LUNA SEA「復活祭」でRYUICHIが新たな歌声披露、アンコールでGACHI SEAと一夜限りの共演

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LUNA SEAが8月26日と27日に東京・日本武道館にて単独公演「LUNA SEA 復活祭 -A NEW VOICE-」を開催した。

「LUNA SEA 復活祭 -A NEW VOICE- Day1『Silky Voice』」の様子。

「LUNA SEA 復活祭 -A NEW VOICE- Day1『Silky Voice』」の様子。

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今年1月に大阪・大阪国際会議場で迎えた結成30周年記念ツアー「LUNA SEA 30th Anniversary Tour 20202021 -CROSS THE UNIVERSE-」の最終公演をもって、RYUICHI(Vo)の声帯手術のため休眠期間に入っていたLUNA SEA。RYUICHIが約7カ月ぶりにその歌声を披露する場には、彼らが何度も立ってきた聖地・日本武道館が選ばれ、初日は「Silky Voice」、2日目は「Naked Voice」と銘打ちそれぞれ異なるセットリストをもとにライブが行われた。この記事ではRYUICHIの復活公演となった初日公演の模様をレポートする。

RYUICHI(Vo)

RYUICHI(Vo)[拡大]

SLAVE(LUNA SEAファンの呼称)が360°を囲む純白のセンターステージというLUNA SEAの新たな一歩を印象付ける舞台が用意されたこの日。開演時刻を30分経過した頃、ステージ中央に設置された1本のマイクスタンドにスポットライトが落ち、RYUICHIがたった1人でステージへ。復活を祝うような割れんばかりの拍手を全身で浴びながらた彼は、マイクに手を添えると「WISH」をアカペラで歌い出した。アンコールの定番として愛されているナンバーをライブの1曲目に据え、さらにアカペラでパフォーマンスするという、LUNA SEAにとっては前代未聞とも言える演出に観客が驚く中、RYUICHIは手術とリハビリを経て手に入れた力強くしなやかなボーカルを全方位に響かせる。会場にいる誰もがRYUICHIの完全復活を確信したとき、真矢(Dr)を皮切りにSUGIZO(G, Violin)、INORAN(G)、J(B)がステージに合流。5人の音が重なったとき、美しい弧を描きながら銀テープが放たれ、場内の祝祭的なムードに拍車がかかる。「武道館ー!」。そう叫んだRYUICHIの声にはSLAVEと再会できた喜びがあふれ、そんな彼の姿を真矢、SUGIZO、INORAN、Jも笑顔で見守った。

SUGIZO(G, Violin)

SUGIZO(G, Violin)[拡大]

INORAN(G)

INORAN(G)[拡大]

「君に会いたくて」と歌う「PROMISE」を届けたのち、RYUICHIが「会いたかったよ」と愛おしそうな表情で観客に告げる。「今日はメンバーが『復活祭』と名付けてくれて、僕の声が戻るのを待っててくれました。今ある新しい声、ずっと変わらない思い……今夜5人でLUNA SEAの思いをしっかりみんなで届けたいと思います」と宣言した彼は、「TWICE」「MARIA」を優しさ、力強さ、儚さなどさまざまなニュアンスを込めた声で表現。「A NEW VOICE」のタイトルにふさわしいパフォーマンスでSLAVEを引き込んでいく。幻想的な世界へと誘う「RECALL」、SUGIZOの繊細なバイオリンの音色とRYUICHIの穏やかな歌声が絡む「I'll Stay With You」を経て、5人は起爆剤として「SHINE」を投下。SUGIZO、INORAN、Jの3人はステージから客席へと伸びる花道に足を伸ばし、SLAVEとのコミュニケーションを堪能する。真矢はソリッドなリズムで奔放にステージを動き回る4人を支え、バンドの屋台骨としての力量を存分に発揮していた。第1部を締めくくる1曲に選ばれたのは「absorb」。真っ白なステージにレーザーで波紋が浮かび上がる演出とともに、5人は未来へ希望をにじませたナンバーを高らかに奏でた。

J(B)

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第2部の幕が上がると、ベートーベンの「ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調『月光』第1楽章」に乗せ、真紅に染まったステージに戻ってきたメンバーたち。RYUICHIの「飛ばしていくぞ!」という咆哮を口火に「ROSIER」が勢いよく始まる。RYUICHIのエネルギッシュなボーカルに呼応するように、Jは間奏のソロパートに力を込め「I am the trigger……いくぞ、武道館!」とシャウト。マイクスタンドを軽々と放り投げ、今までと変わらぬ豪胆なパフォーマンスでオーディエンスを熱狂させる。「Silky Voice」をサブタイトルに冠しながらも、RYUICHIの歌だけでなく、ほかのメンバーのプレイも第2部の序盤から“Naked(剥き出し)”の状態に。「お前たちの思いをこのステージに届けて!」というRYUICHIの言葉に応えるように、観客はシンガロングの代わりに、その手をメンバーに向かって伸ばし、全身でLUNA SEAの音を受け止めた。真矢が刻む軽やかなビートが炸裂する「Dejavu」、SUGIZOの流麗なアルペジオが清涼な空気を紡ぐ「IN SILENCE」に続き奏でられたのは「銀ノ月」。満月のようなミラーボールが煌びやかな光を放つ下で、RYUICHIは美しいファルセットを交えた進化した歌声でオーディエンスの心をとろかしていく。

真矢(Dr)

真矢(Dr)[拡大]

タイトル通り武道館に熱狂の嵐を吹き込んだ「STORM」のあと、RYUICHIは「今日は『Silky Voice』でしたが、1日早く『Naked Voice』は始まりました」と予定以上に白熱してしまったことを明かす。「ライブを続けていかないと、俺たちらしくないというか。どんな時代もともに信じた道を走っていきましょう」と口にした彼が次にタイトルコールしたのは「BLUE TRANSPARENCY」だった。30年以上前に発表された1stアルバムの楽曲を、彼らは最新型のLUNA SEAとして奏でSLAVEを圧倒してみせた。自分たちの信じた道を突き進むという意志を改めて表明するように、第2部の最後に届けられたのは「BELIEVE」。SLAVEの温かな眼差しを受けた5人は、額に汗をにじませ晴れやかな笑顔を浮かべながら、それぞれの楽器を全身全霊で奏でた。

アンコールが始まるとRYUICHIが「俺たちの留守中を温めてくれていた……もうみんなわかってるよね?」と客席に呼びかけ、かまいたちの山内健司率いるLUNA SEAのコピーバンドGACHI SEAをステージに招き入れる。GACHI SEAはかまいたちがさまざまなことにガチで挑戦するバラエティ番組「かまいガチ」から誕生したバンドで、かまいたちの2人とトム・ブラウンジョイマンの高木晋哉、そして本家メンバーでもある真矢によって結成された。RYUICHIに扮した山内は緊張の面持ちで「2カ月間、ガチで練習しました」と語り、Jに扮した高木は「ウレシー、ルナシー!」と自身のギャグを交えながら武道館に立てる喜びをあらわに。トム・ブラウンの布川ひろきは初めて買ったCDが「DESIRE」だったというエピソードを明かしてSLAVEたちの共感を誘う。そんな中でSUGIZOは自身の役を担うかまいたちの濱家隆一の横にパイプ椅子を置き、そのプレイを間近で見守ろうと早々にスタンバイ。LUNA SEAメンバーの期待感と芸人たちの緊張感、SLAVEの興奮といったさまざまな感情が入り混じる中、RYUICHIの「みんなも楽しんでね」というひと言から、GACHI SEAによる「TRUE BLUE」が始まった。

LUNA SEAとGACHI SEAによる「ROSIER」セッションの様子。

LUNA SEAとGACHI SEAによる「ROSIER」セッションの様子。[拡大]

2カ月前はほぼ全員が楽器未経験者だったGACHI SEAだが、真矢を中心とした特訓の成果により出来栄えは上々。SUGIZOは濱家のギターソロを見届けると拍手を送り、満足そうな顔で椅子をステージ袖に移動させていた。本家から太鼓判を押されたGACHI SEAだったが、次の瞬間に山内が「我々GACHI SEAは本日をもって活動休止とさせていただきます」とLUNA SEAが完全復活をしたことで役目を全うできたと述べる。これを受けてRYUICHIは、自分たちの不在中にLUNA SEAを盛り上げてくれた感謝の思いをコラボを通して伝えたいと提案。GACHI SEAが「かまいガチ」でも披露した「ROSIER」を、LUNA SEAとセッションする流れに。山内の「一夜限りですけど、LUNA SEAさんとコラボさせていただきます」という言葉を機にこの日2回目の「ROSIER」がスタート。ステージではボーカリスト2人、ギタリスト4人、ベーシスト2人、ドラマー、ファン役のトム・ブラウンみちおという総勢10名によるカオティックなパフォーマンスが繰り広げられ、感動と笑いが渦巻く不可思議な空間が武道館に生み出される。大役を終えたGACHI SEAの面々を送り出したRYUICHIは「2カ月(で仕上げてきたの)はすごい。最高です」と称賛しつつ、本家としての本領発揮とばかりに「IN MY DREAM (WITH SHIVER)」をふくよかさと強度を増した声で熱唱した。

「やりたいことがたくさん浮かんでいます。もっともっと進化して強くなるし、新しい声を届け続けるので心から(これからのLUNA SEAを)楽しんでください」。そんな言葉でRYUICHIがLUNA SEAのこれからについて宣言したのち、ラストナンバーとして「I for You」が届けられる。「Silky Voice」のタイトルにふさわしい、なめらかで情感のこもったアンサンブルが武道館に広がる中、客席のSLAVEは5人が奏でる音に身を委ねた。

アンコールのメンバー紹介でSUGIZOが「He is phoenix of LUNA SEA」を称したように、この日、自身の武器である喉の手術という困難を経てステージに再び舞い戻ってきたRYUICHI。彼の復活を経て新たなステージに突入したLUNA SEAがこれからどんな音楽を届けてくれるのか期待が高まる。

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LUNA SEA「LUNA SEA 復活祭 -A NEW VOICE- Day1『Silky Voice』」2022年8月26日 日本武道館公演セットリスト

<第1部>
01. WISH
02. PROMISE
03. TWICE
04. MARIA
05. RECALL
06. I'll Stay With You
07. SHINE
08. absorb

<第2部>
01. ROSIER
02. Dejavu
03. IN SILENCE
04. 銀ノ月
05. STORM
06. BLUE TRANSPARENCY(限りなく透明に近いブルー)
07. BELIEVE

<アンコール>
01. TRUE BLUE
02. ROSIER
03. IN MY DREAM (WITH SHIVER)
04. I for You

※「Dejavu」のeはアキュートアクセント、aはグレイヴアクセント付きが正式表記。

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撮影:田辺佳子 / 岡田裕介 / 横山マサト

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ぴかちゅん(GⅠ逆神) @pikachun_1

早く、名古屋でのライブも開催してもらいたい。待ってます。

#LUNASEA
https://t.co/31rol3tOtN

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