今年3月にソロアルバム「Muddy comedy」をリリースした山中。このツアーは、アルバムのリリースを記念して開催されたもので、5月より全国18カ所にてライブが行われた。
大きな拍手の音を浴びながら、
ここまで7曲を演奏し、ひと息ついた山中は、一切引くことのない会場の熱を感じ取り「どうしたんだよ! 俺たち喜んでます」とはにかみながら喜びをあらわにする。その後彼は「今一番いかがわしい歌を歌うよ」と、山中らしいシニカルな歌詞がつづられた「愛のパラダイス」を披露。さらにアップテンポなロックナンバー「Desert me」がドロップされると、会場は熱狂の渦に包み込まれた。
「Irritations」で一時しっとりした空気にクールダウンさせた山中は、ギターを置き「音楽にもいろんなタイプのものがあるじゃないか。ただ楽しいだけのファンキーなものとか、内面をさらけ出すようなシリアスなものとか。次の曲は俺の魂の叫びだ」とハンドマイクで「Muddy comedy」をパフォーマンス。関根が奏でるファンキーなベースラインに、木村が刻むエッジィなカッティング、楠部による軽快なビートがひとつになる中、山中はステージを所狭しと動き回りマイク1本で歌唱する。その後も4人は休むことなく「Bottoms up!」からカントリーテイストの楽曲「Absurd Song」へと続け、ローテンポのナンバー「ベンジャミンの朝」をゆったりとパフォーマンス。「イザベルの朝」では、伸びやかな歌声がライブハウス中に響き渡った。
ライブ後半に山中は、これまでのアーティスト人生を振り返りながら「キャリアや肩書きがあっても、間違ったことを言うやつがたくさんいるんだ。俺は今までそういうやつに従ってこなかった。従わなかったおかげで君たちに会えたと思ってる。肩書きとかキャリアに心を汚されちゃいけない。その世界はキミのものだ!」と語り「その世界はキミのものだ」を披露。さらに「ヒルビリーは かく語りき」「Mallory」が畳みかけられると、後半に向けてヒートアップする4人の演奏に、観客はハンドクラップで応えた。本編ラストに4人は「リーガル ラビッシュ」をパフォーマンスし、颯爽と舞台を去って行った。
アンコールの拍手に応えて再び登場した4人は「サナトリウムの長い午後」「アインザッツ」をパフォーマンス。そして舞台に1人残った山中は「たぶんこれからまた新曲を作るだろう。そして何度も何度もステージに立つ。ということは、まだ知らない最高を味わうのかもしれない。というか味わってみせる。そこには君たちが必要なんだ。God bless you! God bless me!」と熱い眼差しで語りかけステージをあとにした。その後も鳴り止まない拍手の音を受け、ライブはダブルアンコールに突入。山中は今回のツアーを振り返ったのち、「本当に楽しかったな。ツアーを重ねるにつれて、みんながみるみる元気になっていくのがわかってうれしかったよ」と語り「Buzzy Roars」を披露する。4人での演奏を心底楽しんでいるような晴れやかな顔でパフォーマンスを終え、最後は1人でthe pillowsの「Please Mr.Lostman」を弾き語り。「今の心の中をうまく伝えきれてないんだけど、すごくいいツアーだった!」という率直な感想に会場から大きな拍手が送られ、18公演にわたるソロツアーが閉幕した。
山中さわお「MUDDY COMEDY TOUR」2022年7月5日 Spotify O-EAST
01. タンブルウィード・ストーリー
02. Peacock blue (is calling me)
03. The Devil's Pub
04. 壁の穴と少年
05. オルタナティブ・ロマンチスト
06. Slide in tomorrow!
07. POP UP RUNAWAYS
08. 愛のパラダイス
09. Desert me
10. Irritations
11. Muddy comedy
12. Bottoms up!
13. Absurd Song
14. ベンジャミンの朝
15. イザベルの朝
16. その世界はキミのものだ
17. ヒルビリーは かく語りき
18. Mallory
19. リーガル ラビッシュ
<アンコール>
20. サナトリウムの長い午後
21. アインザッツ
<ダブルアンコール>
22. Buzzy Roars
<トリプルアンコール>
23. Please Mr.Lostman
たまお @cherrytamax
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