“はじまり”から書き下ろしの新曲まで、miletが歌で濃密な軌跡をたどったデビュー3周年ライブ

miletのデビュー3周年記念ライブ「milet 3rd anniversary live "INTO THE MIRROR"」が昨日7月20日に東京・東京ガーデンシアターにて行われた。

2019年3月にドラマ主題歌にもなった「inside you」を収録したEPでデビューを飾ったmilet。洋楽的なアプローチを取り入れた洗練されたサウンドと、新人離れした迫力あるボーカルが話題を集め、以降も数々のアニメやドラマ、映画の主題歌を手がける中でリスナー層を着実に拡大してきた。さらに2021年には「東京2020オリンピック」閉会式で世界に向けてパフォーマンスを披露するなど、まだデビュー4年目とは思えないほどの濃密な軌跡は多くの人が知るところ。そんな彼女のアニバーサリーライブには、さまざまな形でその歌声に出会った老若男女の幅広い層のファンが集結。miletがこれまでリリースしてきたナンバーを、多彩な照明および映像の演出とともに味わい尽くした。

タイトルの「INTO THE MIRROR」にちなんで鏡を模したLEDスクリーンにオープニング映像が映し出されたのち、ステージに現れたのはパンツルックのmilet。彼女は自身の楽曲の中でもひときわポップな「us」を伸びやかに歌い上げ、アニバーサリーライブの幕を開けた。「みんな会いたかったよー！」。弾けるような笑顔でそう叫んだ彼女が次に披露したのは、ダンサブルな「SEVENTH HEAVEN」。そこから「Flare」「Who I Am」「Ordinary days」と前向きなメッセージを伝える開放感のあるポップチューンが続き、会場は明るい空気で包まれていく。

「待っててくれてありがとう。今日は最後までスタミナが必要なライブになると思うんですが、一緒に楽しんでください」と観客に語りかけたmiletは、エレクトロサウンドのアプローチを取り入れた「Castle」「Love When I Cry」をパフォーマンスし、それまでの朗らかなムードをチルアウトさせる。その後、黒と濃いグレーを基調とした衣装に着替えた彼女は、スリリングで洗練されたトラックと、クールなボーカルで聴かせる「My Dreams Are Made of Hell」を皮切りに、ダークで静謐な世界を描くナンバーを連投。ライブの序盤が陰陽の“陽”だったとすれば、“陰”の一面をあらわにするようなパフォーマンスで、オーディエンスを深淵なmiletワールドへと導いていく。さらにこのブロックでは、ライブのために作ったという新曲「Into the Mirror」が万華鏡のような映像を交えて披露され、miletはハイトーンを聴かせたかと思えば、次の瞬間には激情をはらんだパワフルな歌声を轟かせ、1曲の中でさまざまな表情を見せた。

ライブの後半戦を彩ったのは「Again and Again」をはじめとするアップテンポな楽曲の数々。miletの爽快なボーカルとサポートメンバーが紡ぐ軽快なアンサンブルをオーディエンスは体で受け止め、心地よさそうに体を揺らす。その楽しげな姿に応えるようにmiletのテンションも上がっていき、「You & I」では弾むような声でファンへの愛をてらいなく歌い上げた。彼女のファンへの熱い思いはMCでも炸裂。「3周年はデビュー記念の数字ですが、私はみんなと出会えた記念の数字だと思っています」「4年目はみんなからもらった愛を全力で返していきたい！」と誓うと、自身の“はじまり”であるデビュー曲「inside you」を真紅の羽が降り注ぐ中で堂々と届けた。

アンコールの1曲目で「Prover」をピアノで弾き語るという新しい挑戦を見せたのち、miletはZeppツアーの開催や、ニューシングル「Always You」のリリースなど、自身の“これから”に関する情報を立て続けに告知。さらに二宮和也が主演を務める映画「TANG タング」の主題歌として書き下ろした「Always You」を初パフォーマンスする太っ腹ぶりでファンを喜ばせた。短いようで長かったというデビューからの月日を振り返りながら、miletはファンの存在が自身の活動の原動力になっていることを明かす。そして「愛してます！ 今日一番ハッピーな景色を見せてください！」という言葉を合図に、金テープが客席に放たれ、ラストナンバーの「Rewrite」へ。祝福ムード一色に染まるステージで、miletはファン1人ひとりに語りかけるように、ときには投げキッスをしながら熱唱を繰り広げる。「4年目もよろしく！」という言葉をもって、デビュー4周年に向けて“出帆”した。