東京女子流、12周年ライブでめくる物語の新たな1ページ

東京女子流のデビュー12周年を記念したワンマンライブ「東京女子流12th Anniversary Live *物語の1ページ*」が、5月4日に東京・LINE CUBE SHIBUYA（渋谷公会堂）で行われた。

2010年5月5日、シングル「キラリ☆」でデビューを果たした東京女子流。2015年に小西彩乃の卒業があったものの、山邊未夢、新井ひとみ、中江友梨、庄司芽生の4人はデビューから現在まで12年間止まることなく活動を続けてきた。デビュー12周年記念ライブは昼公演に「いつまでも光を放つから」、夜公演に「キミと きっと ずっと」というサブタイトルを冠し、1日2公演で合計4時間超のパフォーマンスを披露。ライブの模様はOPENREC.tvで生配信され、会場に足を運べなかった全国各地のファンもリアルタイムで4人の晴れ舞台を見届けた。

昼公演「東京女子流12th Anniversary Live *物語の1ページ* ～いつまでも光を放つから～」は、デビュー曲「キラリ☆」で幕開け。デビュー12周年を迎えるにあたり「自分たちが夜空に瞬く星のように、物語の1ページへの道標となるように」という思いをイメージしたという青い新衣装で登場した4人は、凛とした佇まいでデビュー曲を歌い上げる。そこから「鼓動の秘密」「ヒマワリと星屑」と初期から歌い続けている代表曲を連発。年月が経っても色あせない女子流の魅力をアピールした。

4曲を歌ったところで、メンバーは1人ずつ挨拶していく。「今日はいつどんな時代に出会ってくださった方にも楽しんでいただけるように、そして新たな物語の1ページをみんなと一緒に始めるために、私たちのすべてをお見せしたいと思います」と宣言した庄司は「たくさんの曲を詰め込んで12年分の物語を伝えていきたいなあと思っていて。でも12年も活動していると、もう100曲近くあるのかな？ どうやったら多くの曲を届けられるかなと考えて……」と、ここからメドレー形式で歌うことを予告。4人は昨年8月リリースの「ストロベリーフロート」でライブを再開させると、DJプレイのように心地よくつなげられた5曲のメドレーと「追憶（album ver.）」「Hello, Goodbye - 春野 Remix」を続けて披露した。

ライブ後半は椅子を使った妖艶なパフォーマンスが見どころの「月とサヨウナラ」、ファンキーな「深海 -Royal Mirrorball Mix-」などバリエーション豊かな新旧の楽曲が並ぶ。「Reborn」ではメンバーのレクチャーを受けてのハンドクラップで場内は一体に。女子流はさらに「おんなじキモチ」「ちいさな奇跡」「大切な言葉」といった初期ナンバーやアッパーチューン「光るよ」を畳みかける。最後は「Attack Hyper Beat POP」で締めくくり、アンコールでは4月20日に配信リリースされたばかりの最新楽曲「Dear mama」が初披露された。「Dear mama」は母の日にちなみ、メンバー4人が書いた母への手紙をもとにした心温まるナンバー。また4人はこのアンコールのステージで、2015年12月発売の「REFLECTION」以来となる6枚目のオリジナルアルバム（タイトル未定）を8月3日にリリースすることを発表した。

夜公演「東京女子流12th Anniversary Live *物語の1ページ* ～キミと きっと ずっと～」のオープニングナンバーは、昼公演のアンコールで最後に歌われた「days ～キミだけがいない街～」。穏やかにライブの口火を切った女子流は、「ストロベリーフロート」「ガールズトーク」「ダイヤ♢」と新しめの楽曲を並べ、昼公演の冒頭とは異なる一面を見せる。新井は「こういう大きい会場だとスポットライトがパーンって当たるじゃない？ で、みんな見てくれるでしょ？ それを（自分と）線でつないだら三角形ができるじゃない？ 三角形は（メンバー4人で）4つあるじゃない？ それをみんなでがっちゃんこしたらダイヤになるんだよね」と独特の表現でホールライブの喜びを語り、ファンやメンバーを和ませた。夜公演のメドレーは「Rock you!」「ヒマワリと星屑」「Liar」「Partition Love」「約束」といった初期楽曲をまとめた内容に。メガミックスのような構成に、場内の熱気は一気に高まった。

ライブ中盤、メンバーが一旦ステージを去ると、ステージ背面のスクリーンにはLINE CUBE SHIBUYAの楽屋でのんびりする新井、中江、庄司の姿が映し出される。1人大慌てで着替える山邊は3人に急ぐよう促すが、自分も間違った衣装を着てしまったりと、楽屋内は大わらわ。ドタバタの末、「Reborn」のイントロに乗せて再登場した女子流は、この曲の見せ場である早着替えを披露。そろいの黒い衣装を一瞬で脱ぎ捨て、四者四様にデザインされた色違いの新衣装をお披露目した。4人は続けて「ちいさな奇跡」「大切な言葉」「おんなじキモチ」とポップなナンバーをメドレーミックスで連投。後半は「夢の中に連れてって」「月とサヨウナラ」「ワ.ガ.マ.マ. -MURO's KG Remix」「深海 -Hi-ra Mix」で大人びた一面を見せる。改めて12年間の感謝と、応援してくれるファンの前でライブができる喜びを語った女子流は、思いを込めて「キミ二ヲクル」を熱唱。出会いを重ねて紡いできた年月を歌う「STARTING, MY ROAD!」で夜公演の幕を下ろした。

アンコールではこの日2度目の「Dear mama」を届けた女子流。無事夜公演の本編まで終えたところで、ライブ直前に家族が新型コロナウイルスに感染し参加が危ぶまれた山邊は「今日をみんなと迎えられなかったらどうしようとずっと思っていて……」と思わず涙ぐみ、「こうして12周年を迎えられたのはみんなのおかげです。私たちはみんなにソールドアウトした景色を見せたかったんですけど、それは私たちが高みを目指せる目標にもなったので、またみんなと笑って13周年を迎えられるようにがんばっていきますので、これからも私たちのことを応援して、そして信じてついて来てくださったらうれしいです」と決意を述べた。デビュー時はまだ小学生で「感動する心が備わってなかった」という新井は、12年経ったからこそわかる感動や感謝の気持ち、小西を含む5人だからこそ歩んで来られた道のりに思いを馳せる。人に思いを伝えるのが苦手だという中江は「私が思うありがとうや感謝の気持ちは、12年間歌ってきた女子流の楽曲が、全部歌にして届けてくれているんですね。だから私たちは1曲1曲をすごく大事にしているし、今日は12年分の気持ちを楽曲で伝えられたらいいなと思って、心を込めて歌いました。皆さんに気持ち、届きましたか？」と会場やカメラ越しのファンに呼びかけた。庄司は「12周年すごいね、って言っていただくことが多いんですけど、長く同じことを続けるのが苦手な私がなんで女子流だけまっすぐに続けてきたんだろうと考えたときに、はっきりとした答えが見つからなくて。でも、今年の1月1日に今日のライブを発表してから、メンバーやスタッフさん、アスタライト（東京女子流ファンの呼称）のみんなと1日1日過ごしていく期間にいろんなことを考えた中で……今日この12周年ライブが答えなんじゃないかなって。私はきっとこうやってみんなと過ごすライブを楽しみに毎日を過ごしているなって。きっとまた新しく始まる明日からも、こうやって楽しみに生きていくんだろうなって、今日のライブを通して思いました」とコメント。4人の言葉に耳を傾けていた観客からは温かい拍手が送られた。

4人はステージ上で抱き合い、ステージドリンクで観客と乾杯すると、最後にもう1度、デビュー曲「キラリ☆」をパフォーマンス。満面の笑顔で客席とカメラに手を振り、ステージをあとにした。なおOPENREC.tvでは5月15日23:59まで昼夜2公演のアーカイブが視聴できる。