2月27日の“ナナニジの日”に新メンバー8人の加入を発表し、総勢14人体制になった22/7。ステージ幅いっぱいに並んだメンバーに光が当たり、観客と生配信のカメラの前にその姿を現した新生22/7は、まず「ムズイ」「理解者」の2曲で厚みのあるハーモニー、一糸乱れぬパフォーマンスを披露し、既存のシングル曲を新たな形で届けてみせた。グループが変化することに対する迷いや恐れを感じさせない、芯の強い歌とダンスに観客の視線は釘付けになり、さわやかな青春ソング「ポニーテールは振り向かせない」が始まるとその緊張感が解かれる。「何もしてあげられない」ではドラマ性あふれる群舞が展開され、再び会場内の空気が引き締まった。
MCになると、宮瀬玲奈が「ツアー最終公演、有終の美を……」と話すところを「最終の美を飾る」と言い間違えてしまうも、「それくらい、気合いが入っているということです!」と意気込みを表明。そんな場が和む瞬間も挟みつつ、22/7はその後も気迫のこもったパフォーマンスを展開していく。天城サリーを中心にメンバーが両腕を広げて大きな帆を表現し、望月りのが伸びやかな歌声を響かせる「風は吹いてるか?」、ペアになって手と手を取り合い、見つめ合いながら踊る「君はMoon」、キレのあるダンスで観る者の目を奪う「Just here and now」、白沢かなえが先頭に立って力強く走り出す「韋駄天娘」が間髪いれずに畳みかけられた。運動量の多いダンスが繰り広げられる中で新メンバーそれぞれの声の魅力が引き立ち、癒やしのナンバー「循環バス」ではメンバーの数が増えた分、歌詞の中のドラマにより厚みが増していた。
次のMCではほぼ毎日ともにレッスンしてきた14人が、あるとき、いつもとは違うメニューを試してみようと先輩メンバー6人、後輩メンバー8人に分かれて踊り、お互いに感想をコメントし合ったことがあるという話題に。天城は「こんな恐ろしい練習、誰が考えたんだろうね」とこぼしていたが、実は白沢と宮瀬の発案であることが明かされた。涼花萌はそのレッスンの中で「萌先輩かわいい」というコメントをもらったことをにこやかに話すも、すぐに「本当は?」と詰め寄られ、「萌先輩かわいい」ではなく「先輩方かわいい」だったと白状。会場の笑いを誘った。また、メンバーは楽屋での天城と涼花のちょっとしたいたずらに宮瀬が引っかかってしまった話でも盛り上がり、河瀬詩の「いい加減にしてください!」というツッコミが小気味よく決まった。
ここで改めて新メンバーの自己紹介が行われ、チアダンス仕込みの元気さを持つ望月は「国民的アイドルといえばナナニジと言われるくらい、大きなグループにしたい! 私自身も元気をいっぱい与えられるアイドルになりたいです」と頼もしい夢を語る。月城咲舞は「ナナニジのプリンスの座を狙っています!」と宣言し、インドネシア舞踊と、アナウンススクールに通っていたことでニュース原稿を読むことが得意であるというインドネシア出身の四条月は天然な挨拶で笑いを呼んだ。椎名桜月は「大好きな歌を歌うことで思いを届けていきたい」と穏やかながらも芯のある声で語り、グループで一番小柄だが、それを感じさせないダイナミックなパフォーマンスで魅せる清井美那はフラッシュ暗算を特技とする頭脳と、山岳部で養った体力と精神力を持ってグループへの貢献を誓う。水泳とバレエを得意とし、演じることに憧れがあるという雨夜音は一番の緊張しいのようだが、「スンってしていたら、手を振ってください」とあどけなくお願い。日本代表にも選抜されたフェンシングと、長く続けてきた茶道の腕前を誇る一方、変な擬音語を日常会話に盛り込むことも特技の麻丘真央、「普通でなんでもない私を特別にしてくれるナナニジと、ファンの皆さんに恩返しをしていきたい」という控えめな言葉と、自称“あざとい”笑顔のギャップが魅力の相川奈央もそれぞれの個性で観客を惹き付けた。
ライブ後半戦では、そんな初々しい新メンバーのパワーを加えた22/7がさらなる進化を見せつけていく。1人ひとりが情感豊かにセリフを放つ「ヒヤシンス」は、より一層清々しく力強い魅力にあふれ、今の22/7を象徴する曲へと色を変えた。曲の中で先輩後輩の白沢と麻丘は手を合わせて清らかなつぼみを表現。秘密の恋心を歌った「シャンプーの匂いがした」でも、パフォーマンスを通して春の訪れが告げられる。さらに「僕が持ってるものなら」が披露され、憧れに満ちた後輩メンバーの眼差し、それを受け止める先輩メンバーの包容力で、これまで以上にリアルな物語が紡がれた。本編のラストには最新シングル曲「覚醒」が届けられ、そのタイトルを体現するような、前のめりの渾身のステージが繰り広げられる。人との交わりを好まず、注目されることが苦手で、22/7の“陰”を象徴する西條和と、はつらつとした笑顔で大きな野暮を抱く22/7の“陽”となった望月。2人が背中合わせに寄り添うことで、今までの22/7にない熱い化学反応が生まれた。
新メンバーが初参加するシングルが7月27日にリリースされることが特報として伝えられたあと、ライブはアンコールへ突入する。興奮が渦巻く中、アンコールの幕開けを告げたのはデビュー曲「僕は存在していなかった」。メンバーカラーの“推しTシャツ”を着用した先輩メンバーに対し、後輩メンバーはまだ色のない純白のTシャツを着て登場したが、その姿が観る者に未来への期待感を抱かせた。
終盤のMCで、西條は「新メンバーが入ると聞いたとき『えー、こわいなー』と思いましたし、実際にステージに立っても『ナナニジ、変わるんだな』と実感しました。でも、こんな怖がりの私でも、今、いい方向に変わるのではないかと思えているし、それは新メンバーの力で、メンバーみんなの力でもあります。これからも、皆さんが見ていたいと思えるグループにしていきたいです」と頼もしい言葉を述べる。そして4月20日に再びZepp DiverCity(TOKYO)でツアーの追加公演が行われることが発表されたあと、その勢いに乗って歌われたのは「未来があるから」。14人は会場を新生22/7に対する希望でいっぱいにしてライブの幕を閉じた。
なお、22/7のオフィシャルサイトでは4月3日21:00まで本公演のアーカイブ映像を視聴できる配信チケットを販売中。
22/7「22/7 LIVE TOUR 2022『14(フォーティーン)』」2022年3月27日 Zepp DiverCity(TOKYO) セットリスト
第1部
01. ムズイ
02. 理解者
03. ポニーテールは振り向かせない
04. 何もしてあげられない
05. 風は吹いてるか?
06. ロマンスの積み木
07. Rain of lies
08. 願いの眼差し
09. 循環バス
10. ヒヤシンス
11. シャンプーの匂いがした
12. 僕が持ってるものなら
13. 覚醒
<アンコール>
14. 僕は存在していなかった
15. 未来があるから
第2部
01. ムズイ
02. 理解者
03. ポニーテールは振り向かせない
04. 何もしてあげられない
05. 風は吹いてるか?
06. 君はMoon
07. Just here and now
08. 韋駄天娘
09. 循環バス
10. ヒヤシンス
11. シャンプーの匂いがした
12. 僕が持ってるものなら
13. 覚醒
<アンコール>
14. 僕は存在していなかった
15. 未来があるから
22/7 LIVE TOUR 2022「14(フォーティーン)」追加公演
2022年4月20日(水)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
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