3月にリリースされたニューアルバム「文学少女の歌集II -月とカエルと文学少女-」の発売に合わせて行われた今回のツアー。このアルバムは2019年夏にリリースされた「文学少女の歌集」の続編で、堀江がツアーを行うのも前作リリース時以来となった。アルバムはどちらも“文学少女”をテーマに楽曲の世界観やビジュアルが作られたコンセプチュアルな作品で、ストーリー仕立てのライブにも前回のツアーと連動した要素が見られるなど、作り込まれた“文学少女”の世界観が表現されていた。
今回のライブは、とある学園の「文学少女倶楽部」に所属する生徒たちが文化祭でバンド演奏を披露するまでのストーリーを軸に進行する。オープニング映像は、「文化祭で一番観客を盛り上げたクラブは部費が倍になる」という教師の言葉を受けて、文学少女倶楽部のメンバーが文化祭バンドを結成するシーン。ライブで演奏を務めるエンドウ.(G /
ライブは文化祭のステージとして進行するが、並行してストーリーが進む幕間映像では、文学少女倶楽部がバンド結成を決意してから文化祭当日までの様子が描かれ、その随所に不思議なシーンが差し込まれる。映像は必ず放課後の午後4時3分から始まり、バンドの分担決め、メンバー脱退の危機、ギターの破損、ステージ看板への謎の落書きなど、文化祭本番までにメンバーはさまざまな困難に直面したが、ライブパフォーマンスに戻ると映像の中で起こっていた問題は解決している。またバンドメンバーの衣装が突然スカートになっていたりなど謎めいた演出も多く、観客はライブを楽しみつつ、同時に展開される謎解きのような要素も楽しんだ。
「ラブアテンション」「Wake Up」「チャイム」「虹が架かるまでの話」など、ライブは「文学少女の歌集II -月とカエルと文学少女-」収録曲を中心としながらも、「キラリ☆宝物」「ALL MY LOVE」「心晴れて 夜も明けて」などの懐かしいナンバーも多数用意された。ライブ定番曲「YAHHO!!」では飛沫対策のためコールで一体になれない中、劇団ほりえは幕間映像ともリンクした堀江の声付きペンライトで盛り上がる。そしてライブ終盤、幕間映像では「放課後リピート」と銘打たれたこのライブにちりばめられたさまざまな謎が解き明かされていく。文学少女倶楽部が何かの困難に直面した際、必ず現れてメンバーに耳打ちし、よい方向へと導く存在。それはタイムリープの能力を持った転校生・堀江由衣だった。堀江のライブではおなじみの青いクマ・クマスターが演じる熊田先生が開演前に行っていたペンライトの振り方指導もストーリーの一部。クライマックスの「CHILDISH♡LOVE♡WORLD」では熊田先生の事前指示に合わせた劇団ほりえの応援で最高の盛り上がりを見せた。最後は「文学少女の歌集II -月とカエルと文学少女-」から「スタートライン」が歌われ、文化祭のステージは終了。その後の映像では前回のツアーとつながるストーリーの真相が明かされた。
本編終了後は堀江自身から物語のタネ明かしが行われ、分岐を繰り返しながら物語が進んでいたことや、映像とステージそれぞれに込められた演出のこだわりなどが語られた。堀江は再び文学少女帯を呼び込むと、2000年発売の1stアルバム「水たまりに映るセカイ」収録曲「I wish」をパフォーマンス。さらに踊りっ娘倶楽部の4人を呼び込み、田村ゆかりとのユニット・やまとなでしこによる2001年のナンバー「Merry Merrily」を披露した。堀江は「どうやったら楽しんでもらえるかを考えた結果、劇団ほりえの皆さんにやっていただくことが増えた」と反省しつつも、無事家に帰り着くまでが劇団ほりえの仕事だと伝え、「今日が楽しいと思ってもらえていたとしたら、それはみんなが劇団ほりえの仕事をまっとうしたからです」と感謝を述べた。そして堀江はライブの締めくくりとして恒例となっている「Happy happy*rice shower」を歌い、笑顔でステージをあとにした。
また本日5月15日にはツアーのセットリストを組み合わせた公式のプレイリストが公開された。
「堀江由衣 LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部II ~放課後リピート~」2022年5月8日 立川ステージガーデン セットリスト
01. 月とカエル
02. 光の海へ
03. ラブアテンション
04. 恋する天気図
05. Wake Up
06. 半永久的に愛してよ♡
07. Days
08. 笑顔の連鎖
09. キラリ☆宝物
10. try again
11. The♡World's♡End
12. ヒカリ
13. チャイム
14. 虹が架かるまでの話
15. ALL MY LOVE
16. Adieu
17. 心晴れて 夜も明けて
18. YAHHO!!
19. CHILDISH♡LOVE♡WORLD
20. スタートライン
21. I wish
22. Merry Merrily
23. Happy happy*rice shower
※記事初出時バンドメンバーに漏れがありましたので追記しました。
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