しゅーず、家族のようなファンと2年半ぶりに再会したワンマン「Fiore」

しゅーずが3月26日に東京・Zepp DiverCity（TOKYO）にてワンマンライブ「Shoose Oneman Live 2022 -Fiore-」を開催した。

1曲目「EXPLORER」のイントロが鳴り始めると、四方をLEDで囲まれたステージ上にしゅーずが登場。フロアの客席に向けて微笑みかけた彼は「EXPLORER」を切なく歌い上げ、オーディエンスを楽曲の世界へと引き込んでいく。がなるような歌い方や巻き舌を織り交ぜたボーカルアレンジで魅せる「ヴィラン」、オーディエンスを扇動するように手を叩いて会場内に一体感をもたらした「イルミネート」など、しゅーずはオリジナル曲を中心にボカロ曲を織り交ぜたセットリストを展開した。「ようこそお越しくださいました」とオーディエンスを歓迎した彼は「長らく待ったと思います。この日を。ここにいる人はみんな家族よう」と、2年半ぶりの有観客ワンマンでのファンとの再会を喜んだ。

しゅーずの艶やかなファルセットから始まったのは「Highway Lover」。しゅーずが得意とする”2番目の女”をテーマにしたこの曲が流れると、オーディエンスは青白く光るペンライトを揺らしながらじっと彼の歌声に聴き入っていた。続いてしゅーずは「Highway Lover」「U」としっとりした楽曲を歌ったかと思えば、アッパーなダンスナンバー「[A]ddiction（Fiore ver.）」でゲストのダンサーユニット・ATYをステージに招いてパフォーマンスを披露。しゅーずがたびたび「感情のジェットコースター」と表現する緩急を付けたセットリストでオーディエンスの感情を揺さぶった。ライブ中盤にはシークレットゲストであるun:cをステージに呼び込み、「XYZ VS XYZ」企画でun:cとしゅーずのコラボ曲として発表された「ストロウ」をパフォーマンス。2人はシンメトリーなダンスを披露しながら見事なかけ合いを繰り広げ、会場内のテンションを一気に引き上げていく。さらにしゅーずはATYの2人まで呼び込み、4人でシアトリカルなダンスを織り交ぜた「Booo!」でライブの山場を作り上げた。

un:cとのコラボを経て衣装チェンジをしたしゅーずは、今年リリースしたばかりの「Night Wander」でパフォーマンスを再開させ、ライブをクライマックスに向けて盛り上げていく。梅とらの提供曲である「脈拍」「狂喜乱舞」を立て続けに歌って勢いを付けたしゅーずは、得意曲「PiNK CAT」でATYとともに息の合ったダンスを披露してファンを誘惑。「本当に楽しくて仕方ない。楽しい時間はあっという間」と名残惜しそうに話し始めたしゅーずは、初めて自身で作詞作曲を手がけた「VELVET NIGHT」を歌い始める。“あなた”への思いと孤独感が入り混じるこの曲を憂いを帯びたボーカルで歌い上げた彼は「本当にありがとうございました」という挨拶とともに深く一礼して、ステージをあとにした。

アンコール代わりの拍手に応えて再度ステージに登場したしゅーずは、物販の手旗を振りながら椎名林檎「NIPPON」のカバーを歌唱。オーディエンスも彼の動きに合わせて手旗やペンライトを振り、会場内は心地よい一体感に包まれていく。1曲歌い終え、リラックスした表情で物販紹介をし終えたしゅーずは、昨年開催した配信ライブ「Black Velvet」の収録をこの会場で行ったことを明かし、「無観客の配信ライブと比べて、今日はすごくワクワクした。熱がすごくって」と、興奮気味に有観客ライブの手応えを語った。2019年のデビュー10周年ライブの際に「辞めようと思っていた」と自身の心情を明かしたことを振り返った彼は「今日ここに立たせていただいているのは、皆様がこうして来てくれているから。皆様が応援してくれる限りもうちょっとがんばっていきたい」と自身の覚悟を改めて口にした。最後にしゅーずはATYとともに「マンティス▽クライシス」を歌唱。演奏中には犬の被り物をしたわんくもステージに駆け付け、会場内は大盛り上がりに。計20曲を歌い上げたしゅーずは「胸がいっぱいです。またの機会がありますことをお祈りしています」という言葉を残し、この日のライブの幕を閉じた。

なおこの日のライブの模様が5月14日（土）にStreaming+およびZAIKOにて配信されることが決定。チケット購入者は翌15日までアーカイブ映像を視聴することができる。

※記事初出時、見出しに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。