“狙ったエモノは逃さねぇ”EBIが大奮闘、ユニコーンのマイペースすぎるスピンオフツアーが終幕

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ユニコーンのライブツアー「EBI & UNICORN“狙ったエモノは逃さねぇ”」が4月27日の東京・Zepp DiverCity(TOKYO)公演をもってフィナーレを迎えた。

EBI(撮影:三浦憲治[ライトサム])

EBI(撮影:三浦憲治[ライトサム])

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「EBI & UNICORN“狙ったエモノは逃さねぇ”」は昨年開催の「ユニコーンライブツアー2021”ドライブしようよ”」のスピンオフツアーとして企画されたもので、タイトル通りEBIを主役に据えて行われた。果たしてその内容は、天真爛漫なEBIのキャラクターが前面に打ち出された、時にシュールで時に抱腹絶倒の2時間半となった。なおライブの模様はテレ朝チャンネル1で生中継され、全国のファンが5人のステージを見届けた。

EBI(撮影:三浦憲治[ライトサム])

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開演時刻を迎えると、「Never miss my aim」の文字が彫られた看板、酒瓶が並んだ棚やサボテンなど西部劇を想起させるステージにメンバーが順番に現れる。それぞれが定位置に着く中、最後にカウボーイに扮したEBIが、ユニコーンのライブではお馴染みのエコポニーにまたがって登場。そして投げ縄を盛大に回しながらステージの真ん中に躍り出ると、「主役は自分だ」と言わんばかりにライトを一身に浴びながら「夢見た男」を堂々とパフォーマンスした。「夢見た男」同様に“男”がタイトルに付く「スターな男」を披露したあと、EBIは「Hello! We are EBI & UNICORN」となぜか英語で挨拶。奥田民生に「なんで英語でしゃべるの」とツッコミを入れられながら、それを物ともせず渋い大人の魅力を感じさせる「スペースカーボーイズ」と、ABEDONと奥田が掛け合いを繰り広げる「紅CAR」という最新アルバム「ツイス島&シャウ島」からのナンバーにつなげた。

「EBI & UNICORN“狙ったエモノは逃さねぇ”」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])

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毎回混沌とするユニコーンのライブではあるが、この日は序盤から無法地帯。乾いた風の音が聞こえる中で始まった最初のMCでは、ABEDONと奥田のアテレコに合わせて、EBIが手島いさむと“早打ち対決“をすることに。ABEDONと奥田は、テレビで生中継されていることも意に介さない様子でEBIと手島にモノマネを強要するなど無茶振りを繰り返し、そのコントのような様相に観客は堪えきれず笑い声を漏らした。その前でEBIは「5つ数えたら銃を抜く」というルールを完全に無視し、3カウント目で早々に手島を撃つ真似をして「狙ったエモノは逃さねぇ」とドヤ顔で決めゼリフを吐いた。そして勝負に負けた手島は、自身がメインボーカルをとる「7th Ave.」を披露。手島は朴訥としたサウンドに乗せて朗々とした歌声を響かせ、EBIから「緊張を緩和してくれるというか。こんな曲、ある?」と謎の評価を受けていた。

EBI(撮影:三浦憲治[ライトサム])

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ロカビリー調のサウンドに合わせてEBIがノリノリで歌う「西の外れの物語」、観客を巻き込んでの振り付けが楽しい「レディオ体操」が終わったところで再び風の音がスピーカーから流れ出す。すると奥田が銃を持って現れ、EBIと対決を展開する流れに。もちろんこの勝負でも“狙ったエモノは逃さねぇ”EBIが奥田に勝利し、これを受けて奥田が「ロックンローラーのバラード」をしみじみと歌唱。哀愁を滲ませた滋味のあるボーカルにオーディエンスはじっくりと聴き入る。ABEDONはそのムードを引き継ぐように、今度はスケール感のあるサウンドに乗せて「夢 Me Tender」を情感たっぷりに歌い上げてみせた。

川西幸一(撮影:三浦憲治[ライトサム])

川西幸一(撮影:三浦憲治[ライトサム])[拡大]

手島いさむ(撮影:三浦憲治[ライトサム])

手島いさむ(撮影:三浦憲治[ライトサム])[拡大]

しかし、ABEDONが作り出した引き締まったムードは、EBIと川西幸一によるMCで雲散。自由すぎるアテレコにあちこちから笑いが起きる中、今度は川西が自身が作詞作曲した「ロック幸せ」をEBIの間近で熱唱する。そして歌い終えるや否や「EBIー!」と、この日の主役であるEBIを紹介した。当のEBIは「もう圧がすごい……本当にロックンロールの真髄を見た、そんな気持ちです」と独特の表現で川西を褒めつつ、「ホントに幸せです。この企画を聞いたときはどうなるかと思いました……それが、皆さんの前にしゃしゃり出ちゃってね」と若干照れ臭そうにしながらツアーを振り返る。続けて「世界を見て、また大きくなってここに帰ってくるから! そんな期待を胸に」と「お前BABY」を艶のあるねっとりとしたボーカルで歌唱。さらに、ツアータイトルである「狙ったエモノは逃さねぇ」が歌詞に登場するサーフサウンド全開の「米米米」と、陽気なムードたっぷりの「Lake Placid Blue」というご機嫌なロックンロールチューンを2連発した。フロントマンらしい堂に入ったステージングを披露しつつ、EBIが「この調子で調子に乗っていくよ!」と叫んだのも束の間、ABEDONとの対決へ。ここでは奥田のアテレコに乗せてABEDONがジェームズ・ディーンになりきるという謎の流れが生まれ、予測不可能の状態に陥った。なんとか収拾がついたところでABEDONがメインボーカルをとる「WAO!」が始まり、5人は「Boys & Girls」「服部」を豪快にパフォーマンスしたのち、勢いのままに「ツイス島&シャウ島」を投下して本編を締めくくった。

「EBI & UNICORN“狙ったエモノは逃さねぇ”」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])

「EBI & UNICORN“狙ったエモノは逃さねぇ”」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の様子。(撮影:三浦憲治[ライトサム])[拡大]

その後、「EBI(CSA)」でご機嫌に幕を開けたアンコールだったが、内容は本編以上のカオスが待ち受けていた。ABEDONの「EBIちゃんお疲れー」という労いの言葉で始まった「人生は上々だ」では、高い演奏力を誇るメンバーのパフォーマンスがズレまくる事態に。曲の途中に差し込まれるトークパートでは、豪を煮やしたABEDONが「なんだこの体たらくは! 誰か違う曲弾いてなかった?」と笑いながら叱咤するほど。ここでEBIがツアーで狙っていた“エモノ”について告白することになるも、EBIは「そんなこと言った?」ととぼける始末。そして、川西が軽やかにドラムロールを鳴らす中、その口から明かされたのは「それは全国の皆さんの笑顔です」という真っ当すぎる回答だった。

ユニコーン(撮影:三浦憲治[ライトサム])

ユニコーン(撮影:三浦憲治[ライトサム])[拡大]

その言葉に手島は「理想的な答えです」とコメントするも、奥田は「それを言うために(ツアー中)溜めていたの?」とピシャリ。リテイクを求められたEBIが捻り出すように「皆さんの幸せを狩りにやってまいりました」と高らかに叫ぶが、いまいち意味が伝わらずメンバー4人は不可解な表情を浮かべる。それを目の当たりにしたEBIが「自分で自分を笑ってあげたいです」と自虐的に笑うと、ABEDONが「EBIが笑顔を振りまいて、たくさんの人を笑顔にして、ということでいいですか?」とまとめて「人生は上々だ」の続きを歌い出した。曲が終わったあとにはメンバー曰く打ち上げさながらの脱線しまくりのトークが展開され、くだらない言葉の応酬にオーディエンスはマスクをしたまま大爆笑。いよいよ終演時間が差し迫ったところで、5人はロックバンドとしての矜持を示した豪快な「KEEP ON ROCK'N ROLL」を一枚岩のアンサンブルで轟かせ、無事「EBI & UNICORN“狙ったエモノは逃さねぇ”」に幕を下ろした。

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ユニコーン「EBI & UNICORN“狙ったエモノは逃さねぇ”」2022年4月27日 Zepp DiverCity(TOKYO)公演 セットリスト

01. 夢見た男
02. スターな男
03. スペースカーボーイズ
04. 紅CAR
05. 7th Ave.
06. 西の外れの物語
07. レディオ体操
08. ロックンローラーのバラード
09. 夢 Me Tender
10. ロック幸せ
11. お前BABY
12. 米米米
13. Lake Placid Blue
14. WAO!
15. Boys & Girls
16. 服部
17. ツイス島&シャウ島
<アンコール>
18. EBI(CSA)~人生は上々だ
19. KEEP ON ROCK'N ROLL

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