レキシの「土偶サスペンス劇場」国際フォーラムで幕!ファン、バンドと描いた奇想天外な物語の結末は

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レキシが7月20日に東京・東京国際フォーラム ホールAで全国ツアー「レキシツアー2022 土偶サスペンス劇場~消えたレキシ男爵~」のファイナル公演を行った。

レキシ(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])

レキシ(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])

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レキシがバンド編成で行うツアーは、2019年の「アナザーレキシ~あなたの知らないレキシの世界~」以来、約2年半ぶり。全国18カ所、20公演にわたるツアーの終着地となった会場の国際フォーラム ホールAには、お馴染みのライブグッズ「光る! INAHO」を手にしたファンが詰めかけ、満員の観客の期待感が充満する中でこの日のライブは幕を開けた。

「土偶サスペンス劇場~消えたレキシ男爵~」というタイトルが示す通り、レキシが主演するサスペンスドラマ仕立てのVTRとライブパフォーマンスが同時進行で展開していった今回のツアー公演。開演時刻を迎えるとステージ上のスクリーンには、もう中学生演じるレキシ男爵夫人と元気出せ!遣唐使(Key / 渡和久 from 風味堂)演じる小間使いが男爵邸の一室で過ごす姿が映し出された。男爵夫人考案の「おりょう・十両ゲーム」で遊ぶ2人が聞いたのはレキシ男爵の悲鳴。2人は急いで男爵の自室に駆けつけるも、男爵の姿はそこにはなかった。

謎に満ちたプロローグを経て明転したステージ上には洋館風のセットが組まれ、その上部には土偶のレリーフと豪華なシャンデリアが輝いている。「土偶サスペンス劇場」大階段の奥の幕が開き、姿を見せたレキシがオープニングナンバーとして届けたのは「ギガアイシテル」。「物語が今はじまる」「今宵も宴がはじまる」と歌うこの曲でオーディエンスの高揚感を煽ると、彼は「ファイナル、行こうか! 東京ー!」と思い切り叫んだ。

レキシ(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])

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続く「KATOKU」では、ステージ上から放たれる軽快なサウンドを楽しむ観客がリズミカルに拳を上げて盛り上がる。2曲目にして強い団結力を見せる客席へ向け、レキシは「みんな今日もダサいよー! ダサさをありがとう!」と笑顔を見せた。このレキシなりの“愛情表現”にファンの熱狂が加速する中でスタートした3曲目の「姫君Shake!」では、レキシのライブでは恒例の“脱線タイム”がさっそく設けられ、レキシとバンドは各地のツアー会場で披露したネタから選りすぐった“ベスト3”だという「銀河鉄道999」(岩手公演)、「マツケンサンバII」(愛知公演)、「涙のリクエスト」(福岡公演)を曲の間奏に披露。中でも、レキシと元気出せ!遣唐使が軽快な“サンバステップ”を踏んだ「マツケンサンバII」には、客席からひときわ大きなリアクションが寄せられていた。

レキシは「ホールツアーは約2年半ぶりで、いったいどうなることやらと思っていたんですけど……この盛り上がり! 本当にありがとうございます!」と、3曲を終えてのMCで挨拶。そして「今日もいますね、たくさん……(笑)」と、「光る! INAHO」を手に集まった大勢のファンを見つめた。ここで届けられたのは「光る! INAHO」が大活躍するライブ定番曲の「狩りから稲作へ」。コロナ禍以前は多彩なコール&レスポンスで大きな笑いと一体感が生まれていたこの曲で、観客は声の代わりにINAHOに思いを託す。客席一面、リズミカルに揺れるINAHOの光は、レキシの熱唱に文字通りの輝きを添えていた。

最新アルバム「レキシチ」に収録されている“縄文つながり”の楽曲「縄文ロンリーナイト」へと展開すると、オーディエンスはINAHOを光らせたまま、健介さん格さん(G / 奥田健介 from NONA REEVES)が奏でるメロウなギターとTAKE島流し(Sax, Flute / 武嶋聡)の艷やかなフルートの音色に耳を傾ける。「Let's FUJIWARA」「GOEMON」とダンサブルなナンバーが続いたパートでは、大階段を駆け上がったレキシが軽快かつダイナミックな身のこなしを見せるダンスタイムも。歌と演奏、軽妙なトークだけに留まらないレキシのエンタテイナーぶりは、曲数を重ねるたびにクライマックスを迎えたような盛り上がりを醸成してゆく。

「鬼の副長HIZIKATA feat. ぼく、獄門くん」のパフォーマンスの様子。(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])

「鬼の副長HIZIKATA feat. ぼく、獄門くん」のパフォーマンスの様子。(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])[拡大]

そんな会場の高揚感を加速させるべく、「鬼の副長HIZIKATA」でステージ中央に躍り出たのは元気出せ!遣唐使とTAKE島流し。新選組の羽織を着た2人は曲中に登場する“ひじ・かた”ダンスを観客にレクチャーする役目を担うだけでなく、ハードなメタル調のサウンドに乗ってレキシとともにヘッドバンギング。3人の熱のこもった大立ち回りに、ファンも息ぴったりのダンスで応える。隊服から十二単へと衣装を早替えしての「SHIKIBU」でオーディエンスの体を楽しげに揺らしたレキシは、続けて「レキシチ」からドラマティックなバラードナンバー「マイ草履」をドロップ。元気出せ!遣唐使によるメロディアスなキーボードをバックに、織田信長の切ない思いを情感豊かな歌声で描き出すレキシの姿に、客席からは惜しみない拍手が送られていた。

レキシ(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])

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古畑任三郎ならぬ“池畑任三郎”がレキシ男爵失踪事件の謎をいっそう深めたVTRを経て、ライブは後半へ。男爵の衣装に着替えてステージに再登場したレキシは、「たぶんMaybe明治」「大奥~ラビリンス~」と、得意のファンクナンバーを2曲続けて披露する。2台のミラーボールがまばゆい光でステージと客席を照らし出す中、ファルセットボイスを駆使した抜けのいいボーカルを聴かせるレキシ。ステージ上から放たれるパワフルで心地よいグルーヴに、オーディエンスの体も自然と揺れる。そして、続く「ほととぎす」でファンに着席を促したレキシは、「レキシサスペンス劇場」の劇中と同じ小間使いの衣装を着た元気出せ!遣唐使とのデュエットでこの曲を披露した。ごくごくシンプルに削ぎ落とされたピアノアレンジは歌声をぐっと際立たせ、2人は美しいハーモニーをホールいっぱいに響かせる。まさに男爵と従者のような抜群のコンビ感で、長きにわたってファンを笑顔にしてきた2人だからこその息の合ったかけ合いに、聴衆はじっくりと耳を傾けていた。

今年4月にNHK BS「The Covers」に初出演を果たしたことを記念し、「年貢 for you」はオンエアで披露されたスペシャルバージョンとして、The Beatles「Let It Be」、ゴダイゴ「ビューティフル・ネーム」、さだまさし「道化師のソネット」「北の国から 遙かなる大地より~螢のテーマ」をマッシュアップした形で届けられた。米俵を手に朗々と歌い上げるレキシと、彼の自由なパフォーマンスにフレキシブルな対応を見せるバンドの確かなチームワークが発揮されたところで、ライブはクライマックスへ。レキシは改めてファンと向き合い「こんなにスッキリしない状況の中、ここへ来ようと思ってくれたことだけで感謝でございます! 3年前と……いつもと変わらない盛り上がりをありがとうございました!」と感謝を伝える。そして、彼が「まだまだスッキリしないけど、これからも空を見上げていこうよー!」と叫ぶと、レキシの頭上のミラーボールがキラキラと光を放つ。エコーをたっぷりと効かせたフェイクを合図にスタートしたのは「きらきら武士」。扇子で客席を煽りながら、ステージの端から端まで駆け抜けるレキシのエネルギッシュなパフォーマンスは、会場の床が大きく揺れるほどのオーディエンスの熱狂を作り出した。

レキシとイルカの吉尾太郎。(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])

レキシとイルカの吉尾太郎。(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])[拡大]

最高潮の盛り上がりの中でレキシとバンドメンバーがステージから姿を消すと、スクリーンには最後のVTRが。この“解決編”には池越英一郎(レキシ)とやつひらなぎさ(やついいちろう / エレキコミック)が登場し、レキシ男爵を誘拐した真犯人は、イルカのヨシオくんこと吉尾太郎だったことが明かされた。コロナ禍以前は「KMTR645」で客席を自由に泳いでいたイルカの浮き輪・ヨシオくん。現状ではそれが叶わず、自身の出番が失われたと思ったことが犯行の動機だったが、レキシ男爵はヨシオくんのことを思い、ハンディタイプの新たなライブグッズ「フレ!フレ!ヨシオ棒」を開発していた。ヨシオくんの誤解が解けて物語はハッピーエンドと思われたが、登場人物たちが目にしたのはヨシオくんが仕掛けた時限式のダイナマイト。カウントダウンで爆破が迫り、絶体絶命……と思われたところでステージに姿を見せたのは、さわやかなカジュアルウェアを身にまとったレキシと、健介さん格さん、元気出せ!遣唐使、ヒロ出島(B / 山口寛雄)、 伊藤に行くならヒロブミ(Dr / 伊藤大地)、TAKE島流し、 元妹子(Tp / 村上基 from 在日ファンク) からなるバンドメンバーの6人。どうやらBTSのメンバーに扮しているらしき7人は、レキシの「Dynamite!」という声を合図に、BTS「Dynamite」のダンスパフォーマンスを披露してみせた。

「KMTR645 feat. ネコカミノカマタリ」のパフォーマンスの様子。(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])

「KMTR645 feat. ネコカミノカマタリ」のパフォーマンスの様子。(撮影:聖徳太郎[田中聖太郎])[拡大]

衝撃の展開に客席が騒然とする中、BTSメンバーを彷彿とさせる自己紹介でさらなるざわめきを誘った7人。誰もが予想だにしなかった物語の結末に驚きと笑いが広がる中、ライブは「KMTR645」で締めくくられた。ステージにはヨシオくんも登場し、「フレ!フレ!ヨシオ棒」を手にするファンを鼓舞。レキシが「みんなでヨシオ棒振りながら、盛り上がっていきましょうー!」と言うと、客席には無数のヨシオくんが飛び跳ねる壮観が広がった。演奏だけでなくダンスもこなす鉄壁のバンドメンバー、レキシへの思いあふれるヨシオくん、個性的なライブグッズを駆使しながら熱狂の空間を作り上げるファン、そして座長のレキシ、オールキャストで作り上げられた奇想天外な「土偶サスペンス劇場」はこれにて閉幕。約3時間の熱演を繰り広げたレキシは、客席最上層まで大きく手を振り、充実感いっぱいにステージをあとにした。

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レキシ「レキシツアー2022 土偶サスペンス劇場~消えたレキシ男爵~」2022年7月20日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

01. ギガアイシテル
02. KATOKU
03. 姫君Shake!
04. 狩りから稲作へ
05. 縄文ロンリーナイト
06. Let's FUJIWARA
07. GOEMON
08. 鬼の副長HIZIKATA
09. SHIKIBU
10. マイ草履
11. たぶんMaybe明治
12. 大奥~ラビリンス~
13. ほととぎす
14. だって伊達
15. 年貢 for you
16. きらきら武士
17. KMTR645

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※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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