「SUPER BEAVER『東京』Release Tour 2022 ~ 東京ラクダストーリー ~」は、2月にリリースしたフルアルバム「東京」を携えて、21公演にわたり行われたツアー。ファイナル公演の模様はSUPER BEAVERのYouTube公式チャンネルで生配信された。4人は「東京」の収録曲を中心に全17曲を熱演し、観客や視聴者に晴れやかな時間を提供した。
開演時間を迎えると車の排気音や街の環境音が場内に流れ、メンバーが静かに登場した。オープニングナンバーはアルバムの1曲目を飾っている「スペシャル」。4人は冒頭からアクセル全開のパフォーマンスを繰り広げ、オーディエンスのテンションを一気に引き上げる。さらに青春感のある「青い春」で気迫に満ちた演奏でハンドクラップを促し、会場に強固な一体感を生み出した。歌唱中に配信用のカメラや2階席にも隈なく視線を送った渋谷龍太(Vo)は、MCでこれまでの活動を振り返りつつ「今日は4対5000をやりにきたわけではなくて、1対1をやりにきてます。あなたにもその覚悟で最後まで楽しんでほしいと思っています」と昔から変わらないスタンスをファンに説明した。
その後バンドは、ストレートなバンドサウンドの「人間」、ロカビリー調の陽気な「ふらり」、メタリックなギターリフや重低音が轟く「VS.」と、アルバムに収録されている多彩な楽曲群を連投して音楽性の幅広さを見せ付けた。渋谷は結成18年目を迎えたバンドについて「長く続けてきてすごいねって言われるけど、俺はそれは誰でもできると思ってます。しっかりと意志を持ったうえで積み重ねる年数じゃなきゃ面白くないなと。そして長く続けてきたバンドマンの礼儀として、毎回過去最高を更新するのは当たり前のことかなと思っています。ただ、4人で更新したいわけじゃない。あなたと更新したい」と語った。
「美しい日」では、渋谷が「あなたと音楽がしたいです」と前置きしてから冒頭をマイクを使わずにアカペラで歌い上げ、観客はその熱演にハンドクラップで応えた。続く「318」では、バンドが大人っぽいビターなメロディと歌詞で場内にエモーショナルなムードを漂わせ、そんなムードにぴったりの、東京タワーやビル群が並ぶ東京の夜景が電飾で表現された。中盤に用意されたのは温かなメロディと歌詞が印象的な「愛しい人」「アイラヴユー」。4人はライブ冒頭からの勢いを保ったままパワフルな演奏を通してオーディエンスに愛を伝え、場内を幸福感で満たした。映画「東京リベンジャーズ」の主題歌「名前を呼ぶよ」、代表曲の1つ「東京流星群」の演奏を経て、渋谷の「過去最高を更新中ですよ!」という叫びに続き、奏でられたのは「秘密」。爽快なサウンドに乗せてメンバーが楽しげに演奏をして観客を盛り上げた。
「ツアーファイナルだからといって特別な気持ちで挑んでないんです。いつだって過去最高」と一貫した思いを切々と語る渋谷。続けて「もしもあなたがSUPER BEAVERというバンドを好きでいてくれてるんだとしたら本気で俺たちに思われています。いっときも忘れたことがないです。あなたに助けてもらって、支えてもらってることをうれしく思う。ただそれで終わりにしたくなくて、あなたのことを助けたいし、支えたいと思ってます。持ちつ持たれつでいきましょう。これからも安心して着いて来てください」と伝えた。そして4人はアルバムの表題曲を“東京”の地で鳴らし、メッセージ性の強い応援ソング「ロマン」を本編最後に披露した。
アンコールでは渋谷による「あなたしか歩めない明日に、いってらっしゃい」という挨拶を合図に「最前線」をパフォーマンス。青春パンク感のあるシンガロングパートやリスナーを鼓舞する歌詞が印象的なこの曲で、SUPER BEAVERはファンを勇気付けて“最前線”へ送り出した。
SUPER BEAVER「SUPER BEAVER『東京』Release Tour 2022 ~ 東京ラクダストーリー ~」7月5日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト
01. スペシャル
02. 青い春
03. 人間
04. 突破口
05. ふらり
06. VS.
07. 美しい日
08. 318
09. 未来の話をしよう
10. 愛しい人
11. アイラヴユー
12. 名前を呼ぶよ
13. 東京流星群
14. 秘密
15. 東京
16. ロマン
<アンコール>
17. 最前線
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