モーニング娘。森戸知沙希が“自分で選んだ未来”へ向け卒業「約7年半、夢のような時間をありがとう」

モーニング娘。'22が、単独コンサート「モーニング娘。'22 CONCERT TOUR ～Never Been Better！～ 森戸知沙希卒業スペシャル」を本日6月20日に東京・日本武道館にて開催。本公演をもって森戸知沙希がグループおよびハロー！プロジェクトを卒業した。

森戸は2015年3月にカントリー・ガールズのメンバーとしてデビュー。兼任で2017年6月からはモーニング娘。のメンバーとなり、2019年のカントリー・ガールズ活動休止およびメンバー全員卒業後もモーニング娘。のメンバーとして活躍した。約7年半にわたりハロー！プロジェクトで活動してきたが、独学で勉強してきた英語を本格的に学ぶため、卒業して留学することを決意。本日のコンサートはモーニング娘。'22が3月から行ってきたコンサートツアー「モーニング娘。'22 CONCERT TOUR ～Never Been Better！」の千秋楽公演で、テレ朝チャンネル1とスカパー！での生中継・配信および全国の映画館でのライブビューイングも実施された。

開演時間を過ぎると、スクリーンにメンバー1人ひとりの名前が映し出されるのに合わせ、白い衣装に身を包んだメンバーが順に姿を現す。そして全員がセンターステージにそろい、「私の人生 エンジョイ!!」のひと言から始まる「青春Night」でライブをスタートさせる。続けて「One・Two・Three（updated）」「Teenage Solution」を凛とした表情で歌い上げた。

リーダーの譜久村聖についに卒業の日を迎えた心境を問われると、森戸は「卒業発表してから今日まで本当にあっという間で。ついにきたかという感じなんですけど、今日はツアーの千秋楽でもあるので、この13人体制をしっかり目に焼き付けてもらえるように最後までがんばりたいです！」と意気込む。そしてモーニング娘。'22は6月8日にリリースされたばかりの新曲「Chu Chu Chu 僕らの未来」ではキレのいい群舞で観客を魅了し、感情のこもったセリフの表現が印象的な「邪魔しないで Here We Go！」、セクシーな吐息で魅せる「笑顔YESヌード」など6曲をノンストップでパフォーマンスした。

ステージには森戸のほか野中美希、加賀楓、山崎愛生のみが残り、「暑いですねー！ 私たちのアツさ伝わってますか？」と観客に呼びかける。昨晩はどう過ごしていたのかを聞かれた森戸は「メンバーにお手紙を書いたりしてバタバタしてたんですけど、私より私の父が、ミュージックビデオとか、カントリー・ガールズ時代にまでさかのぼって映像を観ていて『あれ、私より振り返っちゃってる？』って（笑）」と和やかなエピソードを披露。またメンバーの直してほしいところを問われると、「かえでぃー（加賀）にはチョコミントが苦手なのを直してほしい。私はチョコミントが大好きなのに！」とリクエスト。しかし加賀は「だってチョコミントは歯磨き粉じゃん」と反論し、観客にチョコミントを好きか嫌いかのアンケートを取る事態にまで発展して笑いを誘った。

ブルーとイエローのチェック柄衣装にチェンジしたメンバーは、ここからユニットでのステージを披露。小田さくら、羽賀朱音、横山玲奈、北川莉央は「しょうがない 夢追い人」、譜久村聖、牧野真莉愛、岡村ほまれは「恋人には絶対に知られたくない真実」、生田衣梨奈、石田亜佑美、野中、加賀、森戸、山崎は「愛され過ぎることはないのよ」をそれぞれパフォーマンスした。全員がステージにそろうと、21年ぶりに現役メンバーで再レコーディングした音源が3月に配信リリースされて話題を呼んだ「I WISH」が朗らかに歌われ、スクリーンにはこれまでのメンバーの姿を追う映像が流れて感動を誘った。

温かなムードから一転、森戸が鋭いビートに乗せたソロダンスで魅せ、メドレーコーナーへ突入。モーニング娘。'22は「よしよししてほしいの」「ジェラシー ジェラシー」「TIKIBUN」「What is LOVE? 」など激しい曲調の楽曲を息を切らすことなくつないで放ち、観客を圧倒した。横山が「ここからはラストスパートです！」と宣言し、休憩を挟むことなく早くも本編は終盤戦へ。岡村が「森戸さーん！ 大好きー！」と叫んで始まった「このまま！」ではメンバーの笑顔が弾け、「恋愛Destiny～本音を論じたい～」では全員が縦一列に並びドミノ倒しを表現してみせた。

そして1人ひとりが観客への挨拶と森戸へのメッセージを伝えていく。ハロー！プロジェクト加入時から森戸と仲がいい羽賀は「モーニング娘。に入ってきたときは、ちぃは本当に人見知りだから、私としかしゃべれない状態だったんです。でもそれがちょっとうれしかったりもして。留学先で人見知りを発動しないか心配です。私がいなくてもがんばってほしいなって思います」とエール。牧野は指をおでこに突き立てて「ここまでよくやったな、ちぃちゃん」と「ドラゴンボール」の悟空の物真似を徹頭徹尾貫いて笑いを誘い、森戸は「違う意味で泣いた」と崩れ落ちた。

森戸が加入当時に石田に申し訳ないと思っていたというエピソードを語りつつ、「私こそ、そういうふうにちぃに思わせていたことが申し訳なくて」と続けた石田。「でもそういう気持ちは今日でおさらばです。だって、それを超えて大好きだから！ ちぃに出会えたことが、私の人生にとって宝物です」と目を潤ませる。また譜久村は「この13人で過ごした半年間は、みんながモーニング娘。のことを大好きなんだなと感じられた特別な半年間でした」としみじみ振り返り、「ちぃと過ごした5年間は本当に宝物です。かわいいしカッコいいし、尊敬するし、特別だし愛しいし。本当にいろんな感情にさせてくれた子です。私たちと、モーニング娘。と出会ってくれてありがとう」と愛情たっぷりに言葉を届けた。そして最新シングル「大・人生 Never Been Better！」が披露され、本編は締めくくられた。

客席は森戸のメンバーカラーの白色のペンライトの光に染まり、鳴り止まない手拍子でアンコールを求める観客に応えて、真っ白でアシンメトリーなドレスにプリンセスのようなティアラ、黒いブーツをまとった森戸が登場。手紙を取り出して読み上げていく。「振り返ってみると、モーニング娘。に加入したばかりのときは、ただただ毎日お仕事するのに精いっぱいだった私ですが、気付けばこんなにもモーニング娘。のことが大好きになっていました。加入してすぐ、たくさんの楽曲を覚えることについていけず、メンバーの皆さんにはたくさん迷惑をかけてしまいました。『すみません』と謝る私にそんなことないよと言ってくれたり、こんな私を受け入れてくれたメンバーみんなに感謝しています。私もモーニング娘。が大好きです！」とグループへの愛情を心から表現する。また「モーニング娘。に加入したからできた経験もたくさんありました。海外コンサートやフェスの出演など、どれも忘れられない景色です。特に海外の空気はとても特別なもので、英語を学びたいという新しい目標を見つけることができました。モーニング娘。のおかげで今の私がいるし、さまざまな経験が森戸知沙希という人間を成長させてくれました」と述懐する。

森戸は「カントリー・ガールズとして過ごした時間も、モーニング娘。として過ごした時間も、愛おしくて忘れられない私の宝物です。まだまだ未完成の私ですが、明日からは新しい道に進みます。約7年半、夢のような素敵な時間を本当に本当にありがとうございました！」と手紙を締めくくり、「私が大好きなこの曲を聴いてください」と、ソロで歌唱する曲を紹介。歌われたのは「みかん」だ。カントリー・ガールズでの森戸のメンバーカラー・オレンジ色にかけたともとれる選曲が、観客の感動を誘った。森戸自身も涙をこらえるように声を震わせながらも、明るく客席に語りかけるように歌声を届ける。曲中にはメンバー全員が登場して森戸を囲み、順番にタッチをしていった。

続いて披露されたのはアッパーチューン「わがまま 気のまま 愛のジョーク」。森戸もドレス姿で激しいダンスをこなしてみせる。ラストを飾ったのは「ENDLESS SKY」。さわやかな曲調に乗せて森戸は「泣くわけないでしょ泣くはずがない 自分で選んだ未来だから」と決意するように歌い上げ、最後のステージを堂々とした表情で締めくくった。

なお森戸のソロ歌唱曲「みかん」は各配信サイトにて明日6月21日より配信される。