a flood of circle、キャリアを総括するセットリストで挑んだ「伝説の夜を君と」ファイナル

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a flood of circleが7月8日にライブツアー「Tour 伝説の夜を君と」の最終公演として、初のホールワンマンライブを東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催した。

「Tour 伝説の夜を君と」 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演の様子。(撮影:新保勇樹)

「Tour 伝説の夜を君と」 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演の様子。(撮影:新保勇樹)

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最新アルバム「伝説の夜を君と」を携えて今年2月から全国を回っていたa flood of circle。各地のライブハウスを舞台にした巡業を経て行われたLINE CUBE SHIBUYA公演で彼らは、2009年リリースのメジャー1stアルバムの収録曲から先日リリースした新曲まで、そのキャリアを総括するようなセットリストをもとに2時間のロックンロールショーを繰り広げた。

佐々木亮介(Vo, G)(撮影:新保勇樹)

佐々木亮介(Vo, G)(撮影:新保勇樹)[拡大]

暗転と同時にBeck, Bogert & Appiceの「Superstition」が流れ出し、渡邊一丘(Dr)、アオキテツ(G)、HISAYO(B)が観客のクラップを浴びながらステージへ。最後に現れた佐々木亮介(Vo, G)が力強く「おはようございます。a flood of circleです」と挨拶したことを機に、オープニングナンバーとして奏でられたのは最新アルバムより「A」。メンバーは豪快なアンサンブルを響かせ、初のホール公演の狼煙を勢いよく上げる。さらに4人は間髪をいれずにキラーチューン「Dancing Zombiez」を筆頭に、「Blood Red Shoes」「狂乱天国」など血湧き肉躍るようなロックナンバーを投下。ライブ序盤からギアをトップに入れ、エンジン全開のパフォーマンスで客席を埋め尽くすオーディエンスを圧倒していった。

渡邊一丘(Dr)(撮影:新保勇樹)

渡邊一丘(Dr)(撮影:新保勇樹)[拡大]

HISAYOが軽やかにステップを踏みながら、うねるようなグルーヴを作り出す一方、渡邊はコーラスをしながら猛るようなビートを刻み、アオキはノイジーで奔放なギターを奏でる。火花を散らすような3人の音を背に受けながら佐々木は、情熱的なハスキーボイスで熱唱。4人は初のホールワンマンとは思えぬ堂々としたステージングでたちまちオーディエンスの心を掌握した。「ここを日本一のパーティにしよう……パーティにようこそ」という佐々木の誘い文句に続いたのは「Welcome To Wonderland」。軽快でダンサブルなリズムに乗せて、佐々木とアオキが息の合ったパフォーマンスを展開してa flood of circle流の“ワンダーランド”へと観客を誘う。

HISAYO(B)(撮影:新保勇樹)

HISAYO(B)(撮影:新保勇樹)[拡大]

「一番好きなグミは何?」。そんな唐突な佐々木の質問から始まった中盤戦。彼は「俺は『ハリボー』」と明かし、その原産国がハンガリーであることをこの日初めて知ったことを告白する。「この世の中のことを何も知らないんだなと思ってうれしくなりました。大体のことが『こんなハズじゃなかった』ということですけど、今日楽しくするのが俺たちなんで、任せてください」と胸を張った。激しい曲が連なった前半戦から一転して、このブロックでは「月に吠える」を皮切りに、しっとりしたミディアムナンバーや「R.A.D.I.O.」「バタフライソング」といったメジャーコードを多用したご機嫌なロックチューンを立て続けに披露した4人。ライブの定番曲として君臨している「プシケ」ではメンバー紹介が行われ、それぞれがスポットライトを浴びながら“四者四様”のソロ回しでその存在感をアピールする。最後に佐々木が「a flood of circleです!」と叫ぶと、盛大な拍手がホールにこだました。

アオキテツ(G)(撮影:新保勇樹)

アオキテツ(G)(撮影:新保勇樹)[拡大]

「白状」を歌う佐々木亮介(Vo, G)。(撮影:新保勇樹)

「白状」を歌う佐々木亮介(Vo, G)。(撮影:新保勇樹)[拡大]

2021年リリースの「北極星のメロディー」と2009年リリースの「シーガル」という新旧の楽曲を続けバンドの変遷を披露したのち、佐々木はおもむろにピアノの前に座り、混迷を続けるウクライナ情勢や安倍元首相が銃弾に倒れたこの日の事件について言及。自身の誕生日が「非暴力」「不服従」を生涯にわたって掲げたマハトマ・ガンジーと同じであることを口にすると、不安だらけの世界においても自身が好きだと思えることを貫く意思、そしてメンバーやファン、スタッフへの感謝の思いを告げる。そして、丁寧な手つきでピアノを弾きながら、タイトルさながらに自身の愚直な心情をつづった「白状」を全身全霊で絶唱。真に迫る歌声を後押しするように渡邊、アオキ、HISAYOの奏でる音が重なり、深くしみじみとした空気を作り出した。

「Tour 伝説の夜を君と」 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演の様子。(撮影:新保勇樹)

「Tour 伝説の夜を君と」 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演の様子。(撮影:新保勇樹)[拡大]

「ピークのようで始まりに過ぎない夜を」と歌う、ツアータイトルにも冠された「伝説の夜を君と」をもって本編は終了するも、すぐさま4人はステージに舞い戻り最新曲「花火を見に行こう」でアンコールをスタート。歌詞をスクリーンに映し出す演出とともにこの曲を届けたのち、観客への愛を伝えるように「I LOVE YOU」をプレイした。これでライブは大団円かと思われたが、メンバーが去ると同時に初のフリーライブやライブツアー「Tour FUCK FOREVER & I'M FREE」の開催、この日のライブが映像作品化されることが一挙に発表されファンは大喜び。「THANK YOU」の文字を背に三度ファンの前に戻ってきたa flood of circleの面々が爆音で奏でたのは「Beast Mode」。「Don't wait wait Beast mode 暴れろ」と叫ぶ1曲を叩き込み、まだバンドとして落ち着くつもりがないことを印象付けて4人は「Tour 伝説の夜を君と」に幕を下ろした。

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a flood of circle「Tour 伝説の夜を君と」2022年7月8日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演セットリスト

01. A
02. Dancing Zombiez
03. クレイジー・ギャンブラーズ
04. Blood Red Shoes
05. 狂乱天国
06. Rex Girl
07. Welcome to Woderland
08. 月に吠える
09. 世界が変わる日
10. ブレインデッド・ジョー
11. バタフライソング
12. 春の嵐
13. R.A.D.I.O.
14. テンペスト
15. プシケ
16. 北極星のメロディー
17. シーガル
18. 白状
19. 伝説の夜を君と
<アンコール>
20. 花火を見に行こう
21. I LOVE YOU
22. Beast Mode

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a flood of circle 公式 @afoc_official

【ライブレポUP】

Tour 伝説の夜を君と at LINE CUBE SHIBUYA

ライブレポがUPされました!
写真も多数掲載しておりますので是非チェックを!

photo by @shimboyuki

#フラッド #伝説の夜を君と #花火を見に行こう https://t.co/sBzqTCqc0d

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