TEAM SHACHI、6色のライトが照らした“路上デビュー”10周年記念公演で夏に向けて新たな発表続々

TEAM SHACHIが4月9、10日にライブツアー「TOUR 2022 ～猪突！猛進！猛進！猛進！猛進！～」の“路上デビュー10周年”記念公演を、地元である愛知県名古屋市にある日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールで開催した。

2012年に4月7日にチームしゃちほことして“路上デビュー”を果たし、2018年10月に改名したTEAM SHACHI。2月より開催しているライブツアー「TOUR 2022 ～猪突！猛進！猛進！猛進！猛進！～」のうち、この2日間を“路上デビュー”10周年記念公演とし、10年間のキャリアを総括するようなセットリストでパフォーマンスを披露した。

4月9日公演

チームしゃちほこ時代の開演前SEであるBlur「Song 2」に続いて、「人間50年、アイドル5年、尾張名古屋にしゃちほこあり」という口上が入った、チームしゃちほこ時代に使われていた出囃子が会場に流れると、会場のタフ民（TEAM SHACHIファンの呼称）が色めき立つ。ボリューミーな袖の付いたジャケットを着て、キラキラと輝くヘッドピースを付けた4人は、チームしゃちほこ時代の初期ナンバー「ごぶれい！しゃちほこでらックス」でライブをスタート。赤、青、ピンク、紫、緑、黄という6色の照明がステージを彩る中で、「はー！」と右の手のひらを突き出した。続いて披露された「トリプルセブン」も10年前に発表された楽曲。歌い出しは大黒柚姫が担当し、チームしゃちほこの初期によく見られた小生意気な歌詞を軽快に歌う。東海エリアのピザチェーン店・アオキーズピザのCMソングとしておなじみの「ピザです！」では感染症対策のため声を出せないタフ民に代わってTEAM SHACHIが「よっしゃ！食うぞー！」と“ピザMIX”を叫んだ。

ロングバージョンの自己紹介や「味噌カツ！ 手羽先！ エビフライ！ チームしゃちほこです！ はー！」という懐かしの挨拶を挟んで、4人は「尾張の華」でライブを再開。メジャー1stシングル「首都移転計画」、メジャー2ndシングル「愛の地球祭」、メジャー3rdシングル「いいくらし」はメドレーで披露され、チームしゃちほこ時代に多くのアイドルファンを驚かせたトリッキーなサウンドで会場を沸かせる。CBCラジオ「チームしゃちほこ ごぶれいしました！」でパーソナリティを務めていた大黒と坂本遥奈のコンビ・RADIO CBCはユニット曲「レディオにおねがい」をキュートに歌唱。2人のパートが終わるとそこに秋本帆華と咲良菜緒も合流し、2016年の“路上デビュー”4周年記念日にリリースした春らしい片思いソング「Cherie!」をパフォーマンスして会場に春風を吹かせた。

夢見心地な会場の空気を断ち切るように秋本は「セット！ 行くぞー！」と声を上げ、4人はブラス民（ブラスセクション）を交えて「乙女受験戦争」を披露。咲良のロックシンガーさながらのボーカルがホールいっぱいに響き、最後は4人とタフ民全員でビシッと敬礼ポーズを決めた。ブラス民の演奏で華やかさがプラスされた「JUMP MAN」でたくさん跳んだあとは、4月7日に公開されたYouTubeコンテンツ「4人でドライブ！愛知ご褒美旅でらックス」の裏話や2016年の台湾公演の裏側で起きた事件の話で大盛り上がり。トークが一段落すると、ステージ後方の黒幕が左右に開き、MIYA（B）、Tatsuya（Dr / Crossfaith）、芳賀義彦（G）からなるバンド民が登場した。バンドの演奏に乗せて「ういろう・ザ・チャンピオン」が届けられたあと、4人は衣装をマイナーチェンジして、スタンドマイクで「ちぐはぐ・ランナーズ・ハイ」を披露。咲良が「頭振れ！」と吠えて始まった「ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL」では、客席がヘッドバンギングの嵐となった。

熱くなった空気がブラス民・AMIによるサックスのソロでクールダウンされたあと、4人は「パレードは夜空を翔ける」を歌唱。声で表現されていたトランペットの音色をブラス民が演奏し、そこにキレのあるバンドサウンドと4人の美しいハーモニーが加わり、三位一体のパフォーマンスを作り上げた。咲良が大きく息を吸い、アカペラで歌い始めたのはこれまでも節目のライブで披露されてきたチームしゃちほこ時代の名曲「colors」。咲良に続いて、坂本、秋本、大黒がそれぞれのパートを歌う様子をタフ民は固唾を飲んで見守る。バンドの演奏が始まると、カラフルに輝くステージで4人は歌詞の意味を噛みしめるように歌い、最後は大黒のロングトーンも決まった。

バンド民とブラス民の演奏で会場の期待感を高めたあと、秋本が「見てー！ あの金ピカに光る私たちのシンボル！ しゃちほこよー！」とセリフを言って始まったのは、インディーズデビュー曲の「恋人はスナイパー」。4人は強靭なバンドサウンドに負けないほどのパワフルな歌声を響かせ、間奏ではアクロバットも華麗に決める。アクロバットによって咲良が装着していた機材が外れてしまうというトラブルもあったが、咲良はパートを飛ばすことなく歌ってから舞台袖に捌け、何食わぬ顔でステージに復帰。その対応力でも10年のキャリアを感じさせた。インディーズデビュー曲からTEAM SHACHIとして初めて発表した楽曲「DREAMER」へとつなぎ、ここからは「番狂わせてGODDESS」「HORIZON」「START」とTEAM SHACHIのライブアンセムを連発。前向きな未来について歌った「プロフェッショナル思春期」では、バンド民とブラス民が奏でる荘厳なサウンドが4人の歌声を後押しし、ライブをクライマックスに導いた。

メンバーがステージを去るとスクリーンには4人それぞれのデビュー当時から現在までの写真とともに手書きメッセージが映し出され、メンバーの声でそのメッセージが読み上げられた。坂本は最年少という理由から歌割りが少なくMCパートも1文だけだったデビュー当時から、今では1人でラジオパーソナリティを務めたり、ライブのMCも進んで回すようになった自分の成長を振り返り、咲良は飽き性な自分が10年もの間、活動を続けられたことがファンや家族の応援があったからであるとし、「10年を迎えた私たちはどこに向かうのか本人の私もわかっていませんけど、やりきれるところまでやってみましょう！ いつもありがとう！」と素直な思いを伝えた。

大黒はソロパートもなく、トークも苦手だったデビュー当時のことや自分のグループでの存在理由などに悩んでいたことを明かす。そして「でもシャチを好きっていう気持ちだけは一度もぶれたことがありません。その気持ちがあったからどんなにつらい時期も乗り越えられた」と自信に満ちた声で語った。秋本は事務所の先輩たちが切り開き、レーベルの愛情たっぷりのサポートを受けながらデビューした当時のことを「等身大ではない、実力以上のことをさせていただいた」とし、当時中学生だった自分たちがその大きすぎる課題に毎回必死になって挑んできたことを回想。加えて「10年も続けていればうまくいかないこともあります。けど、タフ民のおかげでこのチームは上を見続けることができました」とタフ民への感謝の思いも述べた。

映像が終わると、TEAM SHACHIは最新アルバム「TEAM」の衣装に着替えてステージへ。秋本が「10年間いろんなことを経験させていただいて今の私たちがいます。11年目もタフなソウルをフロム名古屋で届けていきますのでこれからもTEAM SHACHIをよろしくお願いします」と挨拶し、4人は本編最後の楽曲「Rainbow」を10年間の感謝をたっぷりと込めて歌った。

6色のライトがステージ上部に灯る中、タフ民はアンコールを求める拍手をステージに送る。期待に応えて登場した4人は、かつてはももいろクローバーZや私立恵比寿中学といった先輩グループも歌い、自分たちも10年前のデビュー当初パフォーマンスしていた楽曲「ダイビング」を歌唱。10周年ライブだからこそできるスペシャルなステージでタフ民を喜ばせた。最後は10年間の感謝を込めて「マジ感謝」でフィニッシュ。それぞれこのライブで感じたことを語り、名残惜しそうにステージを降りた。

4月10日公演

2日目もBlur「Song 2」に続いてチームしゃちほこ時代に使われていた出囃子が流れたあと登場した4人は、「ごぶれい！しゃちほこでらックス」でパフォーマンスを開始。続いて4人は「そこそこプレミアム」をパワフルに届け、“なごやめし”を歌詞に詰め込んだ「いただきニッポン！～おみそれしましたなごやめし～」で会場をほっこりとさせる。「もーちょっと走れ!!!」を挟み、TEAM SHACHIはこの日も「首都移転計画」「愛の地球祭」「いいくらし」のメドレーを披露。ユニットのパートでは秋本と咲良からなるチームねこねこが「秘密のセレナーデ」を笑顔で歌った。

TEAM SHACHIはレーベルメイトの川谷絵音からの提供曲「シャンプーハット」をアンニュイな表情で届けたあと、チームしゃちほこ時代から色褪せないキラーチューン「抱きしめてアンセム」を熱唱。4人はタフ民と一緒に踊りまくり、この日のライブのハイライトを生み出した。

バンド編成での「ういろう・ザ・チャンピオン」で後半戦をスタートさせたTEAM SHACHIは、バンドアレンジでド派手なサウンドになった「ザ・スターダストボウリング」で会場の熱気を高める。「ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL」「パレードは夜空を翔ける」と1日目と同じ流れで楽曲をパフォーマンスしたあと、「colors」が始まると、大黒が感極まって泣き出し、ほかのメンバーもそれにつられて瞳を潤ませた。エモーショナルな空気をアッパーチューン「恋人はスナイパー」で一変させた彼女たちは、「番狂わせてGODDESS」や「HORIZON」といった最新曲で現在のTEAM SHACHIを強く印象付ける。本編は1日目と同様に「プロフェッショナル思春期」、メッセージ動画の上映、「Rainbow」のパフォーマンスで幕を閉じた。

2日目のアンコールは、「最強パレパレード」のカバーでスタート。この曲も10年前に彼女たちが披露していた懐かしの楽曲だ。最後は「でらディスコ」でタフ民と踊り、2日間にわたる“路上デビュー”10周年公演をにぎやかに締めくくった。

TEAM SHACHIはこのライブで、7月10日に大阪・大阪城音楽堂にて野外ワンマン「TEAM SHACHI SHACHI SUMMER～破茶滅茶！夏のサバイバル！～」を開催することと、ワーナーミュージック・ジャパン内のレーベル・unBORDEを離れ、8月に自主レーベルを立ち上げることを発表した。ファンクラブ・タフ民の集いでは「TEAM SHACHI SHACHI SUMMER～破茶滅茶！夏のサバイバル！～」のチケット先行抽選予約を4月17日まで受け付けている。

※記事初出時、2日目のレポート内容に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。