三月のパンタシアは3月にリリースした最新アルバム「邂逅少女」を携えて、東京・Zepp Haneda(TOKYO)となんばHatchでライブを実施。みあ(Vo)が書き下ろした小説「再会」を軸に、青春時代を必死に生きる少女たちの物語をライブを通して描き出した。
開演時間になると、みあ(Vo)とバンドメンバーが青い照明に染まったステージに登場する。「さまざまな色が映し出す、甘美でいびつでブルーな感情。今宵、それは音楽になり、このライブハウスで光り弾ける」というライブの開幕を告げる朗読を経て、みあが歌い始めたのは「夜光」。昨年11月に“素顔”を解禁したみあは照明の光を浴びながら、疾走感のあるサウンドを背に受けて生き生きと歌を届けた。さらに間髪をいれずに彼女たちは「夜光」のアンサーソング「閃光」の演奏へ突入。晴れやかなアンサンブルに乗せ、みあはブルーのフラッグを掲げてエネルギッシュな歌声を場内いっぱいに響かせた。そしてみあは「今日は最高の夜にします。最後まで楽しんでいってね」と笑顔で観客に告げ、勢いを加速させていくようにアッパーチューン「101」を投下。彼女が力強いスラップベースをバックに攻撃的なラップを披露すると、その熱に呼応するようにオーディエンスもステージに向かって高く手を掲げた。
昨年まで三月のパンタシアのライブではステージの照明が暗く落とされていたが、明かりに照らされて見えるようになったみあの表情はとても晴れやか。彼女は朗らかな表情で会場の隅々まで見渡し、ライブという特別な空間を心ゆくまで楽しんでいるようだった。みあは「君をもっと知りたくない」で素直になれない気持ちを歌い上げ、「幸福なわがまま」ではオーディエンスが一斉に左右に手を振る景色をうれしそうに見つめる。「幸福なわがまま」の続きを描いた「あのね。」ではアコースティックギターの優しい音色に乗せて今はもう隣にはいられない“君”への思いが歌われた。
最新アルバムの軸となっている小説「再会」のキャラクター・美紀の心情を描いた朗読を挟み、披露されたのは「シリアス」。狂おしいほど情熱的な恋心が疾走感のあるサウンドと熱を帯びた歌声で表現され、オーディエンスは物語の世界に引き込まれていく。「サマーグラビティ」ではみずみずしいサウンドが場内に広がり、「パステルレイン」では軽やかなリズムに合わせてオーディエンスが自由に体を揺らした。小説「再会」のキャラクター・琴絵の心情を反映した朗読を経て、披露されたのは「リマインドカラー~茜色の記憶~」と「君の幸せ喜べない、ごめんね」。「リマインドカラー~茜色の記憶~」は2017年に発表された楽曲だが、苦しい思いを胸の内に秘める琴音の姿に切なさあふれる歌が重なる。琴音の気持ちにスポットを当てて作られたナンバー「君の幸せ喜べない、ごめんね」では、いびつで毒々しい感情が解き放たれるように歌われた。
その後、みあは深い青色に染まったステージでノスタルジックなメロディが印象的な「青に水底」を歌唱。淡く切ない感情や繊細な心の揺れを描く三月のパンタシアの世界観を、観客は1曲ずつじっくりと堪能していた。小説「再会」の主人公・麻莉の物語が朗読されたあと、披露されたのは小説のメインテーマの1つ「花冷列車」。神聖かまってちゃん・の子とのコラボで生まれた胸をくすぐるようなポップで切ないメロディにオーディエンスはクラップを重ねて物語の中に入り込む。さらに代表曲の1つ「青春なんていらないわ」が続けて歌われると、会場の一体感はとどまることなく高まっていった。
そしてみあはこれまで何度もオーディエンスと心を通わせてきたメジャーデビュー曲「はじまりの速度」を柔らかな表情でパフォーマンス。続いて「幸せのありか」を温かなアンサンブルに乗せて歌い上げ、彼女は「初めて大阪にやってきました。ありがとうー!」と改めて観客に挨拶した。本来なら大阪公演は3月に行われる予定だったが、みあが新型コロナウイルス感染症に感染し、4月に開催延期に。みあは「楽しみにしてくれていたみんなのことを思って申し訳ない気持ちになっていたんですけど、そんな中で君が励ましのメッセージを送ってくれたり、それぞれの見守り方で応援してくれたり。そういうみんなの思いに私は本当に救われていました」と療養中を振り返り、「とにかくいち早く元気いっぱいになって、みんなのもとに会いに行きたいとずっとずっと思っていて。今日実際にこうやって元気にはつらつとした姿でここに歌いに来ることができて本当にうれしいです。今日は来てくれてありがとうございます!」とファンに感謝の思いを述べた。拳をぐるぐると回して会場がひとつになった「醒めないで、青春」を経て、披露されたのは三月のパンタシアとファンの物語を描いたナンバー「ランデヴー」。みあはファンへの思いを音楽に乗せて歌い、弾けるような笑顔でフラッグを大きく左右に振った。ラストナンバーは小説「再会」のエンディングテーマ「春に願いを」。三月のパンタシアとリスナーの出会いにも重なる「運命は偶然で 偶然は奇跡で」というフレーズを優しく届け、みあはステージをあとにした。
アンコールを求める拍手に呼ばれて再びステージに姿を現したみあは、オレンジのライトが差し込むステージで「花に夕景」を歌唱。初の大阪公演ということで、MCではみあが「『551』があるときー。『551』がないときー」と大阪名物「551」のCMを無邪気に再現する場面もあった。フレデリックとのコラボで誕生した新たなナンバー「アイビーダンス」では“パンダくん”がステージに登場。ミュージックビデオと同様にみあとパンダくんが“愛してる”のハンドサインを取り入れたキャッチーな振り付けを披露すると、会場はたちまちダンスフロアと化す。大阪公演のアンコールではテレビアニメ「カッコウの許嫁」のエンディングテーマ「四角運命」も初披露され、力強いビートをバックに恋する少女の葛藤が歌われた。そしてみあは「本当に楽しくて、この幸せな時間がずっと続けばいいなって私は本気でしみじみ思ってるんですけど、私たちはまた絶対に再会できますから。私たちの物語はまだまだ続いていくし、幸せな時間も続いていきます。なので、これからも一緒に幸せになりましょう!」と観客に言葉を贈ったあと、「三月がずっと続けばいい」を披露。最後までオーディエンスとライブを楽しみ、みあは晴れやかな表情で初の大阪公演を締めくくった。
また三月のパンタシアは6月22日に両A面シングル「四角運命 / アイビーダンス」をリリースすることを発表した。シングルはDVD付きの初回限定盤と期間生産限定盤、CDのみの通常盤の3形態が用意される。
三月のパンタシア「三月のパンタシア LIVE 2022『邂逅少女』」2022年4月22日 なんばHatch セットリスト
01. 夜光
02. 閃光
03. 101
04. 君をもっと知りたくない
05. 幸福なわがまま
06. あのね。
07. シリアス
08. サマーグラビティ
09. パステルレイン
10. リマインドカラー~茜色の記憶~
11. 君の幸せ喜べない、ごめんね
12. 青に水底
13. 花冷列車
14. 青春なんていらないわ
15. はじまりの速度
16. 幸せのありか
17. 醒めないで、青春
18. ランデヴー
19. 春に願いを
<アンコール>
20. 花に夕景
21. アイビーダンス
22. 四角運命
23. 三月がずっと続けばいい
三月のパンタシア「四角運命 / アイビーダンス」収録内容
初回限定盤 / 通常盤CD
01. 四角運命
[作詞:みあ / 作曲・編曲:片山将太]
02. アイビーダンス
[作詞:みあ / 作曲:三原康司 / 編曲:フレデリック]
03. ユアソング
[作詞:みあ / 作曲・編曲:やいり]
04. 四角運命 -Instrumental-
05. アイビーダンス -Instrumental-
期間生産限定盤CD
01. 四角運命
[作詞:みあ / 作曲・編曲:片山将太]
02. アイビーダンス
[作詞:みあ / 作曲:三原康司 / 編曲:フレデリック]
03. ユアソング
[作詞:みあ / 作曲・編曲:やいり]
04. 四角運命 -TV size-
05. 四角運命 -Instrumental-
初回限定盤DVD
・四角運命 -Music Video-
・アイビーダンス -Music Video-
期間生産限定盤DVD
・テレビアニメ「カッコウの許嫁」ノンクレジットエンディング映像
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三月のパンタシア STAFF @3pasi_official
【音楽ナタリー】
改めまして…
三月のパンタシアLIVE2022「邂逅少女」初の大阪公演ありがとうございました!音楽ナタリーにてライブレポートを掲載していただきました🚂🌸
特別な夜の記憶、“再会の物語”を何度でもお楽しみください!
#三パシ邂逅少女
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