山崎まさよし&TRICERATOPS、貫禄のコラボセッションでも沸かせた夜

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山崎まさよしTRICERATOPSが出演するライブナタリー企画のツーマンライブ「ライブナタリー “山崎まさよし × TRICERATOPS”」が、4月22日に東京・昭和女子大学人見記念講堂で行われた。

コラボセッションの様子。(撮影:星野耕作)

コラボセッションの様子。(撮影:星野耕作)

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ともに90年代にデビューし、これまでもコラボや競演経験のある山崎とTRICERATOPS。活動スタイルや編成は違えど、相思相愛とも言える2組の対バンは、この日限りのコラボセッションも飛び出すスペシャル感のある一夜となった。

TRICERATOPS(撮影:星野耕作)

TRICERATOPS(撮影:星野耕作)[拡大]

和田唱(TRICERATOPS)(撮影:星野耕作)

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先陣を切ったのはTRICERATOPS。オープニングナンバーとしてディスコチューン「FEVER」でホール内の空気をじわじわと温め、間髪いれずにバンドの代表曲の1つである「GOING TO THE MOON」を披露した。和田唱(Vo, G)、林幸治(B, Cho)、吉田佳史(Dr, Cho)が奏でる音は有機的に絡み合い、心地よくダンサブルなグルーヴを生み出していく。ライブ映えする2曲を続けてプレイしたところで和田は「この日をとっても楽しみにしていました。まさよしさんとは何気に初ツーマンです!」「皆さんも心ゆくまで音楽に身を委ねて味わってください」と客席に呼びかける。そして、4月20日に7年4カ月ぶりとなるオリジナルアルバム「Unite/Divide」をリリースしたばかりであることを告知し、林と吉田のコーラスワークも冴える収録曲「マトリクスガール」へとつなげた。最新型のTRICERATOPSを披露したのに続いて彼らがプレイしたのは、23年前にリリースされた「if」。3人はこの曲を丁寧なアンサンブルで紡ぎ、懐かしいナンバーを“大人なTRICERATOPS”の曲にアップデートして届けた。

林幸治(TRICERATOPS)(撮影:星野耕作)

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吉田佳史(TRICERATOPS)(撮影:星野耕作)

吉田佳史(TRICERATOPS)(撮影:星野耕作)[拡大]

気持ちよさそうにアウトロでたっぷりとギターソロを繰り広げたあと、和田は「今日、僕らのこと初めて観るという人はどれくらいいますか?」と突然観客に質問し始める。ちらほらと客席から挙がる手を見た彼は、「いいっすね! 初めまして! その方たちはまさよしマニアの方たちですね」と上機嫌で挨拶。「まさよしさんと一緒だと、いつも以上に音楽に入り込める気がするんですよね。まさよしさんが醸し出しているものがあるんですよ。それが僕らにとって心地いいんです。今日もまさよしオーラが充満してますね。僕らも負けじと醸し出しますよ!」と意気込み、和田曰く“濃い目”の「MIRROR」へ。結成25周年を迎えるバンドにふさわしい貫禄をジャムセッションを交えながら見せつけ、痛快で骨太なロックチューン「トランスフォーマー」でひと盛り上がりして山崎にバトンを渡した。

山崎まさよし(撮影:星野耕作)

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「ライブナタリー “山崎まさよし × TRICERATOPS”」の様子。(撮影:星野耕作)

「ライブナタリー “山崎まさよし × TRICERATOPS”」の様子。(撮影:星野耕作)[拡大]

この日、山崎はサポートに中村キタロー(B)と江川ゲンタ(Dr)を迎えた3人編成でステージへ。TRICERATOPSが作り出した熱気に満ちたムードを引き継ぐように、「アドレナリン」を朗々と歌い上げ観客の体を揺らす。中村の深みのあるベースで始まる「Passage」で胸に迫るような歌声を響かせたのち、山崎は「今日はどういう対応をしていいかよくわからないんですけど、ようこそお越しくださいました。えー、今からMCをしゃべります」とおもむろにトークを始める。和田とのツーマンツアーを振り返りつつ、「(TRICERATOPSには)さっきはステージを温めていただき……でも、ちょっとすみません、こっちはおじさんですよー」とマイペースに話し続け会場を和ませた。

江川ゲンタ(撮影:星野耕作)

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中村キタロー(撮影:星野耕作)

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ノスタルジックなムードたっぷりの「未完成」でしみじみした空気を作り出したあと、山崎はファンクテイスト全開の「Fat Mama」を投下。中村と江川という旧知の仲である2人が奏でる軽快なサウンドに、小気味のいい歌声とギターを絡ませる。一転して「影踏み」では重厚なアンサンブルに乗せて、狂おしさをにじませた声をじっくりと聴かせ、キャリアに裏打ちされたそのパフォーマンスでオーディエンスを圧倒した。しかし、ひとたびMCになるとマイペースぶりが再び炸裂。「僕、(コロナ禍になってから)YouTubeで『craftpapa』ってDIYのチャンネルをやってるんですけど、2人ともこの2年、何やってたの?」と中村と江川に質問をしたかと思えば、「皆さんもいろいろあったと思いますが、世界情勢とかもなんかねえ……うん……」「でも絶対いいほうに向かってると信じてやっていきましょうね」と現代社会に思いを馳せていた。そんなMCを経ての「Hello ヘヴン」で山崎は、自身がつづった歌詞を力を込めて熱唱。さらにデビュー曲である「月明かりに照らされて」を演奏して一旦ステージをあとにした。

左から山崎まさよし、和田唱(TRICERATOPS)。(撮影:星野耕作)

左から山崎まさよし、和田唱(TRICERATOPS)。(撮影:星野耕作)[拡大]

「ライブナタリー “山崎まさよし × TRICERATOPS”」出演者たち。(撮影:星野耕作)

「ライブナタリー “山崎まさよし × TRICERATOPS”」出演者たち。(撮影:星野耕作)[拡大]

イベントの最後に用意されたのは、双方のファンが待望したセッションコーナー。まずは山崎と和田が軽やかな足取りでステージに現れ、固い握手を交わす。ギターを抱えた2人は、2015年に行われたアコースティックライブ「和田唱×山崎まさよしpresents “ヤマショウのマーチ”」で披露していた「ヤマショウのマーチ」をデュエット。歌い終えたあとには楽曲の誕生秘話を明かしたり、The Beatlesの替え歌のカバーを即興で始めたり、息の合った会話を繰り広げる。その後、林と吉田の2人が合流し、山崎がTRICERATOPSのトリビュートアルバム「TRIBUTE TO TRICERATOPS」でカバーした「シラフの月」へ。観客は2組それぞれの個性が溶け合った「シラフの月」をじっくりと堪能し、曲が終わると大きな拍手をステージの4人に送った。「また(ツーマン)やりましょうね」と和田が山崎に約束したところで、中村と江川が加わり、手練れ6人による「セロリ」のセッションがスタート。観客が手が振り盛り上げるなど、実にのどかでピースフルなムードの中、「ライブナタリー “山崎まさよし × TRICERATOPS”」は大団円を迎えた。

なお、uP!!!ではアーカイブ映像を5月5日23:59まで配信中。配信チケットは5月5日20:00まで販売されている。ナタリーストアでは、イベントのオリジナルグッズを本日4月25日18:00から販売中。

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「ライブナタリー “山崎まさよし × TRICERATOPS”」2022年4月22日 昭和女子大学人見記念講堂 セットリスト

TRICERATOPS

01. FEVER
02. GOING TO THE MOON
03. マトリクスガール
04. if
05. MIRROR
06. トランスフォーマー

山崎まさよし

01. アドレナリン
02. Passage
03. 未完成
04. Fat mama
05. 影踏み
06. Hello ヘヴン
07. 月明かりに照らされて

セッション

01. ヤマショウのマーチ
02. シラフの月
03. セロリ

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読者の反応

TRICERATOPS_BAND @TRICERA_BAND

御来場下さった方々、配信で観てくれた方々、山崎まさよしさん、そしてこの2マンを企画して下さったナタリースタッフの皆様!ありがとうございました。ステージ上のメンバーの笑顔が印象的な素敵な一夜になりました。 https://t.co/8sdL6pLL49

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