山中さわお、ロックンロールとともに熱狂の渦を駆け抜けた全国ツアーファイナル

12

557

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 119 436
  • 2 シェア

山中さわおthe pillows)のソロツアー「MUDDY COMEDY TOUR」の最終公演が7月5日に東京・Spotify O-EASTで開催された。

「MUDDY COMEDY TOUR」ツアーファイナルの様子。(Photo by ATSUKI IWASA)

「MUDDY COMEDY TOUR」ツアーファイナルの様子。(Photo by ATSUKI IWASA)

大きなサイズで見る(全10件)

今年3月にソロアルバム「Muddy comedy」をリリースした山中。このツアーは、アルバムのリリースを記念して開催されたもので、5月より全国18カ所にてライブが行われた。

「MUDDY COMEDY TOUR」ツアーファイナルの様子。(Photo by ATSUKI IWASA)

「MUDDY COMEDY TOUR」ツアーファイナルの様子。(Photo by ATSUKI IWASA)[拡大]

大きな拍手の音を浴びながら、関根史織(B / Base Ball Bear、stico)、木村祐介(G / ArtTheaterGuild)、楠部真也(Dr / Radio Caroline)とともに姿を現した山中は、「ロックンロールを楽しもう」と観客にひと言声をかけ、「タンブルウィード・ストーリー」でライブをスタート。そのまま4人は「Peacock blue (is calling me)」「The Devil's Pub」と軽快なロックチューンを畳みかけ、波打つフロアの揺れを増大させていく。その後山中は「ひさしぶりじゃないか。みんな元気そうでうれしいよ」と語りかけ、大きな拍手が起きるフロアを感慨深そうに眺め回す。6曲目の「Slide in tomorrow!」では熱を帯びたハンドクラップが会場に鳴り響く中「敵がいるなら戦うぜ」というフレーズでけたたましいシャウトを轟かせた。

ここまで7曲を演奏し、ひと息ついた山中は、一切引くことのない会場の熱を感じ取り「どうしたんだよ! 俺たち喜んでます」とはにかみながら喜びをあらわにする。その後彼は「今一番いかがわしい歌を歌うよ」と、山中らしいシニカルな歌詞がつづられた「愛のパラダイス」を披露。さらにアップテンポなロックナンバー「Desert me」がドロップされると、会場は熱狂の渦に包み込まれた。

山中さわお(Photo by ATSUKI IWASA)

山中さわお(Photo by ATSUKI IWASA)[拡大]

「Irritations」で一時しっとりした空気にクールダウンさせた山中は、ギターを置き「音楽にもいろんなタイプのものがあるじゃないか。ただ楽しいだけのファンキーなものとか、内面をさらけ出すようなシリアスなものとか。次の曲は俺の魂の叫びだ」とハンドマイクで「Muddy comedy」をパフォーマンス。関根が奏でるファンキーなベースラインに、木村が刻むエッジィなカッティング、楠部による軽快なビートがひとつになる中、山中はステージを所狭しと動き回りマイク1本で歌唱する。その後も4人は休むことなく「Bottoms up!」からカントリーテイストの楽曲「Absurd Song」へと続け、ローテンポのナンバー「ベンジャミンの朝」をゆったりとパフォーマンス。「イザベルの朝」では、伸びやかな歌声がライブハウス中に響き渡った。

山中さわお(Photo by ATSUKI IWASA)

山中さわお(Photo by ATSUKI IWASA)[拡大]

ライブ後半に山中は、これまでのアーティスト人生を振り返りながら「キャリアや肩書きがあっても、間違ったことを言うやつがたくさんいるんだ。俺は今までそういうやつに従ってこなかった。従わなかったおかげで君たちに会えたと思ってる。肩書きとかキャリアに心を汚されちゃいけない。その世界はキミのものだ!」と語り「その世界はキミのものだ」を披露。さらに「ヒルビリーは かく語りき」「Mallory」が畳みかけられると、後半に向けてヒートアップする4人の演奏に、観客はハンドクラップで応えた。本編ラストに4人は「リーガル ラビッシュ」をパフォーマンスし、颯爽と舞台を去って行った。

「MUDDY COMEDY TOUR」ツアーファイナルの様子。(Photo by ATSUKI IWASA)

「MUDDY COMEDY TOUR」ツアーファイナルの様子。(Photo by ATSUKI IWASA)[拡大]

アンコールの拍手に応えて再び登場した4人は「サナトリウムの長い午後」「アインザッツ」をパフォーマンス。そして舞台に1人残った山中は「たぶんこれからまた新曲を作るだろう。そして何度も何度もステージに立つ。ということは、まだ知らない最高を味わうのかもしれない。というか味わってみせる。そこには君たちが必要なんだ。God bless you! God bless me!」と熱い眼差しで語りかけステージをあとにした。その後も鳴り止まない拍手の音を受け、ライブはダブルアンコールに突入。山中は今回のツアーを振り返ったのち、「本当に楽しかったな。ツアーを重ねるにつれて、みんながみるみる元気になっていくのがわかってうれしかったよ」と語り「Buzzy Roars」を披露する。4人での演奏を心底楽しんでいるような晴れやかな顔でパフォーマンスを終え、最後は1人でthe pillowsの「Please Mr.Lostman」を弾き語り。「今の心の中をうまく伝えきれてないんだけど、すごくいいツアーだった!」という率直な感想に会場から大きな拍手が送られ、18公演にわたるソロツアーが閉幕した。

関連する特集・インタビュー

この記事の画像(全10件)

山中さわお「MUDDY COMEDY TOUR」2022年7月5日 Spotify O-EAST

01. タンブルウィード・ストーリー
02. Peacock blue (is calling me)
03. The Devil's Pub
04. 壁の穴と少年
05. オルタナティブ・ロマンチスト
06. Slide in tomorrow!
07. POP UP RUNAWAYS
08. 愛のパラダイス
09. Desert me
10. Irritations
11. Muddy comedy
12. Bottoms up!
13. Absurd Song
14. ベンジャミンの朝
15. イザベルの朝
16. その世界はキミのものだ
17. ヒルビリーは かく語りき
18. Mallory
19. リーガル ラビッシュ
<アンコール>
20. サナトリウムの長い午後
21. アインザッツ
<ダブルアンコール>
22. Buzzy Roars
<トリプルアンコール>
23. Please Mr.Lostman

全文を表示

読者の反応

たまお @cherrytamax

円盤出たら絶対買います
https://t.co/7EA7N9W1mZ

コメントを読む(12件)

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 山中さわお / the pillows / 関根史織 / Base Ball Bear / Radio Caroline の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。