大橋トリオ15周年ツアーで何度も演奏してきた曲の新たな可能性を発見、楽しすぎて我を忘れる

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大橋トリオのデビュー15周年を記念したホールツアー「ohashiTrio HALL TOUR 2022」が、7月8日に東京・昭和女子大学人見記念講堂でツアーファイナルを迎えた。

大橋トリオ(撮影:勝永裕介)

大橋トリオ(撮影:勝永裕介)

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「そんなことがすてきです。」を歌う大橋トリオ(左)とTHE CHARM PARK(右)。(撮影:勝永裕介)

「そんなことがすてきです。」を歌う大橋トリオ(左)とTHE CHARM PARK(右)。(撮影:勝永裕介)[拡大]

開演時間を過ぎると幕の降りたままのステージに、大橋とバックバンドのギタリストであるTHE CHARM PARKが、アコースティックギターを肩から下げて登場。2人はギターを静かに爪弾きながら「そんなことがすてきです。」で美しいハーモニーを響かせる。続けて彼らが「Happy Trail」を歌い始めると、ステージの幕がゆっくりと上昇し、そこには楽器を構えた神谷洵平(Dr)、須長和広(B)、小林創(Piano, Key)、武嶋聡(Sax, Flute)の姿が。ドラマチックなオープニングに、客席から大きな拍手が湧き上がった。さらに大橋は楽器をキーボードにチェンジし、アップテンポなダンスチューン「GIFT」を披露。序盤からバラエティ豊かな展開で、観客は大橋の持つ世界観に引き込まれていく。

「ohashiTrio HALL TOUR 2022」昭和女子大学人見記念講堂公演の様子。(撮影:勝永裕介)

「ohashiTrio HALL TOUR 2022」昭和女子大学人見記念講堂公演の様子。(撮影:勝永裕介)[拡大]

「SHE」が終わると大橋は、観客に鍵盤ハーモニカを取り出すように促した。2月に発売されたデビュー15周年記念ベストアルバム「ohashiTrio best Too」の、HMV・mu-moショップ限定販売盤には大橋トリオのオリジナルモデルの鍵盤ハーモニカが特典として付いており、あらかじめTwitterの大橋のスタッフアカウントで会場にこれを持参するように呼びかけていたのだ。バンドがアンビエント風のサウンドを演奏する中、鍵盤ハーモニカを持っている観客は大橋の指示通り「ド」「ファ」「ソ」のいずれか1音を長く吹く。バンドメンバーとオーディエンスの共演により、会場中が美しい和音で包まれた。さらに大橋は「鳥のように」でも「2番のサビか終わったらまたこれを吹いて」と、観客とのセッションを提案していた。

大橋トリオ(撮影:勝永裕介)

大橋トリオ(撮影:勝永裕介)[拡大]

大橋はその後「15年もやっていると、同じことを続けているのはどうなんだろうと感じる」「進化しないと長くはやっていけない」と思いを述べ、このライブでは今まで何度も演奏してきた曲の新しい可能性を探ると説明。ここからライブは“80'sメドレー”と題したコーナーに突入した。「立って踊られてはいかが?」と観客に呼びかけて始まった「ポラリス」では、大橋はボコーダーの演奏を披露。須長が1981年生まれというのにちなんでサブタイトルが付けられた「LADY(1981)」は、音源化されている「Lady」や「Lady(2020)」とはひと味違ったムーディでアーバンな仕上がりに。優雅なジャズナンバー「angle」では各メンバーが確かな演奏力を観客に見せつけた。

大橋トリオ(撮影:勝永裕介)

大橋トリオ(撮影:勝永裕介)[拡大]

「Lamp」「はじまりの唄」と、聴く者の胸を打つようなバラードが続いたのち、一転してバンドは「THUNDERBIRD」「GOLD FUNK」といったダンサブルなファンクチューンを連発。グルーヴィな演奏で再び観客の体を揺らした。「GOLD FUNK」曲中のメンバー紹介では、1人ひとりたっぷり時間を使って、卓越したスキルをアピールするようなソロ回しを展開。特に神谷のこってりした過剰なプレイに対して、大橋は「ちょっとやりすぎだよ」と笑って注意しつつ、このライブが楽しくてついやりすぎてしまうと弁解した。そして最後に大橋は、星空のような照明を背にしてピアノを弾きながら、しっとりと「虹とカイト」を歌い上げた。

アンコールでのマイク1本を前にしたアコースティックライブ。(撮影:勝永裕介)

アンコールでのマイク1本を前にしたアコースティックライブ。(撮影:勝永裕介)[拡大]

アンコールが始まると、再び大橋とTHE CHARM PARKが2人きりでステージに登場。このツアーでは各会場ごとにその土地のご当地ソングを演奏してきたが、東京公演ではこの2人でマイクスタンド1本を前にアコギを弾きながら、The Milk Carton Kidsの曲を即興で披露した。歌い終えた大橋は「楽しすぎて、我を忘れてやっていました」とこの日を振り返り、「来年のツアーでもまた何か面白いことをやりたいと思っています」と宣言。そしてこの日の会場である人見記念講堂の倍以上のキャパを誇る東京・東京国際フォーラム ホールAで、11月3日にワンマンライブ「TRIO ERA 2」を開催することを告知した。

「ohashiTrio HALL TOUR 2022」昭和女子大学人見記念講堂公演の様子。(撮影:勝永裕介)

「ohashiTrio HALL TOUR 2022」昭和女子大学人見記念講堂公演の様子。(撮影:勝永裕介)[拡大]

その後ほかのバンドメンバーも合流し、引き続きマイク1本を前にしたアコースティックライブを6人で実施。音を重ねる楽しさに浸りながら、Americaの「A Horse With No Name」「I Need You」を笑顔でカバーした。そして1人でステージに残った大橋はピアノに腰掛けて「楽しくやりすぎて、すごいボリュームになってしまいました」と苦笑。スポットライトを浴びながら、ピアノで「タイムマシーン」を弾き語りし始めた。しかしこのまま終わるのかと思いきや、バンドメンバーたちが1人また1人と定位置に戻って音を鳴らし始め、「タイムマシーン」は徐々にバンドサウンドに。曲の終盤になると力強い演奏が観客を圧倒し、感動的なエンディングを迎える中でオーディエンスは総立ちになって拍手で6人を称えた。

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大橋トリオ「ohashiTrio HALL TOUR 2022」2022年7月8日 昭和女子大学人見記念講堂 セットリスト

01. そんなことがすてきです。
02. Happy Trail
03. GIFT
04. SHE
05. 鳥のように
06. ポラリス
07. LADY(1981)
08. angle
09. Lamp
10. はじまりの唄
11. THUNDERBIRD
12. GOLD FUNK
13. 虹とカイト
<アンコール>
14. A Horse With No Name(America)
15. I Need You(America)
16. タイムマシーン

大橋トリオ「TRIO ERA 2」

2022年11月3日(木・祝)東京都 東京国際フォーラム ホールA

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