICAが声を重ね、豊かなハーモニーが紡ぎ出された。バラードが披露され、落ち着いたムードが漂う中でぽんは「さよならじゃない、お別れじゃないから」とORESAMAの充電期間について触れ、「これから先も私たちはきっと大丈夫って魔法をかけて」と、「TREK TRUNK」の歌詞を用いた言葉から演奏を始める。「TREK TRUNK」「Hi-Fi TRAIN」と“旅”をテーマにした楽曲を披露したORESAMAは代表曲「流星ダンスフロア」をパフォーマンス。演奏にはブラス帯も加わり、豪華な8人編成でライブの本編を締めくくった。

小島英也(G)

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アンコールに応えて再びステージに登場したぽんは、ORESAMAとしての活動を振り返り始める。これまで出会ってきたスタッフ、バンドメンバー、ファンと思い出を回想した彼女は「これからの人生で、これほど温かい人たちにはもう出会えないと思う」と、関わってきた人たちへの感謝を述べた。「ORESAMAとしての活動は間違いなく私の青春でした。これからもORESAMAのことが大好きだし、みんなのことが大好き」と話した彼女は、ボーカリスト・ぽんにとって、そしてORESAMAにとって転機となった曲「ねぇ、神様?」をアカペラで歌唱。フロアのオーディエンスは体を揺らしながら彼女の歌声をじっと聞き入っていた。

ステージ上で握手を交わすぽん(Vo)と小島英也(G)。

ステージ上で握手を交わすぽん(Vo)と小島英也(G)。[拡大]

ORESAMAのライブでほとんどMCをしない小島はダブルアンコールでようやく自身の思いを語り始めた。「ここまで曲をやってきて、出てくるのは感謝の気持ちしかない」と、語り始めた彼は、会場に集まったオーディエンスはもちろん、スタッフやバンドメンバー、会場に来ないまでもORESAMAの音楽に触れてくれた人たちに対しての感謝の気持ちを伝えた。さらに彼は「音楽って本当にいいものだから、末長く音楽を好きでいてほしい。皆様が音楽を好きでいてくるということは、僕らが帰ってくる場所があるということだから」と、ORESAMAとファンをつなぐ音楽への思いを語った。この日の最後に2人はデビュー曲である「オオカミハート」をプレイ。会場に集まったファンを見渡しながら最後の曲を届けたぽんと小島は、演奏終了後に向かい合って、固い握手を交わす。そして小島はこの日の思い出を大切にしまうように、ステージ上に置かれたトランクバッグをゆっくりと閉め、バッグを持ってステージをあとにした。

なおZ-aNでは11月13日まで、この日のライブのアーカイブ映像が配信されている。

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ORESAMA「TREK TRUNK」2022年10月10日 Spotify O-EAST セットリスト

01. ワンダードライブ
02. Gimmme!
03. パラレルモーション
04. Trip Trip Trip
05. PEARLY×PARTY -Funkapop ver.-
06. ホトハシル
07. ism
08. 迷子のババロア
09. Special ORESAMA Medley(ワンダーランドへようこそ~全然気にしてないから僕のことは気にしないで~あたまからモンスター~カオでしょ~Dreamin' Pops~青春ランナー)
10. CONTINEW WORLD
11. OPEN THE WORLDS
12. cute cute
13. Chewy Candy
14. CATCH YOUR SWEET MIND
15. NIGHT BEAT
16. 秘密
17. Moonlight
18. TREK TRUNK
19. Hi-Fi TRAIN
20. 流星ダンスフロア
<アンコール>
21. 「ねぇ、神様?」-Dressup cover-
22. 銀河
23. 乙女シック
<ダブルアンコール>
24. オオカミハート

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(撮影:江藤はんな[SHERPA+]、スタイリスト:佐野夏水)

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ORESAMA@10/10ワンマンライブ「TREK TRUNK」🧳✨ @o_oresama

【掲載情報】
音楽ナタリーさんにライブレポートを掲載していただきました📝✨

充電期間前ラストワンマンライブTREK TRUNKアーカイブ配信は11/13(日)まで🧳🌈
https://t.co/FUkzpN8pFM
ぜひご覧ください🐇🌴
#TREKTRUNK #ORESAMA https://t.co/6kdDFCKxXL

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