2001年に地元沖縄で結成され、2003年にシングル「キリキリマイ」でメジャーデビューしたORANGE RANGE。アニバーサリーライブは長いキャリアを誇る彼ららしく、2日間のセットリストの被り曲は一切なしという挑戦に満ちた内容となった。この記事では2日目となる「RANGE DAY」の模様をレポートする。
ライブはステージに設置された大きな円形スクリーンに、歴代作品のジャケット写真がカウントアップとともに浮かび上がる演出でスタート。5人のシルエットとバンドロゴが観客の目に飛び込んできた瞬間に始まったのは、ORANGE RANGEのヒット曲の1つであり、アニバーサリーライブのオープニングにふさわしいご機嫌な「ビバ★ロック」だ。NAOTO(G)とYOH(B)のパワフルな演奏に乗せ、RYO(Vo)、HIROKI(Vo)、YAMATO(Vo)は拳を突き上げながら掛け合いを軽快に繰り広げ、会場に熱気をもたらす。RYOが「『RANGE DAY』始めていくぜ!」と叫んだのを機に、今度は2004年のヒット曲「ロコローション」へ。のっけから代表曲を連発する大盤振る舞いで観客を興奮させた。
近年のライブでは土地土地の学生たちとコラボレーションを積極的に行い、後進たちに晴れ舞台を提供してきたORANGE RANGE。この日は、関東学院中学校高等学校マーチングバンドと「チャンピオーネ」、ダンススタジオ「studio DUAL東神奈川」の生徒たちと「SUSHI 食べたい feat. ソイソース」で共演し、若いエネルギーに後押しされながら情熱的なパフォーマンスを披露した。
明るくポップな曲に定評がある一方で、聴き手の涙腺を刺激するバラードも21年の歴史の中で多数発表してきた彼ら。お祝いムードたっぷりだった序盤に続いたブロックでは、「ラヴ・パレード」「Walk on」「花」といった、ボーカル3人の味わいのある歌と、温かなメッセージを伝えるバラードが届けられ、穏やかな空気がアリーナを包み込む。「Walk on」ではストリングスチーム・Great Bear Stringsが加わり、豊潤な音色とバンドサウンドが溶け合いながら、オーディエンスの耳にゆったりと広がった。そんなコラボレーションを経て、RYOは「人に勝る演出はないと思います。人間の力を感じます」としみじみ。HIROKIは「違うセットリストで2日間ライブを開催することは初めての挑戦で、大変だろうなという予感はしてて」と不安があったことを語りつつ、「この景色は一番のご褒美じゃないかな」と目の前の観客を愛おしそうに見つめた。
「U topia」や「papa」といった、ORANGE RANGEの尖った一面を打ち出した楽曲を連投したあと、RYOがおもむろに口を開く。故郷である沖縄が本土返還50周年を迎えたことに触れ、自分たちが暮らすコザをイメージして歌った最新曲「エバーグリーン」について言及。「自分で言うのはあれだけど、才能豊かな人がいっぱい出てきている中でも、ORANGE RANGEは色褪せない部分を持っていると思います。確実に自分たちで“あるな”と感じています。だから21年続いていると思いますしね」と自負した。そんなRYOの言葉から始まった「エバーグリーン」で、メンバーは故郷と未来に思いを馳せながら、丁寧に音を紡ぐ。さらに、「Family」では横浜のゴスペルグループ・ゴスペルスパークルによるソウルフルなコーラスを交え、アットホームなアンサンブルを奏でた。
しかし、「ORANGE RANGEの中でも、いろんな側面の楽曲をこれまで楽しんでいただきましたが、やっぱり夏だとか、はっちゃけちゃえ、汗かいて、ワー!どうにでもなれみたいなゾーンやっちゃいます?」というHIROKIの言葉を口火に、メンバーはミクスチャーロックバンドとしての真髄が剥き出しになった「チェスト」「O2」をプレイ。さらに、「HYSTERIC TAXI」ではHIROKIがエレキギターをかき鳴らしながら熱唱し、彼の新たな挑戦にオーディエンスは大盛り上がり。そして、トドメとばかりに「イケナイ太陽」「上海ハニー」が投下されると、5人の作り出す常夏の空気によって、会場の熱狂はさらに加速した。
RYOが感極まって言葉に詰まってしまう場面もありつつ、2日間のライブはいよいよ佳境に。結成15周年の際にリリースされた「Иatural Pop」の“縁盤 ver”で明るいムードを作り出したあと、5人が本編の最後に届けたのは、故郷の琉球音楽を取り入れた壮大なミディアムバラード「落陽」だった。「先に進むこと決めたんだ 希望は胸でまだ燃えてんだ 今大事な場所に立ってんだ そして此処で歌ってんだ」と歌うこの曲を、彼らはGreat Bear Stringsの演奏とともに、全身全霊でパフォーマンス。曲中にRYOは「みんながいる限りORANGE RANGEは止まりませんからね。すり足でも進んでいくから。しかも置いてかないし。みんなで進んでいきましょう。ありがとう!」とバンドを代表してさらなる躍進を誓っていた。
懐かしい楽曲を惜しみなく披露した本編に対して、5人がアンコールのためにセレクトしたのは、今の彼らならではの視座や優しいメッセージが込められた「Carnation」「Imagine」「KONOHOSHI」という近年リリースされた3曲。「KONOHOSHI」の最後に「次のページめくりましょう」と歌い、その言葉通り新たなスタートを切ることを宣言して、結成21周年記念ライブを大団円に導いた。
なおU-NEXTでは、2日間の公演のアーカイブ映像を5月22日23:59まで配信中。U-NEXT月額会員であれば追加料金なしで視聴できる。また、ORANGE RANGEは9月よりライブハウスツアー「ORANGE RANGE LIVE TOUR 022-023」を開催する。
ORANGE RANGE「ORANGE RANGE 祝21周年!スーパーウルトラちゅらちゅらカーニバル -RANGE DAY-」2022年5月15日 ぴあアリーナMM公演 セットリスト
01. ビバ★ロック
02. ロコローション
03. チャンピオーネ
04. SUSHI食べたい feat.ソイソース
05. Oh! Yeah
06. ラヴ・パレード
07. Walk on
08. 花
09. U topia
10. オボロナアゲハ
11. papa
12. 花想
13. エバーグリーン
14. Family
15. チェスト
16. O2
17. HYSTERIC TAXI
18. イケナイ太陽
19. 上海ハニー
20. Иatural Pop
21. 落陽
<アンコール>
22. Carnation
23. Imagine
24. KONOHOSHI
ORANGE RANGE LIVE TOUR 022-023
2022年9月14日(水)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
2022年9月15日(木)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
2022年9月18日(日)北海道 Zepp Sapporo
2022年9月24日(土)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2022年9月25日(日)福岡県 Zepp Fukuoka
2022年10月1日(土)愛知県 Zepp Nagoya
※「ORANGE RANGE 祝21周年!」の祝は丸枠付きが正式表記。
SPEEDSTAR RECORDS@広報 @SSRCstaff
🟧ORANGE RANGE🟧
結成21周年の集大成とも言える
スペシャルライブのレポート📝が
#ナタリー で公開中✨
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