BEYOOOOONDSは2018年に結成し、2019年8月にメジャーデビューしたハロー!プロジェクトの12人組グループ。本日の公演は3月から実施されているツアー「BEYOOOOOND1St CONCERT TOUR ~どんと来い! BE HAPPY!~」の一環として行われ、グループ初となる日本武道館での単独公演を見届けようと、会場には大勢のファンが集まった。また全国52館の映画館で行われたライブビューイングでも、多くのファンが記念すべき晴れ舞台を見届けた。
まずはオープニングアクトとして
オープニングムービーが流れて大きな拍手が鳴る中、アニマル柄の衣装に身を包んだBEYOOOOONDSが、ゆっくりとアリーナ中央に設けられたステージへ。「さあ、後悔しないように楽しもう! たとえ声にできなくても、私たちには、僕たちには、手がある」と、コロナ禍で制限がある中でも観客とライブを楽しみたいというメッセージを観客に届けた。華々しくスタートを飾った1曲目は3月2日にリリースされたニューシングル「英雄~笑って!ショパン先輩~」。小林萌花が奏でるグランドピアノの旋律に乗せて11人が踊り、清野桃々姫は得意のボイスパーカッションで魅せる。そしてこのツアーで初めて披露されているディスコチューン「虎視タンタ・ターン」と続いた。
最初のMCで高瀬くるみは「声援を送ったりは難しい状況ですが、何度でも言いますよ。皆さんには手がある!」と改めて観客に伝え、「Go Waist」では江口紗耶が先導してさながら武道館がトレーニングジムに。その後もBEYOOOOONDSは次々にアッパーな曲を畳みかけ、セリフもふんだんに盛り込まれた「きのこたけのこ大戦記」では、メンバーが多彩な表情で、きのことたけのこの熾烈な戦いを表現してみせた。
ここからはグループ内ユニットのコーナーへ突入。高瀬、前田こころ、山崎夢羽、岡村美波、清野からなる雨ノ森川海は、パワフルなボーカルでクールなパフォーマンスを披露する。また平井美葉、小林、里吉うたのの3人組・SeasoningSのステージでは、小林が奏でるピアノの旋律に乗せて平井と里吉がステップを踏む一幕も。そして一岡伶奈、島倉りか、西田汐里、江口紗耶のCHICA#TETSUは駅名がタイトルに冠された3曲をキュートに歌い、それぞれ個性豊かなステージを見せた。
寸劇を取り入れた楽曲が多いことで知られるBEYOOOOONDS。続いては“ハイブリッド寸劇”「眼鏡くんは罪なやつ」のパートへ。BEYOOOOONDSの武道館公演の会場周辺を舞台に山崎と高瀬が演じる2人の人物が繰り広げる会話に始まり、全員が衣装をチェンジして披露されたのは、デビュー曲の「眼鏡の男の子」。前田演じる眼鏡くんを巡り、恋の駆け引きがセンターステージ上で目まぐるしく展開された。その後も数曲を挟んで物語は続き、恋心をこじらせた島倉が暴走を見せる展開に観客は釘付けになっていた。
英語のナレーションから大仰なBGMに乗せてスクリーンに映し出されたのは、大量の唐辛子。ストライプの衣装にチェンジしたメンバーは、「激辛LOVE」をエネルギッシュにパフォーマンスする。そして上から降りてきたハムカツを西田がサクッとかじると「ハムカツ黙示録」へ。メンバーは表情をコロコロと変えてそれぞれの楽曲の世界観を巧みに表し、デビューしてからさまざまな活動で培ってきた表現力をこれでもかと発揮した。本編最後に披露されたのは、本ツアーで初披露されている新曲「オンリーロンリー」。12人は360°を取り囲んだファンに「また遊ぼうね」とさわやかに歌い、一度ステージをあとにした。
ほぼMCなしで本編を駆け抜けてきた12人。アンコールでボリュームたっぷりのスカートが映えるピンクの衣装をまとい登場すると、その片手にはカスタネットが。新曲「涙のカスタネット」では、コール&レスポンスの代わりに観客と息を合わせてカスタネットを叩き、歓声が出せない状況ながらも新たな形でライブを盛り上げた。
最後にメンバーが1人ずつ挨拶。清野は「BEYOOOOONDSの輪、広がってきたね! 大きくなってきました。いろんなステージを重ねる中で、輪の広がりを体感できていることがうれしいし、誇りです。私はすごくBEYOOOOONDSが大好きで、BEYOOOOONDSを大好きでいてくださる皆さんが大好きです。だからすごくいい相乗効果。BEYOOOOONDSの希望と笑顔を見ていてくださって、守ってくださってありがとうございます」と笑顔でコメントし、岡村は「皆さんに1つ聞いてみたいことがあるんですけど、今日、本物のアイドルになれてましたか?」と観客に質問。大きな拍手が響き、岡村は堪えきれず涙を流す。また岡村は「今日のコンサートは今のBEYOOOOONDSにできる、最大限の最高のショーをお届けできたと自信を持って言うことができます。それは大好きで尊敬できる11人のメンバーがいたからできたことなので……みんな、BEYOOOOONDSでいてくれてありがとう」と、メンバーにも感謝を述べた。江口は「ずっと憧れていた武道館のステージに、BEYOOOOONDSとしてメンバーと一緒に立てたことを本当にうれしく思います。これからの私の人生の中でも今日は本当に忘れられない1日になったなと思います」と喜びを噛み締め、西田は「BEYOOOOONDSを好きでいてくださる皆さーん! いつもたくさんの愛情と優しさを本当にありがとうございます。これからもBEYOOOOONDSは皆さんを応援するアイドルであり続けたいと思います。つらいとき、苦しいとき、ぜひBEYOOOOONDSに会いにきてください!」とファンへ力強くメッセージを贈った。
「本当に楽しくて。始まる前はお腹が痛かったんですけど……」と口火を切ったのは山崎。「あっという間にここまできてしまって、ちょっとだけ悲しいんですけど、こんなに広いステージで私がパタパタ羽ばたくことができたのは、大好きなみんなのおかげです。今日は本当に、宇宙一ゆはっぴー!」とお馴染みのフレーズを交えて喜びを爆発させた。そして前田は「いつもメンバーと『BEYOOOOONDSって本当にたくさんの方に愛していただいているよね』って話すんですけど、今日は改めて強く感じました。これからもたくさんの方に愛していただけるグループになれるように精一杯がんばっていきますので応援よろしくお願いします」と呼びかける。言いたいことが頭から抜けてしまったという里吉は、「(頭の中で)言いたかったことが入ってたところに、うれしかった気持ちや今日皆さんが見せてくれた景色が全部入っちゃって。スポーンと押し出されちゃったんだなと。そのくらい濃い時間でした。本当にうれしいです、幸せです。この気持ちを今日で最後にせずに、一緒に楽しいことをしたいなと思っていただけるようなグループであり続けられるようにがんばりたいと思います」と言葉を紡いだ。
島倉は「悲しいことがあったときにBEYOOOOONDSのことを考えるとハッピーになれる、そんな存在であり続けたいと思っています。今日日本武道館でライブをさせていただいて、改めて本当に本当にBEYOOOOONDSのことが大好きだなと思いましたし、このメンバーの中に自分が入れていることがとても幸せだなと実感しました」とコメント。小林は「3年ちょっと前ですか。私はまだピアノを弾いている普通の女の子だったんですけど、こういう大きなステージでピアノが弾けるなんて全然想像してなかったんですよ。だからこうやって弾けるのが本当にうれしくて。これって、BEYOOOOONDSじゃないとできないじゃないですか。本当にBEYOOOOONDSでよかったなって今日思いました。BEYOOOOONDSって本当に優しいんですよ。ここはすごく優しい世界なんです。皆さんも普段いろんなことがあると思うけど、この優しい世界にまた遊びにきてほしいなって思います」としみじみと喜びを語る。そして平井は、「いつも応援してくださる愛してくださる皆さんと、そして大好きなみんなと、スタッフの皆さんと作り上げた、唯一無二のBEYOOOOONDSショー。本当に素敵な時間でした」と、次第にゆるんでいく涙腺と戦いつつ感謝を伝えた。
高瀬が「ねえねえみんな、今日はどれくらい楽しかったか、拍手で聞かせてください!」とリクエストすると、客席からこの日一番の大きな拍手が鳴り響き、「まあそりゃそうだよね。BEYOOOOONDSのライブだもん!」と納得の表情。「自分に自信が持てるタイプじゃないこんな私が、こんなに自信満々になれるのは、紛れもなくBEYOOOOONDSだからです。私たちを支えてくださる方々と、これからももっともっと素敵な空間を一緒に作っていきたいなって思う、そんなコンサートでした!」と胸を張った。最後の一岡は「BEYOOOOONDSが結成して、私たちだけを観に来てくれる公演ができると最初は思ってなかったので、すごくうれしく思います。ツアーもBEYOOOOONDSの物語もまだまだ続くので、推し変とかしないで(笑)、目を離さずずっと応援してくれたらうれしいです! ありがとうございました」と感謝を伝えた。
ラストにはメンバーが輪になって目線を合わせながら、ゴスペル調のナンバー「伸びしろ ~Beyond the World~」を歌唱。全方位の観客に向かって何度も手を振り続け、「またお会いしましょう! 以上、BEYOOOOONDSでした!」と声をそろえ、初の武道館公演を大成功に収めた。
※山崎夢羽の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記。
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