ART-SCHOOLが復活!4年ぶりのLIQUIDROOMで告げた「ただいま!」

13

703

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 125 577
  • 1 シェア

ART-SCHOOLが8月24日に東京・LIQUIDROOMでワンマンライブ「ART-SCHOOL LIVE 2022『Just be here now』」を開催した。

「ART-SCHOOL LIVE 2022『Just be here now』」の様子。(撮影:中野敬久)

「ART-SCHOOL LIVE 2022『Just be here now』」の様子。(撮影:中野敬久)

大きなサイズで見る(全10件)

ART-SCHOOLは2019年春から木下理樹(Vo, G)の療養のため活動を休止。今年の5月に活動再開を発表し、7月には4曲入りの新作EP「Just Kids .ep」をリリースした。EPのリリース当日に東京・新代田FEVERで木下と戸高賢史(G)によるアコースティックライブが行われたが、ART-SCHOOLとしてのライブは今回のLIQUIDROOM公演が約3年半ぶり。ART-SCHOOLはこれまで幾度となく立ってきたLIQUIDROOMのステージで初期ナンバーから新曲まで全23曲を披露した。

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)[拡大]

ファンおなじみのSEをバックに木下、戸高、中尾憲太郎(B)、藤田勇(Dr)、そしてサポートメンバーとして初参加のニトロデイ・やぎひろみ(G)がステージに登場。フロアを埋め尽くす満員のオーディエンスは、ART-SCHOOLへの愛にあふれた大きな拍手で5人を迎えた。木下がフライングVをかき鳴らして演奏し始めたのは、2002年にリリースされた1stアルバム「REQUIEM FOR INNOCENCE」の1曲目「BOY MEETS GIRL」。5人体制になって厚みの増したみずみずしいサウンドと、ファンが求めて待っていた木下の唯一無二の歌声がLIQUIDROOMに響き渡った。そのまま彼らは勢いよく「real love / slow dawn」へ突入。衝動に身を任せるようなプレイを繰り広げ、「Promised Land」「ウィノナライダーアンドロイド」と次々と楽曲を披露していく。オーディエンスは1曲ごとにART-SCHOOLが戻ってきた実感を噛み締めるように、5人が奏でるアンサンブルにどっぷりと浸っていた。

左からやぎひろみ(G)、木下理樹(Vo, G)。(撮影:中野敬久)

左からやぎひろみ(G)、木下理樹(Vo, G)。(撮影:中野敬久)[拡大]

「BUTTERFLY KISS」を儚く歌い上げ、木下は「こんばんは。ART-SCHOOLです」と挨拶。「おかえり」という気持ちがこもったような力強い拍手をフロアから受け、木下は「ありがとうございます」とはにかみ、「ステート オブ グレース」をたおやかに奏でた。「YOU」では木下の繊細な歌声にサポートメンバーのやぎのコーラスがそっと重なり、「MISS WORLD」では美しい轟音がステージから放たれる。そして「乾いた花」を演奏したあと、戸高が「こんばんは。約4年ぶりのLIQUIDROOMです。正直もうここでやることもないかなと思ってました、本気で。戻って来れてよかったです」としみじみと語ってファンとの再会を喜んだ。

戸高賢史(G)(撮影:中野敬久)

戸高賢史(G)(撮影:中野敬久)[拡大]

ここからART-SCHOOLは新作EPから「レディバード」「ミスター・ロンリー」を2曲続けてパフォーマンスした。EPは木下が療養中から回復にかけて体験したことや、そこから浮かんできた言葉、イメージを注ぎ込んだ作品。柔らかな歌声と血の通った美しいメロディがオーディエンスの心に寄り添うように響き渡る。ひさしぶりのステージで戸高は「どんな気分なんですか?」と木下に話を振るも、木下はうまく言葉が見つからない様子。戸高が「よかったですね、こんなにたくさんの人が見に来てくれて」と言葉を続けると、木下は「ありがとうございます。楽しんで帰ってくださいね」と不器用ながらに観客に言葉を贈った。

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)[拡大]

「アダージョ」では木下がフライングVを一度置いて4人の晴れやかなサウンドを背に真摯に歌を届け、「SWAN DIVE」では3本のギターが優しく絡み合ってメロディアスな音色を紡いでいく。新曲「柔らかい君の音」では飾り気のない歌声と温かなメロディに観客がじっくりと聴き入り、「クロエ」ではダンサブルなビートとファンキーなサウンドが心地のいい空気を生み出した。疾走感のあるベースからスタートしたのは新作EPの表題曲「Just Kids」。フロアには最新のART-SCHOOLの音でオーディエンスが一斉に手を突き上げて盛り上がる光景が広がった。さらにART-SCHOOLは勢いを加速させるように「スカーレット」「ジェニファー'88」を演奏。なりふり構わない熱いプレイで会場の熱気を一気に引き上げていく。そしてファンにとっては聴きなじみ深いアルペジオが奏でられ、代表曲の1つ「ロリータ キルズ ミー」へ。ハンドクラップで1つになったフロアを前に、木下はフロイングVを高く掲げてからステージを去って行った。

「ART-SCHOOL LIVE 2022『Just be here now』」の様子。(撮影:中野敬久)

「ART-SCHOOL LIVE 2022『Just be here now』」の様子。(撮影:中野敬久)[拡大]

アンコールでは木下が「またステージに立てたらいいなと思ってましたけど、想像以上に時間がかかってしまい、やっと今日を迎えました。メンバーとスタッフと、それから支えてくれたお客様に感謝を述べます。ありがとう」と改めて感謝の思いを伝えた。彼が「アンコールも全力でやりますので、受け止めてください」と演奏を始めようとすると、戸高から「告知があるんですよね?」という言葉が。戸高は「さっき裏で告知の話の段取りを決めたのに……」と苦笑い。マイペースに「このタイミングなんだっけ?」と首を傾げる木下に、戸高が「もうここしかないじゃん。いつ言うの? ジャーン!って終わったあとに『物販ありまーす!』って?」とツッコむという、ART-SCHOOLのライブでは恒例となっている微笑ましいやりとりも見られた。ART-SCHOOLは12月20日に東京・WWW X、24日に大阪・Shangri-Laで次のワンマンライブ「Without You I'm Nothing」を開催することを発表。戸高は「『随分間が開くじゃん』って思ったかもしれないんですけど、その間はアルバムを作りましょう。もっとよくなって、もっとみんなを満足させてあげたいなと思っているので、よろしくお願いします」とファンの期待を煽った。その後、ART-SCHOOLは「シャーロット」「あと10秒で」をプレイ。そしてこれまでもライブの終盤を飾ってきたナンバー「FADE TO BLACK」を眩い光の中で熱演した。

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)[拡大]

5人がステージを去ったあとも、フロアからのクラップは鳴りやまない。再びステージに姿を現した木下は「アンコール、ありがとうございます。言い忘れたことないかなと思ってたんですけど、『ただいま』ということを言い忘れていました。ただいま!」と観客に告げて温かな拍手を浴びた。ラストナンバーは「ニーナの為に」。彼らは活動休止中もファンがずっと求めてやまなかった美しい音を最後まで届け、復活の余韻が残るステージをあとにした。

この記事の画像(全10件)

ART-SCHOOL「ART-SCHOOL LIVE 2022『Just be here now』」2022年8月24日 LIQUIDROOM セットリスト

01. BOY MEETS GIRL
02. real love / slow dawn
03. Promised Land
04. ウィノナライダーアンドロイド
05. BUTTERFLY KISS
06. ステート オブ グレース
07. YOU
08. MISS WORLD
09. 乾いた花
10. レディバード
11. ミスター・ロンリー
12. アダージョ
13. SWAN DIVE
14. 柔らかい君の音
15. クロエ
16. Just Kids
17. スカーレット
18. ジェニファー'88
19. ロリータ キルズ ミー
<アンコール>
20. シャーロット
21. あと10秒で
22. FADE TO BLACK
23. ニーナの為に

ART-SCHOOL LIVE 2022「Without You I'm Nothing」

2022年12月20日(火)東京都 WWW X
2022年12月24日(土)大阪府 Shangri-La

全文を表示

読者の反応

J_ROCKNews @J_ROCKNews

ART-SCHOOLが復活!4年ぶりのLIQUIDROOMで告げた「ただいま!」 https://t.co/nt7ieqIk59

コメントを読む(13件)

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 ART-SCHOOL の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。