ラストアイドル、活動終了前ラストライブで輝いた涙と「LAST SMILE」

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ラストアイドルの活動終了前最後のライブが5月29日に東京・東京ガーデンシアターで開催された。

「僕たちは空を見る」をパフォーマンスするラストアイドル。(提供:ラストアイドル制作委員会)

「僕たちは空を見る」をパフォーマンスするラストアイドル。(提供:ラストアイドル制作委員会)

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2017年夏にテレビ朝日系で放送がスタートした秋元康企画のオーディション番組「ラストアイドル」から誕生し、同年12月にシングル「バンドワゴン」でデビューを果たしたラストアイドル。バトル形式による楽曲参加メンバーの選出、「歩く芸術」や「殺陣」といった高難度パフォーマンスへの挑戦などで話題を集めてきた彼女たちだが、初のアルバム「ラストアルバム」をリリースしたのち、今年5月をもって約5年にわたる活動に終止符を打つことが発表されると、ファンだけでなくアイドルシーン全体から驚きと悲しみの声が上がった。ラストライブでは昼公演「LAST DANCE」と夜公演「LAST SMILE」の2部にわたり、ラストアイドルプロジェクトのこれまでの軌跡を総括する集大成のステージが繰り広げられた。この記事では夜公演「LAST SMILE」の模様をレポートする。

「バンドワゴン」をパフォーマンスするLaLuce。(提供:ラストアイドル制作委員会)

「バンドワゴン」をパフォーマンスするLaLuce。(提供:ラストアイドル制作委員会)[拡大]

「バンドワゴン」をパフォーマンスするラストアイドル。(提供:ラストアイドル制作委員会)

「バンドワゴン」をパフォーマンスするラストアイドル。(提供:ラストアイドル制作委員会)[拡大]

ライブの開始前にはラストアイドルとゆかりの深いお笑いコンビ・三拍子がステージに登場し、ラストアイドルの楽曲名を盛り込んだ漫才で会場の緊張感を和らげる。そして開演時刻になると、過去のライブ映像とメンバー1人ひとりの笑顔を映したオープニングムービーがスクリーンに流れ、いよいよラストアイドル最後のコンサートが始まることを観客に告げた。まずは2017年放送の番組1stシーズンでメンバー入れ替えを賭けたパフォーマンスバトルを勝ち抜き、ラストアイドルの顔であるLaLuceのメンバーとして活動してきた阿部菜々実、安田愛里、鈴木遥夏が1stシングルの表題曲「バンドワゴン」を披露。スクリーンに当時の番組のパフォーマンス映像が映し出され、早くも場内にエモーショナルな空気が漂う中、曲の途中からLaLuce以外のメンバーも合流してラストアイドルファミリー全員で息の合ったステージを届けた。さらにLaLuceのほか、Good Tears、シュークリームロケッツ、Someday Somewhere、Love Cocchiといったユニットが1stシングルや、表題曲の歌唱権利を賭けてそれぞれ異なるプロデューサーの楽曲を歌唱した2ndシングルの収録曲を次々に披露し、ラストアイドル1期生の歴史をステージ上でたどっていく。Love Cocchi「青春シンフォニー」の曲中には、ライブ序盤にも関わらず西村歩乃果が感極まって目から涙をあふれさせ、このコンサートに込める強い思いを覗わせた。

「サブリミナル作戦」をパフォーマンスするラストアイドル2期生アンダー。(提供:ラストアイドル制作委員会)

「サブリミナル作戦」をパフォーマンスするラストアイドル2期生アンダー。(提供:ラストアイドル制作委員会)[拡大]

序盤11曲のパフォーマンスが終わると、安田は「今日、後藤(次利)さんが来ているんですよ。気合い入りまくりでした」と顔をほころばせ、この公演のタイトルが「LAST SMILE」であることに触れた間島和奏は最後まで笑顔でライブを届けることを誓いつつ、「皆さん楽しんで帰ってください」とファンに呼びかける。メンバー1人ひとりの自己紹介を経て始まった次のブロックでは、2期生アンダーが「サブリミナル作戦」や「青春0対0」を歌い、思い出の写真をバックにしたパフォーマンスや「18人でこのグループになれて幸せでした!」という言葉で観客の胸を打った。また1期生が「好きで好きでしょうがない」「誰かの夢が叶ったら」、2期生が「Hope」「愛しか武器がない」をそれぞれ披露し、会場の熱気をぐんぐんと上昇させた。

「何人(なんびと)も」をパフォーマンスするラストアイドル。(提供:ラストアイドル制作委員会)

「何人(なんびと)も」をパフォーマンスするラストアイドル。(提供:ラストアイドル制作委員会)[拡大]

「大人サバイバー」をパフォーマンスするラストアイドル。(提供:ラストアイドル制作委員会)

「大人サバイバー」をパフォーマンスするラストアイドル。(提供:ラストアイドル制作委員会)[拡大]

その後のMCではタイで活動する姉妹グループ、ラストアイドル・タイランドより、ユニット・Proteaのメンバーがステージに登場。LaLuceのメンバーと言葉を交わした彼女たちは「バンドワゴン」のタイ語バージョン「Bandwagon」をパフォーマンスしたほか、ラストアイドルとコラボして「ラスアイ、よろしく」を笑顔いっぱいに歌唱した。「Bandwagon」「ラスアイ、よろしく」の曲中はライブ写真を自由に撮影できる時間が設けられ、ステージ上から手を振ったり、客席通路で歌ったりと、会場を明るいムードで満たしていくメンバーとの最後の思い出がファンのカメラに収められた。これからも活動を継続していくラストアイドル・タイランドにエールを送ったラストアイドルファミリーは、続いて「ラストアルバム」に収録されている2期生アンダー歌唱曲「なんか、好きだよ」、2期生歌唱曲「愛の答え合わせ」、1期生歌唱曲「青春continues」を矢継ぎ早に披露。刀を持って殺陣を演じるスタイリッシュなダンスが特徴の「何人(なんびと)も」ではステージ上に勢いよく炎が上がり、「大人サバイバー」では「歩く芸術」と呼ばれる“集団行動”を取り入れた一糸乱れぬフォーメーションダンスに観客の目が釘付けになった。

ここまでのパフォーマンスを振り返るにぎやかなMCを挟み、ライブは後半戦へ。ファン投票企画によってメンバーが決定した9人組ユニット・オレトクナインの楽曲「瞳キラキラ」や、西村立案の「ほっといて選手権」によってメンバーに選ばれた小澤愛実、山本愛梨、畑美紗起、奥村優希、高木美穂、高橋みのりの6人による「ほっといて」が披露されると、そのレアなステージに会場の盛り上がりはより一層加速。また番組「ラストアイドル」でお馴染みの“天の声”が場内に流れ、これまでさまざまなバトル企画にチャレンジしてきたラストアイドルが挑む最後のバトルとして「ラストスマイルバトル」が行われることがメンバーに告げられた。このバトルはラストアイドルの活動の中で一番笑ったエピソードを披露し、そのときの“スマイル”をステージ上で再現するというもので、ルーレットによって指名された橋本桃呼と岡村茉奈が企画に挑戦することに。それぞれがグループ内で起きた思い出の笑い話を語って渾身の笑顔を弾けさせた結果、岡村の勝利が決定し、客席から大きな拍手が送られた。

ラストアイドル「眩しすぎる流れ星」のパフォーマンスの様子。(提供:ラストアイドル制作委員会)

ラストアイドル「眩しすぎる流れ星」のパフォーマンスの様子。(提供:ラストアイドル制作委員会)[拡大]

これが最後のコンサートであることを忘れさせる平和なコーナーによって会場に笑顔が広がるが、ここからラストアイドルは怒涛の勢いでラストスパートのパフォーマンスを展開。大阪府立登美丘高等学校ダンス部のコーチ・akaneが振り付けを担当した“ラスアイ史上最高難度のダンス”が見どころの「青春トレイン」、メンバー同士1対1のバトルを全496試合繰り広げる「ラスアイサバイブ」を経て発表された「Break a leg!」、インド映画の代名詞である“ボリウッドダンス”に挑戦した「君は何キャラット?」など、シングルの表題曲が間髪をいれずに畳みかけられた。本編最後のナンバー「眩しすぎる流れ星」では一部のメンバーが再び客席通路に飛び出し、ステージからテープが勢いよく発射する演出によってライブが派手に彩られた。

アンコールのスタート前には関係者からのメッセージが紹介され、番組で審査員を務め、そのジャッジによってたびたび炎上を起こした吉田豪や、Good Tears「スリル」をプロデュースした織田哲郎のコメント動画が流れる。さらに天の声はLaLuce「風よ吹け!」のプロデュースを担当した小室哲哉からの「ラストアイドルの活動終了という大きな区切りを迎えましたが、人生はこれからです」「風よ吹け! 僕たちの未来のために」というメッセージを読み上げたあと、自身も「たくさんの試練を乗り越えてここまで残ってきた31人、本当にお疲れ様でした! そして今までアイドルとして私たちに幸せをくれて本当にありがとうございました。これから皆さんはラストアイドルという物語を終えて、自分の人生を、新しい物語を歩んでいくと思います。数々の試練を乗り越えた皆さんです。きっと素晴らしい人生が待っています」とメンバーにエールを送った。

場内の緊迫感とエモーショナルな空気が増していく中、ついにアンコールが始まると、純白のドレスに身を包んだメンバーがステージに姿を現し、ラストアイドルの始まりの曲「バンドワゴン」を再び歌唱する。ライブ冒頭ではオリジナルバージョンが披露されたが、ここで届けられたのは「ラストアルバム」に収録されている「バンドワゴン Strings ver.」。ピアノの音を軸に弦楽器が絡むしっとりしたアレンジのサウンドに合わせ、メンバーは阿部を中心に番組での入れ替えバトルをはじめとするラストアイドルの歴史を歌と踊りを通して再現し、観る者の心を奪った。曲の途中からはメンバー全員がステージに上がり、ラストアイドルファミリーで1つになって「バンドワゴン」のオリジナルバージョンを壮大にパフォーマンスした。

挨拶を述べる阿部菜々実(中央)。(提供:ラストアイドル制作委員会)

挨拶を述べる阿部菜々実(中央)。(提供:ラストアイドル制作委員会)[拡大]

曲が終わると、LaLuceの安田、鈴木、阿部が1人ずつ順番に自身の胸の内をファンに伝える。阿部は「苦しいこともつらいこともやるせないこともたくさんあったし、悔しさはまだしばらく抱えたままでいるんだろうなと思っています。でも、こうやっていつも温かく応援してくださる皆さんと出会って、一緒に気持ちを共有できて、そして最高のメンバーたちと一緒に戦って、支え合って、高め合って今日このステージに立てたことが本当に誇りです。皆さん、ラストアイドルのことを絶対に忘れないでください。私はラスアイでよかったなと心の底から思っています」と言葉を紡いだあと、ラストアイドルの歴史を締めくくるラストナンバーとして「ラストアルバム」のリード曲である「僕たちは空を見る」を歌うことを涙ながらにファンに告げた。目に涙を浮かべつつも、メンバー全員晴れやかな表情を浮かべて前向きな思いを込めた歌声を響かせていると、その頭上に彼女たちの旅立ちを祝福するようにきらびやかな紙吹雪が舞った。

最後に阿部はメンバーを代表し、「ラストアイドルは活動を終了しますが、私たちメンバーの人生はまだまだ続いていきます。皆さんからもらった大きな愛と、たくさんの経験で得たことを胸に羽ばたいていく私たちのこれからをぜひ見守ってくださるとすごくうれしいです。そしてたまにラストアイドルを思い出してもらって、私たちがそっと力になれる存在でいられるとうれしいです」と挨拶。アンダー2期、2期生の順にファンへの感謝の気持ちを叫びながら退場し、1期生はユニット別にステージをあとに。最後はLa Luceの3人が「以上、私たちラストアイドルでした!」という言葉を力いっぱい響かせ、約3時間にわたって行われたラストライブの幕を閉じた。そしてメンバーが去ったあと、スクリーンにはこの日のライブをまとめた映像が流れ、会場に大きな余韻を残した。

なお、本公演の模様を生中継したCSテレ朝チャンネル1では、7月17日(日)12:00より舞台裏映像やインタビューを交えた完全版をオンエアする。

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ラストアイドル「LAST SMILE」2022年5月29日 東京ガーデンシアター セットリスト

01. バンドワゴン
02. 涙の仮面
03. 想像上のフルーツ
04. Again & Again
05. 青春シンフォニー
06. 風よ吹け!
07. スリル
08. 君のAchoo!
09. この恋はトランジット
10. Love Docchi♡
11. Everything will be all right
12. サブリミナル作戦
13. 青春0対0
14. 好きで好きでしょうがない
15. 誰かの夢が叶ったら
16. Hope
17. 愛しか武器がない
18. Bandwagon
19. ラスアイ、よろしく
20. なんか、好きだよ
21. 愛の答え合わせ
22. 青春continues
23. ハグから始めよう
24. 何人(なんびと)も
25. 大人サバイバー
26. 瞳キラキラ
27. ほっといて
28. 当たりくじ
29. 青春トレイン
30. 独り言の存在証明
31. Break a leg!
32. 君は何キャラット?
33. 愛を知る
34. 眩しすぎる流れ星
<アンコール>
35 バンドワゴン
36 僕たちは空を見る

CSテレ朝チャンネル1「ラストライブ LAST DANCE / LAST SMILE『完全版』」

2022年7月17日(日)12:00~

※高木美穂の「高」は、はしご高が正式表記。

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※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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